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【オンライン】寄付講座「知恵の庭」第3シーズン第1回「〈アナーキー〉生成のための中世史」(講師:杉浦鈴)
寄付講座「知恵(スキエンティア)の庭〜人文学の最前線〜」
ラテン語で「知恵」「知識」などを表すscientia(スキエンティア/シエンツィア)は、英語のscience(サイエンス)の元となった言葉です。science(サイエンス)は「科学」と日本語訳され、現在では主に自然科学を指す言葉として使われていますが、元々は学問全般を指す言葉です。連続講義「知恵(スキエンティア)の庭〜人文学の最前線〜」は、若手・中堅研究者による先端的な研究がクロスオーバーする場として企画されました。
本寄附講座は、人文学の「知恵」を未来につなぐために、若手研究者の発表の場を作りたい、という上七軒文庫の志に賛同してくださった小野嶋祥雄氏のご寄付により開講されます。本講座では、発表の機会に乏しい若手研究者とともに、今まさに研究の最前線を切り拓いている研究者にもご登壇いただき、多くの方々に人文学の面白さを知っていただく機会となればと思っています。
オンライン講義は、上七軒文庫オンライン(ツイキャス) から配信する予定です。
ご予約いただいた方に、講義当日、配布資料をダウンロードするためのアドレスを配信いたします。
本講義のアーカイブ動画は、ニコニコチャンネル「上七軒文庫チャンネル」 における会員限定公開を予定しております(その場合、アーカイブの無料公開はいたしませんので、ご注意ください)。
対面講義のご予約はこちらからお願いいたします。
本寄付講座は無料となっておりますが、参加人数把握などのため、本ページからのご予約をお願いいたします。
第2シーズン・第2回「〈アナーキー〉生成のための中世史」(2021年9月25日(土))
講師:杉浦鈴(上智大学大学院文学研究科史学専攻・博士後期課程)
講義概要
アナーキーとは無政府状態、すなわち自身で自身を統治しうる状態を指す。本報告では現代列島社会における「公共性」構築の困難さ、排他性の淵源を、権力の分散と社会集団形成が同時に生じた中世社会に求め、改めて「自治」の意味を問い直したい。中世社会の「無秩序性」をアナーキーとして見出すのではなく、中世社会における排除の事例から来るべき現実=アナーキー生成の可能性を探る。誰がある場所での存在を認められ、誰がある場所から追放されるのか。排斥と抑圧に張り裂けた「今」だからこそ、追い出された「場所なき者たち」の歴史を可能なかぎり拾い集めてみたい。

主催:古典文化研究会
共催:上七軒文庫合同会社
【オンライン講義】『五輪九字明秘密釈』を読む 第15回
※こちらはオンライン講義のご案内となります。

概要
 院政期を代表する真言密教僧、覚鑁(1095~1144)には既にまとまった研究がいくつも存在するが、それらは等しくある研究課題を克服できないままと考える。日本仏教史であれ真言密教史であれ、従来の研究は常に覚鑁を一つないし複数の思想潮流の「中途」に位置付け、その観点からしか同僧とその思想の意義を分析してこなかった。
 具体例をいくつか挙げておくと、覚鑁は空海没後、荒廃の極みにあった高野山と真言教学を「復興」し、後の真言宗隆盛の礎を作ったと先ず主張される。あるいは鎌倉中期の頼瑜(1226~1304)に先んじて、後の新義真言教学の基礎を樹立したともいわれる。さらに平安「旧」仏教から鎌倉「新」仏教への転換期に生き、それらの橋渡し役となる、法然や親鸞にとっての先駆の役割を果たしたと説かれることもある。今日の古義と新義の両真言宗、あるいは鎌倉「新」仏教を目的地とする道程の途中に、覚鑁のための場が設けられてきた。
 フランスの哲学者であるルイ・アルチュセール(1918~1990)の言葉を借りれば、覚鑁は常に「目的地」を想定し「前未来形」で書かれる歴史の中で解釈され、その外に出ることは稀であった。このような「目的論的」(teleological)な理解から覚鑁とその言葉を解放し、同僧の思想の全体性・体系性を回復することこそが、本講義の最終的な目標である。
 具体的には平安末期の日本仏教界と真言密教の状況を細かく把握した上で、覚鑁の主著ともいわれる『五輪九字明秘密釈』の読解を試みる。『五輪九字明秘密釈』は、非常に複雑な構造を有す文献でありながら、例えばその「密教浄土教」的な主張ばかり強調される等、総体として本書を読む試みはほとんどなされてこなかった。本講義では、まさにこの『五輪九字明秘密釈』を総体として読み、その中に隠された体系を解明すると共に、覚鑁の言葉や思考を規定していただろう深層の「規範」(paradigm)についても分析したい。

担当講師
亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師、京都大学研究員)

