衆議院選挙が近づいてきています。

選挙を身近に感じる方もいれば、あることにも気づかない方まで、人それぞれかもしれません。

前回の衆議院選挙の投票率は55.93％とのことです（半分近い国民は投票しないのね）。

投票しない人の心理には、いくつかの要因が考えられるようです。

よく耳にするコレは、政治に無関心なので投票の重要性を感じていません。自分の一票なんて結果に影響を与えないという「無力感」からくると考えられます。特に選挙結果が予想できてしまうと感じると、この気持ちは強くなります。

政治などの知識がなく、よく分からないため投票しないということもあります。

政治家や政府に対する不信感が強く、政治腐敗や政治家への不満が投票を無意味なものと感じさせます。また、選挙システム自体が信頼できないので、「誰が当選しても結果は同じ」という考えから投票する気をなくすことがあります。

例えば、仕事が忙しく投票に行く時間がない、遠くて面倒だと感じたりする、物理的・心理的な「投票のコスト」も投票しない理由につながります。

選挙結果は、若い人たちや社会的少数者の意見を反映していない、という疎外感が投票を避ける理由になることもあります。多数の意をくむばかりで、自分の生活に関係ない、投票しても自分の声が届かないという感覚は、投票行動を阻害します。

あなたには、いくつか当てはまりましたか？

それでも投票に行くと気持ちを奮い立たせているひともいるでしょう。

国や政治という、とてつもなく大きく、自分一人の力ではどうしようもないと思えるようなものに向けて、ワタシの１票をどう行使するのか、ということが突きつけらる週です。

全体像も見えないし、抽象的でつかみどころもない相手をまわしたとき、どうせ変化など起きないのではないかと無力感に襲われることはあるものです。

人間関係や職場での悩みと、共通項があるようにも思いました。

 選挙を前に無力感を感じるみなさんへ

人間関係や職場が急に変わらないように、選挙1回で劇的な変化が見られないことは普通です。

トップダウンの職場が、社長が変わって変化するとか、政権交代ということはあるでしょうが、変化が急だと揺り動かしも大きくなります。全体が変化したと感じられるまでには、時間はかかるものです。長期的な視野をもって進みましょう。

まずは自分ができること、選挙で言うなら関心を持つ分野での小さな変化に注目しましょう。小さな進歩、いえ、新たに議論が始まるだけでも、大事な一歩です。そうした小さな変化を見つけることで、自分の行動や、一票が無意味ではなかったと感じることができるのではないでしょうか。

あなたの人生の主役はあなた自身、と言います。変えられるのは、他人ではなくあなた自身です。

そのような主役意識、主体性を持ち続けましょう。

選挙は、一つの手段にすぎません。私たちは、政治とか行政（昔流に言うと、お上）の言うことに従うしかない弱い民衆なのではありません。社会に影響を与えるためには、市民活動やコミュニティの取り組みなどの手もあります。

自分が行動することで、理解者が生まれたり、賛同して同じ思いをもつ人々と協力し合うことで、虚しさを共有し、それを前向きなエネルギーに変えることができるでしょう。

思うようにいかないときの気持ちのケア

行動してみたけどうまくいかない、投票したけど選挙結果が期待通りでなかったということもあります。そんなときに、虚しさや失望感を感じることは自然なことです。

その気持ちを無理に抑え込むのではなく、まずは自分で認めてあげてください。そして、できそうなら誰かに話す、頭に浮かんだことを書き出してみる（ジャーナリング）、リラックスする時間をもつ（瞑想など）や運動などのリフレッシュ、趣味に没頭するなど、自分に合った方法で、心を整えるようにしましょう。

カウンセリングでも、自分の気持ちを知り、受けとめることを応援するため、しばし伴走させていただいています。

担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

衆議院選挙が近づいてきています。

選挙を身近に感じる方もいれば、あることにも気づかない方まで、人それぞれかもしれません。

前回の衆議院選挙の投票率は55.93％とのことです（半分近い国民は投票しないのね）。



投票しない人の心理には、いくつかの要因が考えられるようです。



1. 政治への無関心

よく耳にするコレは、政治に無関心なので投票の重要性を感じていません。自分の一票なんて結果に影響を与えないという「無力感」からくると考えられます。特に選挙結果が予想できてしまうと感じると、この気持ちは強くなります。



２．情報不足

政治などの知識がなく、よく分からないため投票しないということもあります。



３．社会への不信感

政治家や政府に対する不信感が強く、政治腐敗や政治家への不満が投票を無意味なものと感じさせます。また、選挙システム自体が信頼できないので、「誰が当選しても結果は同じ」という考えから投票する気をなくすことがあります。



４.コスパ

例えば、仕事が忙しく投票に行く時間がない、遠くて面倒だと感じたりする、物理的・心理的な「投票のコスト」も投票しない理由につながります。



５.疎外感

選挙結果は、若い人たちや社会的少数者の意見を反映していない、という疎外感が投票を避ける理由になることもあります。多数の意をくむばかりで、自分の生活に関係ない、投票しても自分の声が届かないという感覚は、投票行動を阻害します。



あなたには、いくつか当てはまりましたか？

それでも投票に行くと気持ちを奮い立たせているひともいるでしょう。



国や政治という、とてつもなく大きく、自分一人の力ではどうしようもないと思えるようなものに向けて、ワタシの１票をどう行使するのか、ということが突きつけらる週です。

全体像も見えないし、抽象的でつかみどころもない相手をまわしたとき、どうせ変化など起きないのではないかと無力感に襲われることはあるものです。



人間関係や職場での悩みと、共通項があるようにも思いました。

 選挙を前に無力感を感じるみなさんへ

小さな変化に注目しましょう

人間関係や職場が急に変わらないように、選挙1回で劇的な変化が見られないことは普通です。

トップダウンの職場が、社長が変わって変化するとか、政権交代ということはあるでしょうが、変化が急だと揺り動かしも大きくなります。全体が変化したと感じられるまでには、時間はかかるものです。長期的な視野をもって進みましょう。

まずは自分ができること、選挙で言うなら関心を持つ分野での小さな変化に注目しましょう。小さな進歩、いえ、新たに議論が始まるだけでも、大事な一歩です。そうした小さな変化を見つけることで、自分の行動や、一票が無意味ではなかったと感じることができるのではないでしょうか。



