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【よくあるご質問】

Q: 鍼灸施術は痛いですか？
A: 当院で使用する鍼は極細のため、痛みを感じにくいよう配慮しています。
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Q: 初めてですが、何か準備は必要ですか？
A: 特に準備は不要です。
施術時には専用の患者着に着替えていただくため、普段着のままお越しいただけます。

Q: 生理中でも施術を受けられますか？
A: はい、生理中でも安心して施術を受けていただけます。

Q: 予約方法を教えてください。
A: 当院は完全予約制です。予約サービス（下記URL）からメニューを選択しご予約ください。
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春から初夏へ、「気」の流れに寄り添う暮らし

～ 東洋医学で読み解く季節のゆらぎとセルフケア ～

春の風がやわらかく吹きはじめると、心なしか体が軽くなったような気がする…そんな感覚を覚えたことはありませんか？
東洋医学では、このような季節の移ろいに伴う心身の変化は、“自然と人とのつながり”によって説明されます。

私たちの身体は、自然界の「気（き）」――すなわち、エネルギーの流れや働きと密接に結びついています。東洋医学の古典『黄帝内経（こうていだいけい）』には、「天人合一（てんじんごういつ）」という思想があります。これは、自然の変化と人間の身体や感情は一体であり、季節の移り変わりに応じて、私たちのからだも変化するという考え方です。

たとえば春は、「木（もく）」のエネルギーが高まる季節。木は芽を出し、枝を広げ、のびのびと成長します。それと同じように、春になると私たちの身体の中でも「陽気（ようき）」が生まれ、上へ外へと伸びようとする力が強くなります。これは、人の内側にある「気」もまた、春の陽気に呼応して活発に動きはじめるためです。

しかしこの気の動きは、誰もがすんなりと受け入れられるわけではありません。冬のあいだに内にこもっていたエネルギーが急に外へ出ようとすると、からだが追いつかず、気の巡りが滞ったり、情緒の乱れや不調となって現れたりすることがあります。イライラ、不眠、目の疲れ、なんとなく憂うつになる――こうした変化は、東洋医学では「気の逆行」や「肝気の鬱滞（うったい）」といった言葉で表現されます。

つまり、季節が変わることで心と体に変化が訪れるのは、人間もまた自然の一部であり、外界の変化を内側から感じ取り、それに適応しようとする生理反応が起きるから――それが、東洋医学における基本的な考え方です。

このようなときこそ、自分の体とこころの声に耳を傾けながら、自然のリズムにやさしく寄り添う過ごし方を意識することが、季節の不調をやわらげる養生につながっていきます。

東洋医学の視点で見る「春」という季節

春のからだは、芽吹くエネルギーに満ちている

東洋医学では、春は「発陳（はっちん）」の季節といわれます。「発陳」とは、冬のあいだに蓄えていたものを発し、新たに“陳（ふる）いもの”を脱ぎ捨てる、つまり、古いものを手放して新しい流れを迎える、という意味です。
自然界では草木が芽を出し、動物たちが冬眠から目覚めて活動を始めます。同じように人のからだもまた、内にこもっていたエネルギー（陰）が徐々に外へ（陽）向かって動き始める時期とされます。

このとき大切になるのが、五臓のひとつ「肝（かん）」のはたらきです。東洋医学における「肝」は、単なる“肝臓”という臓器ではなく、

からだ全体の「気」や「血」の流れを調整する

感情をなめらかに保ち、精神的な安定を守る

目とのつながりが深く、視覚のはたらきを司る

といった多様な役割を担っています。

とくに春の季節で注目されるのが、「疏泄（そせつ）」という肝の重要なはたらきです。
「疏泄」とは、気や血が滞らないようにのびのびと流すこと、つまり“からだとこころをスムーズにめぐらせる”調整機能のようなものです。
この疏泄がうまくいっているとき、私たちは気持ちよく目覚め、スッと立ち上がり、すっきりとした頭で過ごせます。反対に、疏泄が乱れると以下のような症状が起きやすくなります：