参考文献
那須政隆『五輪九字秘釈の研究』(『那須政隆著作集』4巻所収、1997年、法藏館)
Hendrik van der Veere, A Study into the Thought of Kogyo Daishi Kakuban: With a Translation of His Gorin Kuji Myo Himitsushaku (2000年、Hotei Publishing)
勝又俊教『興教大師の生涯と思想』(1992年、山喜房仏書林)
櫛田良洪『覚鑁の研究』(1978年、吉川弘文館)
櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』(1964年、山喜房仏書林)
松崎惠水『平安密教の研究 : 興教大師覚鑁を中心として』(2002年、吉川弘文館)
苫米地誠一『平安期の真言教学と密教浄土教』(『平安期真言密教の研究』第2部、2008年、ノンブル社)
藤井佐美『真言系唱導説話の研究:付・翻刻 仁和寺所蔵『真言宗打聞集』(2008年、三弥井書店)
ルイ・アルチュセール著/河野健二、田村俶、西川長夫訳『マルクスのために』(平凡社ライブラリー61、1994年、平凡社)
今村仁司『アルチュセール全哲学』(講談社学術文庫1839、2007年、講談社)
今村仁司『アルチュセールの思想:歴史と認識』(講談社学術文庫1089、1993年、講談社)
【オンライン講義】『五輪九字明秘密釈』を読む 第16回
※こちらはオンライン講義のご案内となります。

概要
 院政期を代表する真言密教僧、覚鑁(1095~1144)には既にまとまった研究がいくつも存在するが、それらは等しくある研究課題を克服できないままと考える。日本仏教史であれ真言密教史であれ、従来の研究は常に覚鑁を一つないし複数の思想潮流の「中途」に位置付け、その観点からしか同僧とその思想の意義を分析してこなかった。
 具体例をいくつか挙げておくと、覚鑁は空海没後、荒廃の極みにあった高野山と真言教学を「復興」し、後の真言宗隆盛の礎を作ったと先ず主張される。あるいは鎌倉中期の頼瑜(1226~1304)に先んじて、後の新義真言教学の基礎を樹立したともいわれる。さらに平安「旧」仏教から鎌倉「新」仏教への転換期に生き、それらの橋渡し役となる、法然や親鸞にとっての先駆の役割を果たしたと説かれることもある。今日の古義と新義の両真言宗、あるいは鎌倉「新」仏教を目的地とする道程の途中に、覚鑁のための場が設けられてきた。
 フランスの哲学者であるルイ・アルチュセール(1918~1990)の言葉を借りれば、覚鑁は常に「目的地」を想定し「前未来形」で書かれる歴史の中で解釈され、その外に出ることは稀であった。このような「目的論的」(teleological)な理解から覚鑁とその言葉を解放し、同僧の思想の全体性・体系性を回復することこそが、本講義の最終的な目標である。
 具体的には平安末期の日本仏教界と真言密教の状況を細かく把握した上で、覚鑁の主著ともいわれる『五輪九字明秘密釈』の読解を試みる。『五輪九字明秘密釈』は、非常に複雑な構造を有す文献でありながら、例えばその「密教浄土教」的な主張ばかり強調される等、総体として本書を読む試みはほとんどなされてこなかった。本講義では、まさにこの『五輪九字明秘密釈』を総体として読み、その中に隠された体系を解明すると共に、覚鑁の言葉や思考を規定していただろう深層の「規範」(paradigm)についても分析したい。

担当講師
亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師、京都大学研究員)

参考文献
那須政隆『五輪九字秘釈の研究』(『那須政隆著作集』4巻所収、1997年、法藏館)
Hendrik van der Veere, A Study into the Thought of Kogyo Daishi Kakuban: With a Translation of His Gorin Kuji Myo Himitsushaku (2000年、Hotei Publishing)
勝又俊教『興教大師の生涯と思想』(1992年、山喜房仏書林)
櫛田良洪『覚鑁の研究』(1978年、吉川弘文館)
櫛田良洪『真言密教成立過程の研究』(1964年、山喜房仏書林)
松崎惠水『平安密教の研究 : 興教大師覚鑁を中心として』(2002年、吉川弘文館)
苫米地誠一『平安期の真言教学と密教浄土教』(『平安期真言密教の研究』第2部、2008年、ノンブル社)
藤井佐美『真言系唱導説話の研究:付・翻刻 仁和寺所蔵『真言宗打聞集』(2008年、三弥井書店)
ルイ・アルチュセール著/河野健二、田村俶、西川長夫訳『マルクスのために』(平凡社ライブラリー61、1994年、平凡社)
今村仁司『アルチュセール全哲学』(講談社学術文庫1839、2007年、講談社)
今村仁司『アルチュセールの思想:歴史と認識』(講談社学術文庫1089、1993年、講談社)

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