主体性をもっていきましょう

あなたの人生の主役はあなた自身、と言います。変えられるのは、他人ではなくあなた自身です。

そのような主役意識、主体性を持ち続けましょう。

選挙は、一つの手段にすぎません。私たちは、政治とか行政（昔流に言うと、お上）の言うことに従うしかない弱い民衆なのではありません。社会に影響を与えるためには、市民活動やコミュニティの取り組みなどの手もあります。

自分が行動することで、理解者が生まれたり、賛同して同じ思いをもつ人々と協力し合うことで、虚しさを共有し、それを前向きなエネルギーに変えることができるでしょう。



思うようにいかないときの気持ちのケア

行動してみたけどうまくいかない、投票したけど選挙結果が期待通りでなかったということもあります。そんなときに、虚しさや失望感を感じることは自然なことです。

その気持ちを無理に抑え込むのではなく、まずは自分で認めてあげてください。そして、できそうなら誰かに話す、頭に浮かんだことを書き出してみる（ジャーナリング）、リラックスする時間をもつ（瞑想など）や運動などのリフレッシュ、趣味に没頭するなど、自分に合った方法で、心を整えるようにしましょう。



カウンセリングでも、自分の気持ちを知り、受けとめることを応援するため、しばし伴走させていただいています。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

どうせ変わらないという無力感にどう対処できるか

大学生の頃、何かの講義で知った言葉が、ふいに浮かんできました。

二ーバーの祈りとして知られている、ラインホールド・ニーバーが残した「平静の祈り」です。

神よ、変えられないことを受け入れる平静さを、

変えられることを変える勇気を、

そして、その違いを見分ける知恵を与えてください。

二ーバーさんは神学者なので、神と書いてありますが、アルコール依存症のプログラムなどで使われて、広く知られるようになったそうです。

わたしも、ニーバーの祈りがふいに口をついて出ることがあります。この言葉、どう感じますか？

１．変えられないことを受け入れる

悩みごとは、人との間で現れることも多いですから、そこに至るまでに経過があったり、複数の人が関わっていたりして、情報も多くなりがちです。そんなこんがらがっているときに、この祈りは、何が自分の力で変えられる、何が変えられないかを冷静に見極める大切さを教えてくれます。

そうすると、自力ではどうしようもないよなと諦める（受け容れる）ことで、考えていても無駄なストレスや不安を軽くすることができるでしょう。

２．変えられることを変える勇気

「他人は変えられないけど、自分は変えられる」という言葉を知っているひとは多いと思います。

実際は、変えようと思っても、元の状態に慣れ親しんでいるので、すぐ簡単には変わらないで戻ってしまうようなこともありますが。だから勇気が要る、という面もあるかもしれません。

それでも、受け身になったり諦めたりするのではなく、自分が行動することで変えられる問題には、行動してみようと呼びかけているようでもあります。

現代では、社会の問題は複雑過ぎて、一人の人間が動いたところで何も変わらないように思うかもしれません。変えられなかったら恥ずかしいとか、やってみる前に諦めてしまうかもしれません。

それでも、勇気を出して行動してみたら、いきなり全部が変わらないとしても、何もしないよりは何かが変わることもあるでしょう。そして、その勇気ある行動が、共感や誰かの勇気につながるかもしれません。

さらに大事なのは、「その違いを見分ける知恵」です。知識ではなく「知恵」です（原語ではWisdom）。

ただ知識があれば見分けられるのではなく、経験や内省によって得られる、状況に応じて判断し、最適な行動を取るための能力、「知恵」が必要だというのです。

物事の受けとめ方には、一人一人くせがあって、思考が強いひと、感情が強いひと…と色々です。

そういう自分について、思考、感情、行動などを振り返り、深く考えることが、「内省」です。それによって、自己理解を深め、問題の原因や改善点を見つけられたり、自己成長にもつながるんですね。

内省は、すごくするひとも、あまりしなひともいて、それも個性です。

人生の中で、似たようなテーマが何度も何度も繰り返しやってくる、と気づいた方は、「変える、変えられない、見分ける」に向き合うタイミングなのかもしれません。

カウンセリングでは、自分を知る、自己理解のひと時に、しばし伴走させていただきます。

大学生の頃、何かの講義で知った言葉が、ふいに浮かんできました。

二ーバーの祈りとして知られている、ラインホールド・ニーバーが残した「平静の祈り」です。



神よ、変えられないことを受け入れる平静さを、

変えられることを変える勇気を、

そして、その違いを見分ける知恵を与えてください。



二ーバーさんは神学者なので、神と書いてありますが、アルコール依存症のプログラムなどで使われて、広く知られるようになったそうです。

わたしも、ニーバーの祈りがふいに口をついて出ることがあります。この言葉、どう感じますか？



１．変えられないことを受け入れる

悩みごとは、人との間で現れることも多いですから、そこに至るまでに経過があったり、複数の人が関わっていたりして、情報も多くなりがちです。そんなこんがらがっているときに、この祈りは、何が自分の力で変えられる、何が変えられないかを冷静に見極める大切さを教えてくれます。

そうすると、自力ではどうしようもないよなと諦める（受け容れる）ことで、考えていても無駄なストレスや不安を軽くすることができるでしょう。



２．変えられることを変える勇気

「他人は変えられないけど、自分は変えられる」という言葉を知っているひとは多いと思います。

実際は、変えようと思っても、元の状態に慣れ親しんでいるので、すぐ簡単には変わらないで戻ってしまうようなこともありますが。だから勇気が要る、という面もあるかもしれません。

それでも、受け身になったり諦めたりするのではなく、自分が行動することで変えられる問題には、行動してみようと呼びかけているようでもあります。

現代では、社会の問題は複雑過ぎて、一人の人間が動いたところで何も変わらないように思うかもしれません。変えられなかったら恥ずかしいとか、やってみる前に諦めてしまうかもしれません。

それでも、勇気を出して行動してみたら、いきなり全部が変わらないとしても、何もしないよりは何かが変わることもあるでしょう。そして、その勇気ある行動が、共感や誰かの勇気につながるかもしれません。



３．違いを見分ける知恵

さらに大事なのは、「その違いを見分ける知恵」です。知識ではなく「知恵」です（原語ではWisdom）。

ただ知識があれば見分けられるのではなく、経験や内省によって得られる、状況に応じて判断し、最適な行動を取るための能力、「知恵」が必要だというのです。

物事の受けとめ方には、一人一人くせがあって、思考が強いひと、感情が強いひと…と色々です。

そういう自分について、思考、感情、行動などを振り返り、深く考えることが、「内省」です。それによって、自己理解を深め、問題の原因や改善点を見つけられたり、自己成長にもつながるんですね。