なんだか気分がふさぐ、イライラする

頭がぼーっとして集中できない

目が疲れやすい、目の奥が重だるい

胃腸の調子が不安定になる（とくにストレスを感じたとき）

これは、春の外的な変化（気温、気圧、日照時間）に対し、内側の「肝の疏泄」がついていけず、気の流れが詰まってしまうためです。特に女性は、月経やホルモンバランスとも深く関わっているため、季節のゆらぎを敏感に感じ取りやすいとされています。

春の不調は“未病（みびょう）”のサイン

こうした春の不調は、病院で検査をしても異常が見つからないことが多いかもしれません。しかし東洋医学では、これらは「未病（みびょう）」、つまり病気とまでは言えないが、健康とは言いきれない状態――と捉えます。
未病の段階で気づき、生活の中で整えることができれば、本格的な不調や慢性化を防ぐことにもつながります。

ですから、春に「なんとなく不調」を感じるのは、からだが鈍いのではなく、むしろ自然の変化をきちんと感じ取っている“感度の高い反応”なのです。
無理に動かそうとせず、「あ、春なんだな」「肝ががんばってるのかも」と一歩引いて見つめることも、養生の第一歩になります。

春は「肝（かん）」の季節――この言葉は、東洋医学を少し学んだ方であれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。ですが、日常生活の中で「肝をいたわる」とは、いったいどんなことを指すのでしょうか？

「肝」とは、気・血のめぐりをつかさどる中心役です。

東洋医学における「肝」は、単なる肝臓という臓器にとどまらず、全身の「気（き）」や「血（けつ）」を円滑に流す機能を担っているとされています。とくに感情や自律神経系に深く関係し、「怒（いかり）」の感情やストレスと結びつきやすい臓です。

「肝」はまた、筋肉や腱（けん）、目、月経周期などとも密接な関係があります。

気分が不安定になる（イライラ、憂うつ、焦燥感）

肩こりや筋のこわばりが出やすい

月経前後の不調が強くなる
といった形で現れやすくなるのです。

春は陽気が上がり、自然界のエネルギーが動き出す季節。その流れに乗るには、肝の“疏泄（そせつ）”機能――つまり「気・血・水を滞りなく流す」力をなめらかに保ってあげることが大切です。

肝をいたわるために、暮らしの中でできること

東洋医学では、養生（ようじょう）とは「特別なことをする」ことではなく、日々の生活の中で自然と無理なく続けられる“整え”の工夫を指します。
春の肝にやさしい養生の具体例を以下にご紹介します。

🟩 目を酷使しない時間をつくる
肝は「目に開竅（かいきょう）する」とされ、目の疲労や酷使は肝の疲れにつながると考えられています。
特に春は、肝が活発になるぶん、目も疲れやすくなり、しょぼしょぼしたり、かすんだりしやすい季節です。
スマートフォンやパソコンを長時間見続けるのは避け、1時間に1回は画面から目を離して、遠くの景色を見るなど、目を休める時間を意識して取り入れましょう。

🟩 睡眠のリズムを整える
肝は「血を蔵する」とされ、夜間には全身を巡った血が肝に戻って休息するといわれています。そのため、夜更かしをすると肝が十分に血を取り込み、回復する時間が足りなくなります。
春は眠りが浅くなりがちな季節でもあるため、23時までに就寝し、毎日なるべく同じ時間に寝起きするリズムを整えることが、肝の回復を助けます。

🟩 軽い運動で気の巡りをスムーズに
肝は「疏泄」を担い、つまりは気の流れをのびのびと巡らせる性質を持っています。ですが、ストレスや緊張がたまると、その流れは簡単に滞ってしまいます。
特に春先は、気圧の変化や社会的な緊張（新年度・進学・職場環境の変化など）が多く、気が内にこもりがちに。
無理のない範囲での散歩やストレッチ、深呼吸など、軽くからだを動かすことが「気の巡り」を助け、肝の解放感を後押しします。

