スタイリスト池田尚輝 撰 ”メンズウエアデザイナー ADAM KIMMEL とニューヨークの美学“
この度、ニューヨークのメンズウェアデザイナー ADAM KIMMELのアーカイヴを集めた展示販売 会を開催致します。
2005FWから2012FWシーズンまで、僅か7年間のブランドとしての活動でしたが、その功績は当時 から現在に至るまで、世界中のファッション関係者、愛好家から非常に高く評価されています。
僕が初めてADAM KIMMELのコレクションを見たのは、2005年の冬、NYのBERGDORF GOODMANで、それはデビューシーズンのものでした。THOM BROWNE.の隣に並べられた服は、 一見あまりにもプレーンなデザインで、贅沢な素材使いのカジュアルウエア。無名にしか思えない ブランドなのに、コレクションはとてつもなく高額で、読み方も不明なAKロゴだけのタグ、壁に 飾られた印象的なルックの写真には俳優Norman ReedusやThe RaptureのLuke Jenner、モデルは男性 に限らずアーティストのHope Athertonなども登場し、個性豊かな人々が自由に着こなす服と、この ブランドが発する謎めいた魅力に、とても強く惹きつけられました。
以来、動向を追い続けながら彼の服を買っていましたが、ブランド休止から9年経った今も、そ の魅力に僕は捉え続けられています。
ADAM KIMMELの服はタイムレスなデザインでありながら、近代メンズウェアの歴史が直接的に 詰まった、着るだけでなく、読み込む事の面白さも伝えてくれるメディアと言えるでしょう。
数十点の服や小物が集まりました。
是非ご笑覧ください。