内省は、すごくするひとも、あまりしなひともいて、それも個性です。

人生の中で、似たようなテーマが何度も何度も繰り返しやってくる、と気づいた方は、「変える、変えられない、見分ける」に向き合うタイミングなのかもしれません。



カウンセリングでは、自分を知る、自己理解のひと時に、しばし伴走させていただきます。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）







二ーバーの祈り

9月も終わりです。ようやく最高気温が30℃にいかない日も増えてきて、秋の訪れを感じます。

あまりの暑さで遅れていたヒガンバナも、ようやく咲き始めましたね。

 25℃を超える日（夏日）はまだありますが、猛暑日（30℃以上）に慣れた身体は、涼しいと感じるように、変化しているのでしょう。

さて、季節の変わり目、特に夏から秋にかけては、心の不調が現れやすい時期でもあります。

なぜなのか？　大きく２つに分けて考えてみましょう。

9月や10月（大学生）は、夏休みだった学校が再開したり、企業は決算期でもあり、生活リズムが変化します。

季節のイベントがあったり、変化に適応しようとするストレスは、心の不調を引き起こす要因となります。

冒頭でも述べた気温の変化。気温が急激に変化するとは、体温調節を司る自律神経に負担をかけます。

これにより、心拍数や血圧が乱れ、精神的な不安感やイライラが引き起こされることがあると言われています。

夏から秋に移行すると日照時間が減ります。19時でも明るかった夏が懐かしくもありますが、現在の東京の日没は、9月30日で17:27です。

また、台風がきたり、秋雨だったり、天気も曇りがちになります。

このようにして日照時間が減ると、脳内のセロトニン（幸せや安定感に関わる神経伝達物質）の分泌が低下します。

これが気分の低下や疲労感を引き起こし、季節性のうつの一因になることがあるんですね。

夏の間は、あまりに暑くて、外出を避けたい気持ちにもなりました。

ですが、こころのバランスのためには、日中はできるだけ日光を浴びることが大切です。

また、十分な睡眠をとること、規則正しい生活リズムによって、自律神経を整えることが効果的です。

深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を始めてみたり、暑い時期には身体を冷やしてばかりいたと思いますので、体を温める食べ物や軽い運動もいかがでしょうか。

秋というのは、年末に向けて慌ただしい気持ちにもなりますが、スケジュールを上手に調整し、休み休みいきましょう。

今年の秋は短いという話も聞こえてきますが、秋ならではの楽しみを探してみては？

食欲の秋、芸術の秋…。あなたの「〇〇の秋」を、リラックスできる時間をもちながら、季節の変わり目を整えていきましょう。

自分のくせは自分だけではわからなかったり、なかなか変えられないものです。

そんなときは、カウンセリングでご自身のことを見つめ直してみる時間はいかがでしょうか。

しばし伴走させていただきます。

 参考：働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト　こころの耳（厚労省）季節性うつ病  

9月も終わりです。ようやく最高気温が30℃にいかない日も増えてきて、秋の訪れを感じます。

あまりの暑さで遅れていたヒガンバナも、ようやく咲き始めましたね。

 25℃を超える日（夏日）はまだありますが、猛暑日（30℃以上）に慣れた身体は、涼しいと感じるように、変化しているのでしょう。



さて、季節の変わり目、特に夏から秋にかけては、心の不調が現れやすい時期でもあります。

なぜなのか？　大きく２つに分けて考えてみましょう。



１．環境が変わりやすい

9月や10月（大学生）は、夏休みだった学校が再開したり、企業は決算期でもあり、生活リズムが変化します。

季節のイベントがあったり、変化に適応しようとするストレスは、心の不調を引き起こす要因となります。



２．季節そのものの変化

①気温の変化

冒頭でも述べた気温の変化。気温が急激に変化するとは、体温調節を司る自律神経に負担をかけます。

これにより、心拍数や血圧が乱れ、精神的な不安感やイライラが引き起こされることがあると言われています。



②日照時間の変化

夏から秋に移行すると日照時間が減ります。19時でも明るかった夏が懐かしくもありますが、現在の東京の日没は、9月30日で17:27です。

また、台風がきたり、秋雨だったり、天気も曇りがちになります。

このようにして日照時間が減ると、脳内のセロトニン（幸せや安定感に関わる神経伝達物質）の分泌が低下します。

これが気分の低下や疲労感を引き起こし、季節性のうつの一因になることがあるんですね。



３．夏から秋へ上手にシフト

夏の間は、あまりに暑くて、外出を避けたい気持ちにもなりました。

ですが、こころのバランスのためには、日中はできるだけ日光を浴びることが大切です。



また、十分な睡眠をとること、規則正しい生活リズムによって、自律神経を整えることが効果的です。

深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を始めてみたり、暑い時期には身体を冷やしてばかりいたと思いますので、体を温める食べ物や軽い運動もいかがでしょうか。



秋というのは、年末に向けて慌ただしい気持ちにもなりますが、スケジュールを上手に調整し、休み休みいきましょう。

今年の秋は短いという話も聞こえてきますが、秋ならではの楽しみを探してみては？

食欲の秋、芸術の秋…。あなたの「〇〇の秋」を、リラックスできる時間をもちながら、季節の変わり目を整えていきましょう。



自分のくせは自分だけではわからなかったり、なかなか変えられないものです。

そんなときは、カウンセリングでご自身のことを見つめ直してみる時間はいかがでしょうか。

しばし伴走させていただきます。

 参考：働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト　こころの耳（厚労省）季節性うつ病  



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

秋・心の不調に気をつけて

突然ですが、NHKで土曜ドラマ「Shrink―精神科医ヨワイー」が始まりました。

わたしは偶然知って、見逃し配信で第１話を見てみました。

このドラマは、「心の悩みを解決できないまま苦しい思いをしている人、そしてそういった苦悩に直面する家族や友人を心配している方々の心にまっすぐ届けるヒューマンドラマ」です。

現代社会では心の病やメンタルヘルスの課題が増加している、と言われて幾星霜ですが、心の悩みは、著名人や大学病院のような特別な場所で治療するべきものではありませんよね。