🟩 酸味のある食材で肝をサポート
東洋医学では、「酸味」は肝に属するとされており、適度な酸味が肝の働きを引き締め、バランスを保つとされています。
酢の物、レモン、梅干し、黒酢、柑橘類などを日常の食事に少量ずつ取り入れてみましょう。
ただし、摂りすぎると逆に肝を収縮させすぎる可能性もあるため、「少量を継続的に」がポイントです。

🟩 怒りを我慢せず、ゆるやかに解放する工夫を
肝は「怒」の感情と深くつながっており、怒りを抑え込みすぎると、肝の気が鬱滞しやすくなります。
東洋医学では「感情も気の一部」と考えられているため、無理に“ため込まず”、誰かに話したり、日記に書いたり、声に出したりして、“自然なかたちで出してあげる”ことも大切な養生です。

春の肝を整えるセルフケアは、「がんばる」ことではなく、「気づいてあげること」が第一歩です。
目の疲れや気分のゆらぎ、だるさやイライラを「仕方ない」と我慢せず、「今は春、肝の季節なんだな」と知るだけでも、心が少し軽くなるかもしれません。
季節のリズムに自分をゆだねるような感覚で、やさしく整える暮らし――それが東洋医学の養生です。

こうした生活の工夫は、すぐに変化が表れるものではありませんが、日々少しずつ「肝の気」を整える積み重ねになります。
そしてもうひとつ、気の巡りにアプローチする方法として、東洋医学では“経絡（けいらく）”と“経穴（けいけつ）”、つまりツボの刺激が有効とされています。

次は、春にゆらぎやすい肝の働きをサポートする代表的なツボをご紹介します。

東洋医学では、からだに流れる「気・血・水」のバランスを整えるために、全身に張り巡らされた経絡（けいらく）と、その上にあるツボが大切な役割を担っていると考えます。ツボは、まるでからだのスイッチのような存在です。

今回は、春の不調をやわらげる代表的なツボを4つご紹介します。
「この不調にはこのツボを」と使い分けても良いですし、すべてのツボを一緒にやさしくケアしても構いません。
大切なのは、ご自身のペースで、心地よく続けられることです。

🌿 イライラ・怒りっぽさが気になるときに【太衝（たいしょう）】

場所：
足の甲、親指と人差し指の骨が交わるところのくぼみ。骨に沿ってたどると見つけやすく、左右両足にあります。

働き：
肝の経絡に属し、春の“気の巡り”を整える代表的なツボ。
感情の高ぶりやイライラ感、目の疲れや緊張感があるときにおすすめです。

押し方：
親指の腹でゆっくり5秒ほど押し、5秒かけて離す。左右交互に3～5回ずつ行いましょう。

🌿 気持ちが落ち着かない・胃がムカムカするときに【内関（ないかん）】

場所：
手首の内側、しわから指3本分ひじ寄り。2本のすじ（腱）の間にあるくぼみ。

働き：
心と胃をつなぐ「心包経」のツボ。
ストレスや緊張で気分が落ち着かないときや、胃の不快感を感じるときに適しています。

押し方：
反対の手の親指で、心地よい圧を5秒ほど。ゆっくり呼吸をしながら左右交互にケアしましょう。

🌿 肩まわりや筋肉が張る・からだが重いときに【陽陵泉（ようりょうせん）】

場所：膝の外側にある大きな骨（腓骨頭：ひこつとう）のすぐ下の前方にあるくぼみです。
座った状態で、膝の外側を手で包むようにさわってみると、指先が自然にあたる丸い骨（腓骨頭）があります。そこから指1本ぶん前下方へ移動した場所――軽く押すとくぼみを感じるところが「陽陵泉」です。

