映画とごはんの会〈アンコール〉#1
『武州藍』
【日時】
2026年2月27日(金)
14時上映開始(13時30分開場)〜16時30分 終了
【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10)
【定員】10人
【参加費】2000円(税込 現地支払)
『武州藍』
1986年/43分/埼玉県教育委員会委嘱/埼玉県羽生市、熊谷市
【作品解説】
武蔵国で藍作りが始まったのは江戸時代という。
大消費地、江戸とのかかわりから生まれた産地であった。これはその藍栽培から染めまでの伝統的技術と習俗の記録である。
正月2日、染物師と紺屋(こうや)の家では、振袖の着物形に切った和紙を藍で染める初染めをする。仕事の無事と藍が健やかであれと祈る。
1月26日愛染さまの緑日。愛染明王は染物師と紺屋の信仰する神である。
春4月、種蒔き。発芽lヶ月後に移植。根付きをよくするため根ほ洗う。
夏8月下旬、刈り取って干す。「藍ねせ」、籾殻の上にゴザを敷いたネセ床に、水をしみ込ませた藍を積み上げ、自然醗酵させる。「藍ねせ」からほぽ10日目に「きりかえし」、水を注ぎ、藍をほぐして空気に触れさせる。約100日後「藍玉作り」、茎と葉を搗いて混ぜ、丸めて乾燥させる。保存と運搬のためである。
紺屋ではまず「藍だて」、水に溶けない藍の色素を還元して、水溶性にする。灰に熱湯を注ぎ、その上澄液、あくを藍と混ぜる。灰は樫などの堅い木のものがよい。次に醸酵の分解作用で色素を抽出していく。フスマ(小麦を製粉するときに出る皮)や酒を加え、藍甕の下の火床に火を入れて温め、醸酵を促す。約1週問で表面に青い泡が立ち、さらに紫色になると藍だては終わる。この方法を「地獄だて」という。
この他に、使っていた藍汁に藍玉を足す「ともだて」がある。
次に「糸染め」、藍甕に糸を浸け、絞る。そして風きりをする。藍を空気にふれさせて酸化させ、糸に色素を定着させる作業である。それを何度か繰り返して、望みの濃さの藍色に染めあげていく。
またこの地方では、長板中型という型染めの方法も発達した。浴衣がこの方法で盛んに染められた。
藍は生きものだという。機嫌の善し悪しがある。その藍の様子を丹念にみながら染める技術には、職人の技と祈りがこめられている。
©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載