身近なところに、気軽に訪れることができる場所があるといいな、と「こころのケア」についても考えさせてくれるドラマだと思いました。

女性は、例えば30年前と比べて、社会で働く機会が増えました。

言い換えれば自分自身を活かす道を模索しやすくもなったと言えますが、女性活躍の名のもとに労働力となることを期待され、働かないといけないプレッシャーもあります。

育児だけをしていたら、社会から取り残されてしまいそうと思わされてしまったり、

折角のキャリアが中断して、置いてけぼりになるという焦りに囚われたり、

働いていないと対等に夫と関われないような気がしたり。

その反面、固定的なジェンダー役割期待が、自他共に高くなるため、実にたくさんの役割を担って、ストレスを抱えることも多いでしょう。

１話目の、夏帆さん演じるシングルマザーは、仕事や育児のプレッシャーから精神的に追い詰められてしまうお話でした。

離婚した夫の母（義母）との関係は複雑なものでしたが、女性どうしのつながりについても期待がもてるような終わり方でした。

中村倫也さんの声や語り口調、演技に癒される方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

（参考）土曜ドラマ「Shrink（シュリンク）―精神科医ヨワイ―」 

※（追記）連続ドラマだと思ったのですが、3回もので終わってしまいました。10回ぐらい続いて欲しかったです

身近で気軽なこころのケアとして、ぜひカウンセリングルームもご利用ください。

突然ですが、NHKで土曜ドラマ「Shrink―精神科医ヨワイー」が始まりました。

わたしは偶然知って、見逃し配信で第１話を見てみました。

このドラマは、「心の悩みを解決できないまま苦しい思いをしている人、そしてそういった苦悩に直面する家族や友人を心配している方々の心にまっすぐ届けるヒューマンドラマ」です。

現代社会では心の病やメンタルヘルスの課題が増加している、と言われて幾星霜ですが、心の悩みは、著名人や大学病院のような特別な場所で治療するべきものではありませんよね。

身近なところに、気軽に訪れることができる場所があるといいな、と「こころのケア」についても考えさせてくれるドラマだと思いました。



女性は、例えば30年前と比べて、社会で働く機会が増えました。

言い換えれば自分自身を活かす道を模索しやすくもなったと言えますが、女性活躍の名のもとに労働力となることを期待され、働かないといけないプレッシャーもあります。

育児だけをしていたら、社会から取り残されてしまいそうと思わされてしまったり、

折角のキャリアが中断して、置いてけぼりになるという焦りに囚われたり、

働いていないと対等に夫と関われないような気がしたり。



その反面、固定的なジェンダー役割期待が、自他共に高くなるため、実にたくさんの役割を担って、ストレスを抱えることも多いでしょう。

（ネタバレがあります）



１話目の、夏帆さん演じるシングルマザーは、仕事や育児のプレッシャーから精神的に追い詰められてしまうお話でした。

離婚した夫の母（義母）との関係は複雑なものでしたが、女性どうしのつながりについても期待がもてるような終わり方でした。



中村倫也さんの声や語り口調、演技に癒される方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。

（参考）土曜ドラマ「Shrink（シュリンク）―精神科医ヨワイ―」 

※（追記）連続ドラマだと思ったのですが、3回もので終わってしまいました。10回ぐらい続いて欲しかったです

身近で気軽なこころのケアとして、ぜひカウンセリングルームもご利用ください。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）



土曜ドラマ「Shrink―精神科医ヨワイー」

女性向けのカウンセリングですと、ケアラーと高齢者の関係性がテーマとなることも少なくありません。

現在の関係でもありますが、これまでの関係上のひずみが浮き彫りになる時期とも言えるでしょう。

配偶者として、ケアを必要するようになった人との、過去の関係

単純にいい・悪い、好き・嫌いの二択では選べないのが、身近な家族との関係かもしれません。

配偶者としての責任感から、ケアラーとなっていても、それまで棚上げにしてきた問題が、棚からドシンと落ちてくるようなことがあるでしょう。

結婚したことがある女性の27.5％が、配偶者から暴力を受けた経験があるという調査結果があります。

さらにその半数（13.2％）は、何度も暴力を受けていることが分かっています（内閣府「令和5年度男女間における暴力に関する調査」 ）。

また、被害を受けた女性の66.8％が「別れたい」と思っていますが、実際に「相手と別れた」のは20.1％で、「別れようと思ったが、別れなかった」方が46.7％とのことです。

別れない結果に至るには、色々な状況があったと思います。

精神的暴力（心理的攻撃）のこと

暴力には、身体的、精神的、経済的、性的暴力が知られています。

このうち、精神的暴力（心理的攻撃）を受けた自覚する女性の割合は15.0%にのぼります。

心理的攻撃には、人格を否定するような暴言、交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視・制限したり、長期間無視するなどの精神的な嫌がらせ、自分や自分の家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような脅迫などがあります。

ご本人からは、モラハラという言葉で話されることもありますが、その程度は幅があると思います。

家庭内での夫婦の力関係や固定的な性役割分担によっても、女性は精神的な負担を強いられてくる場合があります。そして、子育てを終え、配偶者の退職、老後を迎えるとき。

昨日まで偉そうにしていた配偶者の、今度は世話をしなくてはならない状況になったときに、「夫婦ってなんだろう」「私の人生は何だったんだろう」といったことを振り返るのです。

世話に対して当然のことだと偉そうに振る舞われたり、命令をしたり、感謝を述べないなどが積み重なると、過去に受けた傷が、開くこともあるでしょう。

サポートを受けることや休息を考えましょう

そうしたとき、ケアラーは自分自身の心身の健康を守るためにも、周囲のサポートや専門的な支援を受けることは必要です。

自分だけで抱えてしまうと、内面から怒りが沸き上がって自分自身を傷つけてしまい、健康問題に発展することもありえます。

ケアラーに対するカウンセリングやピアサポート（介護者どうしの対話）を利用してにより、ストレスを軽くしたり、ちゃんと休息を取れるようにすることも大事です。

配偶者であるケアラーには、高齢者虐待はいけません、などという理想論では終われない葛藤が生じます。まずは、安全な場所でお心を開いて、見つめてみませんか。

女性向けのカウンセリングですと、ケアラーと高齢者の関係性がテーマとなることも少なくありません。

現在の関係でもありますが、これまでの関係上のひずみが浮き彫りになる時期とも言えるでしょう。



配偶者として、ケアを必要するようになった人との、過去の関係

単純にいい・悪い、好き・嫌いの二択では選べないのが、身近な家族との関係かもしれません。

配偶者としての責任感から、ケアラーとなっていても、それまで棚上げにしてきた問題が、棚からドシンと落ちてくるようなことがあるでしょう。



配偶者間の暴力

結婚したことがある女性の27.5％が、配偶者から暴力を受けた経験があるという調査結果があります。

さらにその半数（13.2％）は、何度も暴力を受けていることが分かっています（内閣府「令和5年度男女間における暴力に関する調査」 ）。



また、被害を受けた女性の66.8％が「別れたい」と思っていますが、実際に「相手と別れた」のは20.1％で、「別れようと思ったが、別れなかった」方が46.7％とのことです。