働き：
胆の経絡に属し、「筋の総合治療点」とも呼ばれるツボ。
筋肉の緊張や、春に出やすい重だるさ、肩こりの予防にも向いています。

押し方：
座った姿勢で膝を軽く曲げ、親指または人差し指でゆっくりと押します。左右3回ずつ程度を目安に。

🌿 冷え・ホルモンバランスが気になる女性に【三陰交（さんいんこう）】

場所：
内くるぶしのいちばん高いところから指4本分上がった、すねの骨の後ろ側のくぼみ。

働き：
肝・脾・腎の3つの経絡が交わる、女性の健康を支える代表的なツボ。
冷え、生理前の不調、更年期の揺らぎにもおすすめです。

押し方：
骨の際に沿って垂直に押し込みすぎず、やさしく5秒ほど。左右どちらも丁寧に行いましょう。

お灸でツボをやさしく温めるケアもおすすめです。

ツボへの刺激とあわせて、「台座灸（だいざきゅう）」を使って温めるのも、春の不調をやわらげるやさしいセルフケアになります。
台座灸とは、肌に直接触れないように台座が付いたお灸で、火を使いますが熱さは穏やかに伝わり、初心者でも安心して使えるタイプです。

太衝や三陰交など、冷えや巡りに関係するツボに台座灸をすえると、じんわりと温かさが広がり、全身がふっと緩むような感覚を得られることがあります。
1日1回、片側数分ほどを目安に、ゆったりとした時間に取り入れてみてください。

市販の台座灸には熱さの段階があり、初心者向けの「やさしい温感タイプ」などもあります。
最初は無理せず、気になる方は鍼灸院で実際に使い方を習うのも安心です。

ツボケアは「からだとの対話」

ツボを押したり、お灸で温めたりする時間は、自分自身に向き合うやさしいひとときでもあります。
「今日の私はどうかな？」「ここがちょっと重いかも」――そんな感覚に気づくことが、東洋医学でいう“養生”のはじまりです。

春という変化の季節だからこそ、自分のリズムを大切にしながら、ツボとの小さな対話を積み重ねてみてください。

春は自然のエネルギーと私たちの内側のリズムが交差する、ちょっと特別な季節です。
変化の多い日々のなかで、「気が巡っているかな？」「疲れをためていないかな？」と自分自身に問いかけてみるだけでも、養生の一歩になります。

少しのセルフケアと東洋医学の知恵を取り入れて、春から初夏にかけての毎日を、気持ちよく過ごしてみませんか？

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髪と肌の乾燥 - 東洋医学で読み解く「血虚」 現代医学的な解釈と説明 

女性の皆様へ
日々の家事や育児、学校やお勤めなどで、体の疲れや不調を感じることはありませんか？ 
鍼灸治療は、そんな女性の皆様の強い味方になるかもしれません。 
体のバランスを整え、心身ともに健康な毎日を送りましょう。 

鍼灸治療を受けるときの注意点
鍼灸治療を受ける時は、必ず鍼灸の国家資格者がいる鍼灸院などに相談しましょう。 
妊産婦の方は主治医に確認してから鍼灸治療を受けましょう。 
鍼灸治療は、病院の治療の代わりになるものではないので、必要に応じて病院の治療も併用して受けましょう。

女性のお悩みは人それぞれです。症状も原因も違うので、自分に合った治療法を見つけることが大切です。 
つらい時は、我慢せずに、お近くの病院の先生や鍼灸師さんなどに相談してみてください。

レディース鍼灸院 てぃだ のご案内
『レディース鍼灸院 てぃだ』は女性専用の鍼灸院です。 
在籍する鍼灸師は全員が国家資格の保有者です。 
場所は中野駅に近く、徒歩６～７分です。 
完全予約制なので他の方と顔を合わせることもありません。 
当院で使用する鍼は、すべて滅菌済みのディスポ鍼です。 

