List of services

【対面講義】『五輪九字明秘密釈』を読む 第23回
※こちらは対面講義のご案内となります。



概要

 院政期を代表する真言密教僧、覚鑁(1095~1144)には既にまとまった研究がいくつも存在するが、それらは等しくある研究課題を克服できないままと考える。日本仏教史であれ真言密教史であれ、従来の研究は常に覚鑁を一つないし複数の思想潮流の「中途」に位置付け、その観点からしか同僧とその思想の意義を分析してこなかった。

 具体例をいくつか挙げておくと、覚鑁は空海没後、荒廃の極みにあった高野山と真言教学を「復興」し、後の真言宗隆盛の礎を作ったと先ず主張される。あるいは鎌倉中期の頼瑜(1226~1304)に先んじて、後の新義真言教学の基礎を樹立したともいわれる。さらに平安「旧」仏教から鎌倉「新」仏教への転換期に生き、それらの橋渡し役となる、法然や親鸞にとっての先駆の役割を果たしたと説かれることもある。今日の古義と新義の両真言宗、あるいは鎌倉「新」仏教を目的地とする道程の途中に、覚鑁のための場が設けられてきた。

 フランスの哲学者であるルイ・アルチュセール(1918~1990)の言葉を借りれば、覚鑁は常に「目的地」を想定し「前未来形」で書かれる歴史の中で解釈され、その外に出ることは稀であった。このような「目的論的」(teleological)な理解から覚鑁とその言葉を解放し、同僧の思想の全体性・体系性を回復することこそが、本講義の最終的な目標である。

 具体的には平安末期の日本仏教界と真言密教の状況を細かく把握した上で、覚鑁の主著ともいわれる『五輪九字明秘密釈』の読解を試みる。『五輪九字明秘密釈』は、非常に複雑な構造を有す文献でありながら、例えばその「密教浄土教」的な主張ばかり強調される等、総体として本書を読む試みはほとんどなされてこなかった。本講義では、まさにこの『五輪九字明秘密釈』を総体として読み、その中に隠された体系を解明すると共に、覚鑁の言葉や思考を規定していただろう深層の「規範」(paradigm)についても分析したい。



担当講師

亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師、京都大学研究員)



参考文献

那須政隆『五輪九字秘釈の研究』(『那須政隆著作集』4巻所収、1997年、法藏館)

Hendrik van der Veere, A Study into the Thought of Kogyo Daishi Kakuban: With a Translation of His Gorin Kuji Myo Himitsushaku (2000年、Hotei Publishing)

勝又俊教『興教大師の生涯と思想』(1992年、山喜房仏書林)

櫛田良洪『覚鑁の研究』(1978年、吉川弘文館)

櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』(1964年、山喜房仏書林)

松崎惠水『平安密教の研究 : 興教大師覚鑁を中心として』(2002年、吉川弘文館)

苫米地誠一『平安期の真言教学と密教浄土教』(『平安期真言密教の研究』第2部、2008年、ノンブル社)

藤井佐美『真言系唱導説話の研究:付・翻刻 仁和寺所蔵『真言宗打聞集』(2008年、三弥井書店)

ルイ・アルチュセール著/河野健二、田村俶、西川長夫訳『マルクスのために』(平凡社ライブラリー61、1994年、平凡社)

今村仁司『アルチュセール全哲学』(講談社学術文庫1839、2007年、講談社)

今村仁司『アルチュセールの思想:歴史と認識』(講談社学術文庫1089、1993年、講談社)
【オンライン講義】『五輪九字明秘密釈』を読む 第23回
※こちらはオンライン講義のご案内となります。



概要

 院政期を代表する真言密教僧、覚鑁(1095~1144)には既にまとまった研究がいくつも存在するが、それらは等しくある研究課題を克服できないままと考える。日本仏教史であれ真言密教史であれ、従来の研究は常に覚鑁を一つないし複数の思想潮流の「中途」に位置付け、その観点からしか同僧とその思想の意義を分析してこなかった。