別れない結果に至るには、色々な状況があったと思います。



精神的暴力（心理的攻撃）のこと

暴力には、身体的、精神的、経済的、性的暴力が知られています。

このうち、精神的暴力（心理的攻撃）を受けた自覚する女性の割合は15.0%にのぼります。

心理的攻撃には、人格を否定するような暴言、交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視・制限したり、長期間無視するなどの精神的な嫌がらせ、自分や自分の家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような脅迫などがあります。

ご本人からは、モラハラという言葉で話されることもありますが、その程度は幅があると思います。



夫婦が老後を迎えるとき

家庭内での夫婦の力関係や固定的な性役割分担によっても、女性は精神的な負担を強いられてくる場合があります。そして、子育てを終え、配偶者の退職、老後を迎えるとき。

昨日まで偉そうにしていた配偶者の、今度は世話をしなくてはならない状況になったときに、「夫婦ってなんだろう」「私の人生は何だったんだろう」といったことを振り返るのです。



世話に対して当然のことだと偉そうに振る舞われたり、命令をしたり、感謝を述べないなどが積み重なると、過去に受けた傷が、開くこともあるでしょう。



サポートを受けることや休息を考えましょう

そうしたとき、ケアラーは自分自身の心身の健康を守るためにも、周囲のサポートや専門的な支援を受けることは必要です。

自分だけで抱えてしまうと、内面から怒りが沸き上がって自分自身を傷つけてしまい、健康問題に発展することもありえます。

ケアラーに対するカウンセリングやピアサポート（介護者どうしの対話）を利用してにより、ストレスを軽くしたり、ちゃんと休息を取れるようにすることも大事です。



配偶者であるケアラーには、高齢者虐待はいけません、などという理想論では終われない葛藤が生じます。まずは、安全な場所でお心を開いて、見つめてみませんか。

担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

ケアラー（ケアをする人）の心理（その２）ー夫婦関係

ご無沙汰のBlogは、耳にする機会が増えたように思う、「ケアラー」についてです。

もしかしたら、ヤングケアラーという言葉で知ったという方もいるかもしれませんね。

今日は、より広く、病気や障害を持つ家族や高齢者などの世話をしている「ケアラー」をイメージします。その中でも、高齢者の世話をするケアラーに注目してみましょう。

2000年に介護保険制度が始まって、社会で介護を分担するというようなしくみになっていきました。高齢化社会に備えて、対策されてきたわけです。

でも、途中で制度が変わったり、介護保険を使っても負担が大きい、制度を利用できないなどの社会的な問題も耳に入ってきていますでしょうか。

ケアラーを担うひとは、高齢者の（多くは高齢の）配偶者だったり、子ども（その配偶者）が多いでしょう。

ケアラーは、自分の生活を調整して高齢者をケアすることが多くなります。

例えば、介護離職や介護休業などという言葉もあるように、人生設計へも影響する場合があります。

また、ケアラーには、心理的にも、いろいろな問題が起こる可能性があります。

どうしても、自己犠牲的な感覚が生まれたり、不満や感情的な摩擦の原因となることもあるでしょう。

辛いことに、そう感じてしまう自分を責めてしまったりすることもあります。

ケアを必要としている人の状態によっては、健康面や様子に対して注意を払う必要があります。

そうした注意はいつまでという期限もなく、続きます。

ケアラーにとっては慢性的なストレスとなり、バーンアウトや抑うつなどの心理的な問題を引き起こすこともあります。

ケアラーが無理をし過ぎていると、感情的な問題はさらに膨らんで、孤立感や無力感、疲労や怒りを感じることにもなりかねません。適切なサポートを受けるようにしましょう。

TLCカウンセリングルームでは、現役で親介護を経験しているカウンセラーがお話を伺っています。

しばし、立ち止まってみる時間をもつのはいかがでしょうか。

ご無沙汰のBlogは、耳にする機会が増えたように思う、「ケアラー」についてです。

もしかしたら、ヤングケアラーという言葉で知ったという方もいるかもしれませんね。

今日は、より広く、病気や障害を持つ家族や高齢者などの世話をしている「ケアラー」をイメージします。その中でも、高齢者の世話をするケアラーに注目してみましょう。



2000年に介護保険制度が始まって、社会で介護を分担するというようなしくみになっていきました。高齢化社会に備えて、対策されてきたわけです。

でも、途中で制度が変わったり、介護保険を使っても負担が大きい、制度を利用できないなどの社会的な問題も耳に入ってきていますでしょうか。



ケアラーを担うひとは、高齢者の（多くは高齢の）配偶者だったり、子ども（その配偶者）が多いでしょう。

ケアラーは、自分の生活を調整して高齢者をケアすることが多くなります。

例えば、介護離職や介護休業などという言葉もあるように、人生設計へも影響する場合があります。



また、ケアラーには、心理的にも、いろいろな問題が起こる可能性があります。



どうしても、自己犠牲的な感覚が生まれたり、不満や感情的な摩擦の原因となることもあるでしょう。

辛いことに、そう感じてしまう自分を責めてしまったりすることもあります。



ケアを必要としている人の状態によっては、健康面や様子に対して注意を払う必要があります。

・認知機能はどうか

・服薬が出来ているか

・食事はできているか

・運動はしてるのか、など



そうした注意はいつまでという期限もなく、続きます。

ケアラーにとっては慢性的なストレスとなり、バーンアウトや抑うつなどの心理的な問題を引き起こすこともあります。



ケアラーが無理をし過ぎていると、感情的な問題はさらに膨らんで、孤立感や無力感、疲労や怒りを感じることにもなりかねません。適切なサポートを受けるようにしましょう。



TLCカウンセリングルームでは、現役で親介護を経験しているカウンセラーがお話を伺っています。

しばし、立ち止まってみる時間をもつのはいかがでしょうか。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