お一人おひとりの「今の体」に丁寧に向き合いながら、こころと体の両面からサポートいたします。


お近くに鍼灸院が見付からないときには、当院までお気軽にご相談ください。

フレンドリー鍼灸院として
『レディース鍼灸院 てぃだ』は「フレンドリー鍼灸院」の登録をしています。 
鍼灸師や鍼灸学校在学生なども welcome です！ 
特に鍼灸学校在学生はいつも学生割引価格です。 
※予約時に「学校名」「専攻名」「学年」を書いてください。 
※当日は有効な学生証をお持ちください。 
※ご提示がない場合は一般料金をいただきます。

　　

春から初夏へ、「気」の流れに寄り添う暮らし

～ 東洋医学で読み解く季節のゆらぎとセルフケア ～



春の風がやわらかく吹きはじめると、心なしか体が軽くなったような気がする…そんな感覚を覚えたことはありませんか？
東洋医学では、このような季節の移ろいに伴う心身の変化は、“自然と人とのつながり”によって説明されます。

私たちの身体は、自然界の「気（き）」――すなわち、エネルギーの流れや働きと密接に結びついています。東洋医学の古典『黄帝内経（こうていだいけい）』には、「天人合一（てんじんごういつ）」という思想があります。これは、自然の変化と人間の身体や感情は一体であり、季節の移り変わりに応じて、私たちのからだも変化するという考え方です。

たとえば春は、「木（もく）」のエネルギーが高まる季節。木は芽を出し、枝を広げ、のびのびと成長します。それと同じように、春になると私たちの身体の中でも「陽気（ようき）」が生まれ、上へ外へと伸びようとする力が強くなります。これは、人の内側にある「気」もまた、春の陽気に呼応して活発に動きはじめるためです。

しかしこの気の動きは、誰もがすんなりと受け入れられるわけではありません。冬のあいだに内にこもっていたエネルギーが急に外へ出ようとすると、からだが追いつかず、気の巡りが滞ったり、情緒の乱れや不調となって現れたりすることがあります。イライラ、不眠、目の疲れ、なんとなく憂うつになる――こうした変化は、東洋医学では「気の逆行」や「肝気の鬱滞（うったい）」といった言葉で表現されます。

つまり、季節が変わることで心と体に変化が訪れるのは、人間もまた自然の一部であり、外界の変化を内側から感じ取り、それに適応しようとする生理反応が起きるから――それが、東洋医学における基本的な考え方です。

このようなときこそ、自分の体とこころの声に耳を傾けながら、自然のリズムにやさしく寄り添う過ごし方を意識することが、季節の不調をやわらげる養生につながっていきます。



東洋医学の視点で見る「春」という季節



春のからだは、芽吹くエネルギーに満ちている

東洋医学では、春は「発陳（はっちん）」の季節といわれます。「発陳」とは、冬のあいだに蓄えていたものを発し、新たに“陳（ふる）いもの”を脱ぎ捨てる、つまり、古いものを手放して新しい流れを迎える、という意味です。
自然界では草木が芽を出し、動物たちが冬眠から目覚めて活動を始めます。同じように人のからだもまた、内にこもっていたエネルギー（陰）が徐々に外へ（陽）向かって動き始める時期とされます。

このとき大切になるのが、五臓のひとつ「肝（かん）」のはたらきです。東洋医学における「肝」は、単なる“肝臓”という臓器ではなく、

からだ全体の「気」や「血」の流れを調整する

感情をなめらかに保ち、精神的な安定を守る

目とのつながりが深く、視覚のはたらきを司る

といった多様な役割を担っています。

肝の「疏泄（そせつ）」とは

とくに春の季節で注目されるのが、「疏泄（そせつ）」という肝の重要なはたらきです。
「疏泄」とは、気や血が滞らないようにのびのびと流すこと、つまり“からだとこころをスムーズにめぐらせる”調整機能のようなものです。
この疏泄がうまくいっているとき、私たちは気持ちよく目覚め、スッと立ち上がり、すっきりとした頭で過ごせます。反対に、疏泄が乱れると以下のような症状が起きやすくなります：