 具体例をいくつか挙げておくと、覚鑁は空海没後、荒廃の極みにあった高野山と真言教学を「復興」し、後の真言宗隆盛の礎を作ったと先ず主張される。あるいは鎌倉中期の頼瑜(1226~1304)に先んじて、後の新義真言教学の基礎を樹立したともいわれる。さらに平安「旧」仏教から鎌倉「新」仏教への転換期に生き、それらの橋渡し役となる、法然や親鸞にとっての先駆の役割を果たしたと説かれることもある。今日の古義と新義の両真言宗、あるいは鎌倉「新」仏教を目的地とする道程の途中に、覚鑁のための場が設けられてきた。

 フランスの哲学者であるルイ・アルチュセール(1918~1990)の言葉を借りれば、覚鑁は常に「目的地」を想定し「前未来形」で書かれる歴史の中で解釈され、その外に出ることは稀であった。このような「目的論的」(teleological)な理解から覚鑁とその言葉を解放し、同僧の思想の全体性・体系性を回復することこそが、本講義の最終的な目標である。

 具体的には平安末期の日本仏教界と真言密教の状況を細かく把握した上で、覚鑁の主著ともいわれる『五輪九字明秘密釈』の読解を試みる。『五輪九字明秘密釈』は、非常に複雑な構造を有す文献でありながら、例えばその「密教浄土教」的な主張ばかり強調される等、総体として本書を読む試みはほとんどなされてこなかった。本講義では、まさにこの『五輪九字明秘密釈』を総体として読み、その中に隠された体系を解明すると共に、覚鑁の言葉や思考を規定していただろう深層の「規範」(paradigm)についても分析したい。



担当講師

亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師、京都大学研究員)



参考文献

那須政隆『五輪九字秘釈の研究』(『那須政隆著作集』4巻所収、1997年、法藏館)

Hendrik van der Veere, A Study into the Thought of Kogyo Daishi Kakuban: With a Translation of His Gorin Kuji Myo Himitsushaku (2000年、Hotei Publishing)

勝又俊教『興教大師の生涯と思想』(1992年、山喜房仏書林)

櫛田良洪『覚鑁の研究』(1978年、吉川弘文館)

櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』(1964年、山喜房仏書林)

松崎惠水『平安密教の研究 : 興教大師覚鑁を中心として』(2002年、吉川弘文館)

苫米地誠一『平安期の真言教学と密教浄土教』(『平安期真言密教の研究』第2部、2008年、ノンブル社)

藤井佐美『真言系唱導説話の研究:付・翻刻 仁和寺所蔵『真言宗打聞集』(2008年、三弥井書店)

ルイ・アルチュセール著/河野健二、田村俶、西川長夫訳『マルクスのために』(平凡社ライブラリー61、1994年、平凡社)

今村仁司『アルチュセール全哲学』(講談社学術文庫1839、2007年、講談社)

今村仁司『アルチュセールの思想:歴史と認識』(講談社学術文庫1089、1993年、講談社)
【オンライン講義】『五輪九字明秘密釈』を読む 第22回
※こちらはオンライン講義のご案内となります。



概要

 院政期を代表する真言密教僧、覚鑁(1095~1144)には既にまとまった研究がいくつも存在するが、それらは等しくある研究課題を克服できないままと考える。日本仏教史であれ真言密教史であれ、従来の研究は常に覚鑁を一つないし複数の思想潮流の「中途」に位置付け、その観点からしか同僧とその思想の意義を分析してこなかった。

 具体例をいくつか挙げておくと、覚鑁は空海没後、荒廃の極みにあった高野山と真言教学を「復興」し、後の真言宗隆盛の礎を作ったと先ず主張される。あるいは鎌倉中期の頼瑜(1226~1304)に先んじて、後の新義真言教学の基礎を樹立したともいわれる。さらに平安「旧」仏教から鎌倉「新」仏教への転換期に生き、それらの橋渡し役となる、法然や親鸞にとっての先駆の役割を果たしたと説かれることもある。今日の古義と新義の両真言宗、あるいは鎌倉「新」仏教を目的地とする道程の途中に、覚鑁のための場が設けられてきた。