ケアラー（ケアをする人）の心理（１）

一昔前までは、9月15日は「敬老の日」という祝日で、高齢者を敬愛して長寿をお祝いする日でした。2003年からは、9月第3月曜日になって、シルバーウィークの連休の中に組み込まれるようになりました。

もとの9月15日は、今は「老人の日」と呼ぶそうです。「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」目的の日です。

「高齢者」からの連想ー、「平均寿命」は、2019年推計値で男性が81.5歳、女性が86.9歳（2023年 WHO版）。女性は世界１位、男性も２位で、日本はとてもご長寿な国です。

そして、2007年に超高齢社会（65歳以上の人口の割合が全人口の21％を占めている社会）になり、2022年9月推計で29.1％と過去最高を記録するほど、年々お年寄の割合は増えています。

ところで、「高齢者」と聞いて、自分の親や身近なひとを思い浮かべるひともいるでしょう。

また、ご自身が65歳以上である、年金を受け取っていたら高齢者と感じる方もいらっしゃるかと思います。

孫が生まれて「おばあちゃん」と呼ばれたら、高齢者であると思いますか？

単純に年齢や状態で「高齢者」と区分することはできいないでしょうね。心身ともに個人差があるようにも思います。そして、心理的な課題も、それぞれの形で表れてくるように感じます。

わたし自身で言えば、「あと〇年で高齢者だなんて、信じられない」と今思いますし、親が高齢者であることを実感するようになったのは、やはり、認知機能が低下したり、生活面での支援や手助けが必要だと思うようになってからだと感じます。

今月からは、「高齢者」をめぐる心理的なことや社会的なことを話題に、Blogを書いてみようかなあと思います。年を重ねたご夫婦のこと、加齢することにまつわる心理、年老いた親との母娘関係、いろいろなストーリーがそこにはあるでしょう。

カウンセリングルームでも、かけがえのない経験や思いを語り、ご自身の人生とこころを見つめる時間をご用意しています。

一昔前までは、9月15日は「敬老の日」という祝日で、高齢者を敬愛して長寿をお祝いする日でした。2003年からは、9月第3月曜日になって、シルバーウィークの連休の中に組み込まれるようになりました。

もとの9月15日は、今は「老人の日」と呼ぶそうです。「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」目的の日です。



「高齢者」からの連想ー、「平均寿命」は、2019年推計値で男性が81.5歳、女性が86.9歳（2023年 WHO版）。女性は世界１位、男性も２位で、日本はとてもご長寿な国です。

そして、2007年に超高齢社会（65歳以上の人口の割合が全人口の21％を占めている社会）になり、2022年9月推計で29.1％と過去最高を記録するほど、年々お年寄の割合は増えています。



ところで、「高齢者」と聞いて、自分の親や身近なひとを思い浮かべるひともいるでしょう。

また、ご自身が65歳以上である、年金を受け取っていたら高齢者と感じる方もいらっしゃるかと思います。

孫が生まれて「おばあちゃん」と呼ばれたら、高齢者であると思いますか？



単純に年齢や状態で「高齢者」と区分することはできいないでしょうね。心身ともに個人差があるようにも思います。そして、心理的な課題も、それぞれの形で表れてくるように感じます。



わたし自身で言えば、「あと〇年で高齢者だなんて、信じられない」と今思いますし、親が高齢者であることを実感するようになったのは、やはり、認知機能が低下したり、生活面での支援や手助けが必要だと思うようになってからだと感じます。



今月からは、「高齢者」をめぐる心理的なことや社会的なことを話題に、Blogを書いてみようかなあと思います。年を重ねたご夫婦のこと、加齢することにまつわる心理、年老いた親との母娘関係、いろいろなストーリーがそこにはあるでしょう。



カウンセリングルームでも、かけがえのない経験や思いを語り、ご自身の人生とこころを見つめる時間をご用意しています。



老人福祉を理解する参考に

全国社会福祉協議会 

健康長寿ネット 



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

敬老の日、老人の日

一生でがんと診断されるのは2人に1人、と言われています。

2019年のデータでは、女性51.2％（2人に1人）、男性は 65.5%（2人に1人）です。

年齢と共に、がんに罹る人は増えますが、治療法も進化し、高齢化の影響もあり、がんで亡くなることは少なくなってきたということです。それでも、昔のイメージが色濃く残っているのか、がんというものは罹りたくないものとして、大変恐れられているように思います。

体調が悪く検査をしたら怪しいカゲがあった、精密検査をしてがんではないと分かった。それを聞いた人に「それはよかったね」と言われることにモヤつくひとがいます。不調は続いているのですから。

目の前に大きな脅威がある（と思う）とき、本当に大切にしたいことが見えなくなってしまうことはないでしょうか。

がんという診断を避けられればよかったのではなく、願うのは、不調の原因にあたりがついて、それを除去する治療が選択できること、そして不調が治ること。

一方で、働く世代のひとが不調はないのに、たまたま検査でカゲが発見されるとき。患者もかぞくも、何かの間違いであること、良性の何かであることを願って情報を集め、心の底から祈ります。

ひとたび診断が出てからも、受容までの道のりは長く、ショック、否認、驚きや怒り、恐れなど様々な感情が繰り返し襲ってきます。

患者はもちろん、患者を支えるかぞくも「第２の患者」と言われるほど、心理的な影響が大きいことが知られています。

平均寿命まで生きていたなら、高齢なら、がんに罹るひとも当たり前に増えてくるし、種類によっても進行が遅いとも聞きます。だったらよいのでしょうか。諦めがつく、ただそういうことなのでしょうか。

小児やAYA世代のがんの問題、希少がんの課題とも通じるかもしれませんが、（年齢的に）早すぎる＝稀であると思うこと、治療方法が確立していなかったり、情報が少ない、話せる相手がいない孤立などは、がんの受けとめ方や、心理的な側面への影響に大きく関わってくると思います。

大切な方のがんが分かったことを受けて、身近な方は患者を支えようと気丈に振る舞うことでしょう。でも、あなたも「第２の患者」として、心を大切にする時間をもつことは、長く不安な日々に向かう際に大切なことだと思います。