なんだか気分がふさぐ、イライラする

ため息が増える、胸が重たい

頭がぼーっとして集中できない

目が疲れやすい、目の奥が重だるい

胃腸の調子が不安定になる（とくにストレスを感じたとき）

これは、春の外的な変化（気温、気圧、日照時間）に対し、内側の「肝の疏泄」がついていけず、気の流れが詰まってしまうためです。特に女性は、月経やホルモンバランスとも深く関わっているため、季節のゆらぎを敏感に感じ取りやすいとされています。

春の不調は“未病（みびょう）”のサイン

こうした春の不調は、病院で検査をしても異常が見つからないことが多いかもしれません。しかし東洋医学では、これらは「未病（みびょう）」、つまり病気とまでは言えないが、健康とは言いきれない状態――と捉えます。
未病の段階で気づき、生活の中で整えることができれば、本格的な不調や慢性化を防ぐことにもつながります。

ですから、春に「なんとなく不調」を感じるのは、からだが鈍いのではなく、むしろ自然の変化をきちんと感じ取っている“感度の高い反応”なのです。
無理に動かそうとせず、「あ、春なんだな」「肝ががんばってるのかも」と一歩引いて見つめることも、養生の第一歩になります。



肝をいたわる春のセルフケア



春は「肝（かん）」の季節――この言葉は、東洋医学を少し学んだ方であれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。ですが、日常生活の中で「肝をいたわる」とは、いったいどんなことを指すのでしょうか？

「肝」とは、気・血のめぐりをつかさどる中心役です。

東洋医学における「肝」は、単なる肝臓という臓器にとどまらず、全身の「気（き）」や「血（けつ）」を円滑に流す機能を担っているとされています。とくに感情や自律神経系に深く関係し、「怒（いかり）」の感情やストレスと結びつきやすい臓です。

「肝」はまた、筋肉や腱（けん）、目、月経周期などとも密接な関係があります。

つまり、「肝の不調」は、

気分が不安定になる（イライラ、憂うつ、焦燥感）

目が疲れる、充血する

肩こりや筋のこわばりが出やすい

月経前後の不調が強くなる
といった形で現れやすくなるのです。

春は陽気が上がり、自然界のエネルギーが動き出す季節。その流れに乗るには、肝の“疏泄（そせつ）”機能――つまり「気・血・水を滞りなく流す」力をなめらかに保ってあげることが大切です。

肝をいたわるために、暮らしの中でできること

東洋医学では、養生（ようじょう）とは「特別なことをする」ことではなく、日々の生活の中で自然と無理なく続けられる“整え”の工夫を指します。
春の肝にやさしい養生の具体例を以下にご紹介します。

🟩 目を酷使しない時間をつくる
肝は「目に開竅（かいきょう）する」とされ、目の疲労や酷使は肝の疲れにつながると考えられています。
特に春は、肝が活発になるぶん、目も疲れやすくなり、しょぼしょぼしたり、かすんだりしやすい季節です。
スマートフォンやパソコンを長時間見続けるのは避け、1時間に1回は画面から目を離して、遠くの景色を見るなど、目を休める時間を意識して取り入れましょう。

🟩 睡眠のリズムを整える
肝は「血を蔵する」とされ、夜間には全身を巡った血が肝に戻って休息するといわれています。そのため、夜更かしをすると肝が十分に血を取り込み、回復する時間が足りなくなります。
春は眠りが浅くなりがちな季節でもあるため、23時までに就寝し、毎日なるべく同じ時間に寝起きするリズムを整えることが、肝の回復を助けます。

🟩 軽い運動で気の巡りをスムーズに
肝は「疏泄」を担い、つまりは気の流れをのびのびと巡らせる性質を持っています。ですが、ストレスや緊張がたまると、その流れは簡単に滞ってしまいます。
特に春先は、気圧の変化や社会的な緊張（新年度・進学・職場環境の変化など）が多く、気が内にこもりがちに。
無理のない範囲での散歩やストレッチ、深呼吸など、軽くからだを動かすことが「気の巡り」を助け、肝の解放感を後押しします。