 フランスの哲学者であるルイ・アルチュセール(1918~1990)の言葉を借りれば、覚鑁は常に「目的地」を想定し「前未来形」で書かれる歴史の中で解釈され、その外に出ることは稀であった。このような「目的論的」(teleological)な理解から覚鑁とその言葉を解放し、同僧の思想の全体性・体系性を回復することこそが、本講義の最終的な目標である。

 具体的には平安末期の日本仏教界と真言密教の状況を細かく把握した上で、覚鑁の主著ともいわれる『五輪九字明秘密釈』の読解を試みる。『五輪九字明秘密釈』は、非常に複雑な構造を有す文献でありながら、例えばその「密教浄土教」的な主張ばかり強調される等、総体として本書を読む試みはほとんどなされてこなかった。本講義では、まさにこの『五輪九字明秘密釈』を総体として読み、その中に隠された体系を解明すると共に、覚鑁の言葉や思考を規定していただろう深層の「規範」(paradigm)についても分析したい。



担当講師

亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師、京都大学研究員)



参考文献

那須政隆『五輪九字秘釈の研究』(『那須政隆著作集』4巻所収、1997年、法藏館)

Hendrik van der Veere, A Study into the Thought of Kogyo Daishi Kakuban: With a Translation of His Gorin Kuji Myo Himitsushaku (2000年、Hotei Publishing)

勝又俊教『興教大師の生涯と思想』(1992年、山喜房仏書林)

櫛田良洪『覚鑁の研究』(1978年、吉川弘文館)

櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』(1964年、山喜房仏書林)

松崎惠水『平安密教の研究 : 興教大師覚鑁を中心として』(2002年、吉川弘文館)

苫米地誠一『平安期の真言教学と密教浄土教』(『平安期真言密教の研究』第2部、2008年、ノンブル社)

藤井佐美『真言系唱導説話の研究:付・翻刻 仁和寺所蔵『真言宗打聞集』(2008年、三弥井書店)

ルイ・アルチュセール著/河野健二、田村俶、西川長夫訳『マルクスのために』(平凡社ライブラリー61、1994年、平凡社)

今村仁司『アルチュセール全哲学』(講談社学術文庫1839、2007年、講談社)

今村仁司『アルチュセールの思想:歴史と認識』(講談社学術文庫1089、1993年、講談社)
【オンライン】『成唯識論』を読む(講師:師茂樹)第28〜30回
※ 対面講義はPassMarketからお申し込みください(第28回[対面]・第29回[対面]・第30回[対面])。

概要

この世界にあるものはすべて識の顕現に過ぎない――大乗仏教における重要な思想の一つである唯識思想は、東アジアにおいては『成唯識論』の注釈・解釈を中心に発展しました。東アジア仏教、日本仏教を考える上で大変重要な文献の一つです。しかし、これほど重要なテキストでありながら、『成唯識論』を手軽に読めるような状況ではありません。

本講義は、『成唯識論』の通読を試みるものです(したがって、全何回になるかはわかりません)。あまり細かい議論を追いかけることはせず、最後までたどり着くことを目指します。

※ 現在は第3巻を読んでいます。もうすぐ4巻に入ると思います。

※ テキスト(原文+現代語訳)は講師が用意します。

参考文献

佐伯定胤校『新導成唯識論』(法隆寺)

岩田教圓編『仏教大系 成唯識論 会本』(中山書房仏書林)

太田久紀『成唯識論要講 護法正義を中心として』第1〜4巻(中山書房仏書林、1999〜2000年)※『成唯識論』の重要部分を中心に解説。

廣澤隆之『『唯識三十頌』を読む』(大正大学出版会、2005年)※『成唯識論』の元となった『唯識三十頌』を解説。

上七軒文庫's Information

Address
京都市上京区末之口町448-15
Open Map
Business Hours

月〜金 00:00 - 23:59

土・日 00:00 - 23:59

TelBookFavorite