カウンセリングルームでは、患者様のメンタルケアはもちろん、ごかぞくにも、しばし伴走をさせていただきます。

一生でがんと診断されるのは2人に1人、と言われています。

2019年のデータでは、女性51.2％（2人に1人）、男性は 65.5%（2人に1人）です。



年齢と共に、がんに罹る人は増えますが、治療法も進化し、高齢化の影響もあり、がんで亡くなることは少なくなってきたということです。それでも、昔のイメージが色濃く残っているのか、がんというものは罹りたくないものとして、大変恐れられているように思います。



体調が悪く検査をしたら怪しいカゲがあった、精密検査をしてがんではないと分かった。それを聞いた人に「それはよかったね」と言われることにモヤつくひとがいます。不調は続いているのですから。



目の前に大きな脅威がある（と思う）とき、本当に大切にしたいことが見えなくなってしまうことはないでしょうか。

がんという診断を避けられればよかったのではなく、願うのは、不調の原因にあたりがついて、それを除去する治療が選択できること、そして不調が治ること。



一方で、働く世代のひとが不調はないのに、たまたま検査でカゲが発見されるとき。患者もかぞくも、何かの間違いであること、良性の何かであることを願って情報を集め、心の底から祈ります。

ひとたび診断が出てからも、受容までの道のりは長く、ショック、否認、驚きや怒り、恐れなど様々な感情が繰り返し襲ってきます。

患者はもちろん、患者を支えるかぞくも「第２の患者」と言われるほど、心理的な影響が大きいことが知られています。



平均寿命まで生きていたなら、高齢なら、がんに罹るひとも当たり前に増えてくるし、種類によっても進行が遅いとも聞きます。だったらよいのでしょうか。諦めがつく、ただそういうことなのでしょうか。



小児やAYA世代のがんの問題、希少がんの課題とも通じるかもしれませんが、（年齢的に）早すぎる＝稀であると思うこと、治療方法が確立していなかったり、情報が少ない、話せる相手がいない孤立などは、がんの受けとめ方や、心理的な側面への影響に大きく関わってくると思います。



大切な方のがんが分かったことを受けて、身近な方は患者を支えようと気丈に振る舞うことでしょう。でも、あなたも「第２の患者」として、心を大切にする時間をもつことは、長く不安な日々に向かう際に大切なことだと思います。

カウンセリングルームでは、患者様のメンタルケアはもちろん、ごかぞくにも、しばし伴走をさせていただきます。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

大切な方のがんが分かったとき

PRESIDENT Onlineの「「選択的シングル」の時代」という連載から、世界的にシングルを選ぶ人が急増している理由について、最近の記事 をご紹介しているblog（後半）です。

（前半）は、結婚 していても、年をとるにつれて孤独感が増すし、結婚していなかった人の方が孤独感が高いと思っていたら途中から逆転しちゃうよ、孤独を感じて、幸福じゃないと感じてしまう度合いがシニア期では増えるよというような内容でした（雑）。

結婚していることで感じる「孤独」は、年齢があがるにつれ増えていくんですって。その理由として、

・よくない関係　・退屈な関係　・社会的な孤立、などなどが挙げられていました。

孤独には、「社会的孤独」と「感情的孤独」というのがあって、パートナーがいることから「社会的孤独」が生じることがあると言います。

ーこれは、カウンセリングで出会う方々からも、友人からも、多くきかれる言葉です。パートナーがいるからこそ感じる孤独…また別の機会に書きたいと思います。

対照的にずっとシングルを選択してきているひとは、友人や仲間の人間関係で、孤独に対処する方法を身につけていると。

そして、「結婚のリスク」は、離婚や死別というリスクだけではなく、将来必ずシングルとして生きることに対しての準備ができなくなる、こともリスクなんだ、シングルの人生を選んだ人たちは、「突然ひとりぼっちになったという烙印に苦しむ」ことはないんだ、と。

ー結婚と同時に幸福の始まりを手に入れる感はあるでしょう。社会のシステムが、結婚するのが普通、結婚していればシニア期も安泰のようなイメージをふりまいてもいて、それすら若い頃は、想像することもないかもしれません。

また、突然ひとりになって親に、（配偶者の存在を埋めるように）依存されて、母娘関係に悩む女性も少なくありませんね。

結婚することに伴う「長期的リスク」は試算が難しく、短期的なメリット（幸福感）で、結婚に進んでいる人は多いと言います。一方で、結婚率の低下は、「長期のリスク」に気づいて、自分の人生の選択ができていることを表すのだろう、とも。

ーこれから結婚する人生に進むのか考えるひと、すでに結婚をしたひと、結婚の中で、孤独感を感じているひと。それぞれいらっしゃると思いますが、「パートナーなしで幸福に年をとるという選択肢からも、学ぶべきことがある」、この言葉には、ヒントが隠されているように感じました。

カウンセリングでは、「結婚」について考えるひと時にも伴走させていただいています。

PRESIDENT Onlineの「「選択的シングル」の時代」という連載から、世界的にシングルを選ぶ人が急増している理由について、最近の記事 をご紹介しているblog（後半）です。

（前半）は、結婚 していても、年をとるにつれて孤独感が増すし、結婚していなかった人の方が孤独感が高いと思っていたら途中から逆転しちゃうよ、孤独を感じて、幸福じゃないと感じてしまう度合いがシニア期では増えるよというような内容でした（雑）。



結婚していることで感じる「孤独」は、年齢があがるにつれ増えていくんですって。その理由として、

・よくない関係　・退屈な関係　・社会的な孤立、などなどが挙げられていました。

孤独には、「社会的孤独」と「感情的孤独」というのがあって、パートナーがいることから「社会的孤独」が生じることがあると言います。

ーこれは、カウンセリングで出会う方々からも、友人からも、多くきかれる言葉です。パートナーがいるからこそ感じる孤独…また別の機会に書きたいと思います。



対照的にずっとシングルを選択してきているひとは、友人や仲間の人間関係で、孤独に対処する方法を身につけていると。

そして、「結婚のリスク」は、離婚や死別というリスクだけではなく、将来必ずシングルとして生きることに対しての準備ができなくなる、こともリスクなんだ、シングルの人生を選んだ人たちは、「突然ひとりぼっちになったという烙印に苦しむ」ことはないんだ、と。



ー結婚と同時に幸福の始まりを手に入れる感はあるでしょう。社会のシステムが、結婚するのが普通、結婚していればシニア期も安泰のようなイメージをふりまいてもいて、それすら若い頃は、想像することもないかもしれません。