🟩 酸味のある食材で肝をサポート
東洋医学では、「酸味」は肝に属するとされており、適度な酸味が肝の働きを引き締め、バランスを保つとされています。
酢の物、レモン、梅干し、黒酢、柑橘類などを日常の食事に少量ずつ取り入れてみましょう。
ただし、摂りすぎると逆に肝を収縮させすぎる可能性もあるため、「少量を継続的に」がポイントです。

🟩 怒りを我慢せず、ゆるやかに解放する工夫を
肝は「怒」の感情と深くつながっており、怒りを抑え込みすぎると、肝の気が鬱滞しやすくなります。
東洋医学では「感情も気の一部」と考えられているため、無理に“ため込まず”、誰かに話したり、日記に書いたり、声に出したりして、“自然なかたちで出してあげる”ことも大切な養生です。

春の肝を整えるセルフケアは、「がんばる」ことではなく、「気づいてあげること」が第一歩です。
目の疲れや気分のゆらぎ、だるさやイライラを「仕方ない」と我慢せず、「今は春、肝の季節なんだな」と知るだけでも、心が少し軽くなるかもしれません。
季節のリズムに自分をゆだねるような感覚で、やさしく整える暮らし――それが東洋医学の養生です。

こうした生活の工夫は、すぐに変化が表れるものではありませんが、日々少しずつ「肝の気」を整える積み重ねになります。
そしてもうひとつ、気の巡りにアプローチする方法として、東洋医学では“経絡（けいらく）”と“経穴（けいけつ）”、つまりツボの刺激が有効とされています。

次は、春にゆらぎやすい肝の働きをサポートする代表的なツボをご紹介します。



春のゆらぎを整えるツボケア



東洋医学では、からだに流れる「気・血・水」のバランスを整えるために、全身に張り巡らされた経絡（けいらく）と、その上にあるツボが大切な役割を担っていると考えます。ツボは、まるでからだのスイッチのような存在です。

今回は、春の不調をやわらげる代表的なツボを4つご紹介します。
「この不調にはこのツボを」と使い分けても良いですし、すべてのツボを一緒にやさしくケアしても構いません。
大切なのは、ご自身のペースで、心地よく続けられることです。

🌿 イライラ・怒りっぽさが気になるときに【太衝（たいしょう）】

場所：
足の甲、親指と人差し指の骨が交わるところのくぼみ。骨に沿ってたどると見つけやすく、左右両足にあります。

働き：
肝の経絡に属し、春の“気の巡り”を整える代表的なツボ。
感情の高ぶりやイライラ感、目の疲れや緊張感があるときにおすすめです。

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場所：膝の外側にある大きな骨（腓骨頭：ひこつとう）のすぐ下の前方にあるくぼみです。
座った状態で、膝の外側を手で包むようにさわってみると、指先が自然にあたる丸い骨（腓骨頭）があります。そこから指1本ぶん前下方へ移動した場所――軽く押すとくぼみを感じるところが「陽陵泉」です。

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🌿 冷え・ホルモンバランスが気になる女性に【三陰交（さんいんこう）】

場所：
内くるぶしのいちばん高いところから指4本分上がった、すねの骨の後ろ側のくぼみ。

働き：
肝・脾・腎の3つの経絡が交わる、女性の健康を支える代表的なツボ。
冷え、生理前の不調、更年期の揺らぎにもおすすめです。

押し方：
骨の際に沿って垂直に押し込みすぎず、やさしく5秒ほど。左右どちらも丁寧に行いましょう。



お灸でツボをやさしく温めるケアもおすすめです。

ツボへの刺激とあわせて、「台座灸（だいざきゅう）」を使って温めるのも、春の不調をやわらげるやさしいセルフケアになります。
台座灸とは、肌に直接触れないように台座が付いたお灸で、火を使いますが熱さは穏やかに伝わり、初心者でも安心して使えるタイプです。

