2017年10月18日
久々のブログ投稿となります。
私が、中小企業診断士の看板を提げて個人で経営コンサルティングを行うようになって、まもなく2年が過ぎようとしています。
それ以前は、システムエンジニアとしてオフィスの中でソースコードやケーブル類と格闘してきたわけですが、つまり私が「営業活動」なるものを始めたのはまさにこの前職を辞して以降のことになります。
それまで、営業のイロハに触れる機会もなく、ただ機械を相手に会話をしてきた私が、どのようにしてお客様と接点を持つことができたか。
それは、「友達の友達はみな友達」という、昔懐かしの某テレビ番組の決まり文句を、行動の基礎としてきたからです。
逆に言うと、「○○さんの知り合いなら、きっと信用できる人なのだろう」と、世の多くの人は考えます。このような考え方を「信用そのものが通貨としての価値を持つ」と私は表現しています。
ここで、少し話が飛びます。
いわゆる「飛び込み営業」が難しい理由は何でしょうか。
それは、1.お客様が商品の価値を知らない、2.お客様が商品の価値を価値あるものと認識していない、3.お客様がセールスマンである私を信用していない、といったあたりでしょう。
これを、私のような中小企業診断士という士業にあてはめると、
1.中小企業の経営者は、中小企業診断士制度のことをそもそも知らない
2.中小企業の経営者は、自社の置かれている状況が経営課題であるという認識がない
3.目の前にいる、「中小企業診断士」なる肩書きのついた見知らぬ人物のことを信用に足る戸判断するだけの材料を持ち合わせていない
といったところになるでしょうか。
我々中小企業診断士の資格保有者はその8割が企業等に勤務しており、経営コンサルティングを本業としていないと言われています。
そのような方とお話しすると、やはり話題になるのは「診断士としての名刺」がどこまで通用するか、ということです。
結論から言うと、見ず知らずの人が初対面でにゅっと名刺を出してきて、それを信用する人というのは、この世の中の多数派ではありません。
「中小企業診断士という肩書きに、大した威力は無い」と嘆く方は少なくないようですが、この点を根本的に理解していないのでしょう。
世間的には、一応「難関資格」の部類に含まれることのある肩書きですので、持っている当人にはそれなりの思い入れがあるのでしょう。
しかし、目の前の相手が自分と同じようにそこに思い入れを持っているとは限らないのです。
喩えとして妥当かどうかはわかりませんが、たとえば目の前の知らない人が「私はヒヨコ鑑定士として20年のキャリアがあります」と言ったらどうでしょうか。
もしかしたら、何かものすごい人だという印象は持つかもしれません。しかし、そのヒヨコ鑑定士氏の存在を「自分ごと」と捉えることは難しいでしょう。
なぜなら、世間の大半の人は、ヒヨコを鑑定する必要性に直面していないからです。
(より正確に言うと、現状とヒヨコ鑑定の間に何らかの因果関係があると考えられない。実際には、ヒヨコを鑑定することで回りまわってたとえば難病治癒だとか、巨万の富を得られるとしてもそうした可能性自体に考えが及ばない。)