また、突然ひとりになって親に、（配偶者の存在を埋めるように）依存されて、母娘関係に悩む女性も少なくありませんね。



結婚することに伴う「長期的リスク」は試算が難しく、短期的なメリット（幸福感）で、結婚に進んでいる人は多いと言います。一方で、結婚率の低下は、「長期のリスク」に気づいて、自分の人生の選択ができていることを表すのだろう、とも。



ーこれから結婚する人生に進むのか考えるひと、すでに結婚をしたひと、結婚の中で、孤独感を感じているひと。それぞれいらっしゃると思いますが、「パートナーなしで幸福に年をとるという選択肢からも、学ぶべきことがある」、この言葉には、ヒントが隠されているように感じました。

カウンセリングでは、「結婚」について考えるひと時にも伴走させていただいています。



担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

結婚をしたことでの孤独（後半）

PRESIDENT Onlineの「「選択的シングル」の時代」という連載がを、時々読んでいます。

最近の記事では、世界的にシングルを選ぶ人が急増している理由について、イスラエルの社会学者の本を再編集していました。

最近、なぜ結婚する/したのかとか、「結婚している孤独（感）を訴える方と話す機会や、高齢の妻が一人になった辛さを伺うことが増えているためか、「結婚と孤独」というテーマが目に飛び込んできたのです。

今日は、記事の概要をご紹介してきます。

冒頭、「あらゆる年齢層のすべての人々にとって、さまざまなシチュエーションにおいて、（中略）結婚が平均的に見てすぐれた解決策かどうか」という問題提起から始まります。

そして、65歳以上のシニアの「年齢と結婚しているかどうかの違いによる孤独の程度」というグラフを示し、むしろ結婚はシニアの生活を孤独にすると述べるのでした。

ー私が社会福祉士の勉強をしていた頃、「高齢者は幸福度が高い」という頻出知識には希望を感じていたのですが、結婚という因子を含めてみると、別の側面があるのかもしれません。

データは「結婚というソリューション」を人生で選択した人たちの方が、選択しなかった人たちよりも、78歳で孤独感が大きくなる、と語っています。さらに、離婚や配偶者に先立たれるということが、孤独感や幸福（ではない）感に大きな影響を与えていることが見えてきます。

因みに孤独感を下げることと幸福感を上げることには、強い相関関係があるとのことです。

そうして、次の「結婚は例外なく悲劇的な終わり方を迎える」という小見出しでは、「結婚は以下の3種類の（中略）終わり方のどれかを迎える。離婚する、配偶者が先に死亡する、そして、自分が死亡する、のいずれかだ」という現実を突き付けてくるのでした。

ー日常意識することのないシビアな事実。結婚を決めるひと、したばかりのひとは、このような文章なんて、目にもとまらないのだろうと思いますが。

「幸福な人たちほど、そうでない人たちよりも結婚を決意しやすい」のなら、幸福なときに「結婚はリスク・グループに入ることなんだ、などという言葉も、頭に浮かばないでしょう。

そして、元々幸福感が高い人たちが結婚するので、いい時に幸福感が増して（孤独感が下がって）いても、アップダウンの差は、人生で結婚していない人と大差ない、結婚は短期的な幸福でしかない、という話になっていきます。

ー因みに、私はパートナーはいますが婚姻制度を利用していません。ですので、厳密には結婚していないのですが、この文章の中で言う、結婚をした立場で、複雑な気持ちでこの文章を読んでいきました。

後半では、結婚していることで感じる「孤独」は、年齢があがるにつれ増えていくことを述べていきます。（後半のBlogに続きます）

PRESIDENT Onlineの「「選択的シングル」の時代」という連載がを、時々読んでいます。

最近の記事では、世界的にシングルを選ぶ人が急増している理由について、イスラエルの社会学者の本を再編集していました。

最近、なぜ結婚する/したのかとか、「結婚している孤独（感）を訴える方と話す機会や、高齢の妻が一人になった辛さを伺うことが増えているためか、「結婚と孤独」というテーマが目に飛び込んできたのです。

今日は、記事の概要をご紹介してきます。

ー

冒頭、「あらゆる年齢層のすべての人々にとって、さまざまなシチュエーションにおいて、（中略）結婚が平均的に見てすぐれた解決策かどうか」という問題提起から始まります。

そして、65歳以上のシニアの「年齢と結婚しているかどうかの違いによる孤独の程度」というグラフを示し、むしろ結婚はシニアの生活を孤独にすると述べるのでした。

ー私が社会福祉士の勉強をしていた頃、「高齢者は幸福度が高い」という頻出知識には希望を感じていたのですが、結婚という因子を含めてみると、別の側面があるのかもしれません。

データは「結婚というソリューション」を人生で選択した人たちの方が、選択しなかった人たちよりも、78歳で孤独感が大きくなる、と語っています。さらに、離婚や配偶者に先立たれるということが、孤独感や幸福（ではない）感に大きな影響を与えていることが見えてきます。

因みに孤独感を下げることと幸福感を上げることには、強い相関関係があるとのことです。

そうして、次の「結婚は例外なく悲劇的な終わり方を迎える」という小見出しでは、「結婚は以下の3種類の（中略）終わり方のどれかを迎える。離婚する、配偶者が先に死亡する、そして、自分が死亡する、のいずれかだ」という現実を突き付けてくるのでした。

ー日常意識することのないシビアな事実。結婚を決めるひと、したばかりのひとは、このような文章なんて、目にもとまらないのだろうと思いますが。



「幸福な人たちほど、そうでない人たちよりも結婚を決意しやすい」のなら、幸福なときに「結婚はリスク・グループに入ることなんだ、などという言葉も、頭に浮かばないでしょう。

そして、元々幸福感が高い人たちが結婚するので、いい時に幸福感が増して（孤独感が下がって）いても、アップダウンの差は、人生で結婚していない人と大差ない、結婚は短期的な幸福でしかない、という話になっていきます。



ー因みに、私はパートナーはいますが婚姻制度を利用していません。ですので、厳密には結婚していないのですが、この文章の中で言う、結婚をした立場で、複雑な気持ちでこの文章を読んでいきました。

後半では、結婚していることで感じる「孤独」は、年齢があがるにつれ増えていくことを述べていきます。（後半のBlogに続きます）

担当カウンセラー　はとがい（臨床心理士・公認心理師・社会福祉士）

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