太衝や三陰交など、冷えや巡りに関係するツボに台座灸をすえると、じんわりと温かさが広がり、全身がふっと緩むような感覚を得られることがあります。
1日1回、片側数分ほどを目安に、ゆったりとした時間に取り入れてみてください。

市販の台座灸には熱さの段階があり、初心者向けの「やさしい温感タイプ」などもあります。
最初は無理せず、気になる方は鍼灸院で実際に使い方を習うのも安心です。

ツボケアは「からだとの対話」

ツボを押したり、お灸で温めたりする時間は、自分自身に向き合うやさしいひとときでもあります。
「今日の私はどうかな？」「ここがちょっと重いかも」――そんな感覚に気づくことが、東洋医学でいう“養生”のはじまりです。

春という変化の季節だからこそ、自分のリズムを大切にしながら、ツボとの小さな対話を積み重ねてみてください。



春の自分に、そっと寄り添う

春は自然のエネルギーと私たちの内側のリズムが交差する、ちょっと特別な季節です。
変化の多い日々のなかで、「気が巡っているかな？」「疲れをためていないかな？」と自分自身に問いかけてみるだけでも、養生の一歩になります。

少しのセルフケアと東洋医学の知恵を取り入れて、春から初夏にかけての毎日を、気持ちよく過ごしてみませんか？



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髪と肌の乾燥 - 東洋医学で読み解く「血虚」 現代医学的な解釈と説明 



女性の皆様へ
日々の家事や育児、学校やお勤めなどで、体の疲れや不調を感じることはありませんか？ 
鍼灸治療は、そんな女性の皆様の強い味方になるかもしれません。 
体のバランスを整え、心身ともに健康な毎日を送りましょう。 

鍼灸治療を受けるときの注意点
鍼灸治療を受ける時は、必ず鍼灸の国家資格者がいる鍼灸院などに相談しましょう。 
妊産婦の方は主治医に確認してから鍼灸治療を受けましょう。 
鍼灸治療は、病院の治療の代わりになるものではないので、必要に応じて病院の治療も併用して受けましょう。

女性のお悩みは人それぞれです。症状も原因も違うので、自分に合った治療法を見つけることが大切です。 
つらい時は、我慢せずに、お近くの病院の先生や鍼灸師さんなどに相談してみてください。

レディース鍼灸院 てぃだ のご案内
『レディース鍼灸院 てぃだ』は女性専用の鍼灸院です。 
在籍する鍼灸師は全員が国家資格の保有者です。 
場所は中野駅に近く、徒歩６～７分です。 
完全予約制なので他の方と顔を合わせることもありません。 
当院で使用する鍼は、すべて滅菌済みのディスポ鍼です。 

お一人おひとりの「今の体」に丁寧に向き合いながら、こころと体の両面からサポートいたします。


お近くに鍼灸院が見付からないときには、当院までお気軽にご相談ください。

フレンドリー鍼灸院として
『レディース鍼灸院 てぃだ』は「フレンドリー鍼灸院」の登録をしています。 
鍼灸師や鍼灸学校在学生なども welcome です！ 
特に鍼灸学校在学生はいつも学生割引価格です。 
※予約時に「学校名」「専攻名」「学年」を書いてください。 
※当日は有効な学生証をお持ちください。 
※ご提示がない場合は一般料金をいただきます。

　　



【女性専用】プライベート鍼灸サロン

レディース鍼灸院 てぃだ

中野駅徒歩6分。完全予約制の静かな鍼灸院です。

東洋医学で、女性の不調にやさしく寄り添います。



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【女性専用】プライベート鍼灸サロンレディース鍼灸院てぃだ

春から初夏へ、「気」の流れに寄り添う暮らし

【女性専用】プライベート鍼灸サロンレディース鍼灸院てぃだの基本情報

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