2017年3月16日
これは、5歳8か月、娘「sakura」の絵です。
実は、この頃の女の子のほとんどは、画用紙にまず、地平線をさ~っと引いて、
地面にお花、
女の子(目がきらきらしていることも多い)、
おうち、
雲、
太陽(その他、ハートや星)
を配置。
うんうん、よくありがちな絵よね♪ というのを描きます。
本当にみ~んな、この時期は、地平線・お家・女の子・お花 を描くのですよね。不思議です。
けれど、大人の絵の描き方を教えずに「気づき」「みたて」の声掛けを実践して育ててきた娘は、5~6才の時期、ほとんどそういう絵は描きませんでした。
ほとんどの子は、
だいたい、お花は、大人が教えちゃったような、よくある形の、チューリップだったり、
漫画に影響されたような、キラキラおめめに、くるんと長い髪、
太陽は、赤で、丸の周りにぴっぴっと、線を引いただけで、色は塗られていなかったり・・・(笑)
まるでパターン化されたものを覚えて描いたように、みんなよく似た絵を描いてしまうのは、
ちょっと残念。
いやいや、めちゃくちゃ残念。
「誰!?こんな大人の漫画のような絵を教えてしまったのは~~~!」
と言いたくなってしまいます笑
けれど、もちろん、こういう絵が 「悪い」 というのではありませんのでご安心ください 笑
4~5歳くらいになると、幼稚園の環境にも慣れてきて、
今まで じぶん・お母さん にしか向けられていなかった意識が、外に向けられるようになります。
世界が、ぱ~っと広がり、
客観的にものごとを見ることができるようになるので、
「お顔」ではなく、「空間」を描くことができるように(描きたく)なるのです。
なので、地平線に、お家、自分、お花 を描くのは自然なこと。
そして、この時期は、だんだん、
「人から良く思われたい。」
「○○ちゃんみたいになりたいな」
など、自分と他人を比べて、意識し始める時期でもあります。
自信がない子ほど、
お友達が描いていた絵を見ていいな、と思ったり、
その絵を大人が褒めているのを見たりすると、
真似っこしたくなります。
お子さんが、お友達に影響され、そのまんま真似っこばかりしている場合、
その真似っこから、さらに広がりを持たせてあげるような声掛けが重要になってきます。
「素敵!」と思ったら真似することができるようになる、のは素晴らしいことだと思います。
だからこそ、「素敵!」と思えるものをいっぱい見て、体験させてあげ、ヒントを与えて、
ものをみる力を養い、世界観を広げてあげるのがこの時期に大切な事。
「人と同じがいい」のではなく、「人と違うってことはこんなにすばらしい」ということに気付くと、
もっと自信を持て、絵が変わってくるだけでなく、お子さん自身も変わってきます。
娘の場合は、真似っこされるのが嫌だと思っていたようでしたので、
「真似っこされることは、すごいいいことなんだよ!
sakuraちゃんの絵がすごい!って認められているんだよ。
でも、真似っこできないくらい、もっとすごいのを考えて描いてみたら?」
と、わたしは声掛けしていました。
娘は、女の子のドレスを、
お友達が考えないような、模様を考えてみたり、オリジナルをどんどん生み出し、わたしもびっくりなデザイン力も自然と身についていった時期でもありました。
では、真似っこしてしまう、お子さんには、どんな声掛けをすればいいのでしょう。
さて、
チューリップは、本当はどんな形をしているのか、お子さんは知っているでしょうか。
春になって、地面の球根から芽が出て来て、青いつぼみがいつの間にか色づいて、
花びらになって、少しずつ開いて・・・
そんなチューリップを知っているでしょうか。
ギザギザのチューリップの絵しか知らないお子さんには、
まずは、チューリップを知るところからはじめてみてください。
一緒に球根を植えて、(sakuraは植木鉢にもお絵かきして、チューリップに名前もつけました)
芽がでるのを心待ちにして、毎日お水をあげ、一緒に観察しましょう。
お花が咲いたら、
「花びらは何枚あるのかな。」
「中はどうなってるのかな?」
「中心の黄色い軸はなんていう名前なのかな?」
「はっぱはどんな形なのかな?」
「今まで描いていた絵と実は全然違ったんだね~」
そんな会話をゆっくり楽しんでみてください。
大好きな子どもと、じっくりゆっくり、自然を観察できるくらい、
ゆ~っくり親子の時間が流れている時期って、実は幼少期だけなのかもしれません。
そんな時間もないわ!と思っているお母さん!
お子さんとの時間を見直してみて!
だって、小学生になると、もっともっと親子の時間ってなくなっちゃうんです。
大好きなお母さんと一緒に、
ひとつの球根が、ぐんぐん育っていくのを目の当たりにした子は、そのチューリップの感動を、絵に表現したくなるはず。
「どんな色のチューリップがあったら素敵かな?」
「咲いているのはチューリップだけ?もっといろんなお花があったら素敵だね。」
「お花をいっぱい描いたらちょうちょがとんできたね!」
などなど、ひとつのお花を描くだけでなく、ひとつのお花からどんどんお話を広げていきます。
そう、想像力を広げるのです。
ひとつの絵からさらに想像に広がりを持たせるような声掛けをしようにも、
実体験なくしてはできません。
チューリップや、ちょうちょの本物を見たことがない子が教えられた絵以外描けるはずもありませんよね。
本物と、想像との「関連付け」の経験はとっても大切です。
お花は、花びらひとつじっくりみてみても、決して同じ色1色ではありません。
少し茶色くなったところ、少し黄色っぽいところ・・・
どれだけたくさんの色をお子さんが発見できるようになるか、
そして、それをみつけて、表現できるようになるか、
その「気づき」をまわりの大人がサポートしてあげることで、お子さんの表現力はぐんぐん伸びます!
決して大人の絵の描き方を教えないでください。
お子さんの想像力はそこでストップしてしまいます。
おひさまは、赤!と決めてしまっている子もたくさんいます。
クレヨンの赤がない!っていうんですよ!
おひさまは本当は「赤」なのかな?
実際見たら目がダメになっちゃうので、お水に写したり、写真を見せたり、
絵画を見せたりしてもいいですね。
本当のおひさまは、大人がよく描いてみせちゃうような、マルに毛が生えたようなものではないことに気付き、わたしたちにはかけがえのない、大きな存在であることに気付きます。
あったかい色をい~っぱい混ぜて、まぶしいおひさまをイメージしてみたり、
キラキラ輝かせるために、ラメのりを塗ったりしてもおもしろいですね。
ハピネスキッズアートに小さなころから来ている子は、
たくさんのクレヨンの色を混ぜて、とってもきれいな太陽を描いてくれるんですよ♪
女の子を描いていたら、
「この女の子はだあれ?」 と聞いてみてください。
お洋服はこんな模様だったらかわいね。
髪の毛はどんな風にはえてるかな。
まゆげはあるかな?お耳はあるかな?
どんなお洋服を着たらかわいいかな。
どんな靴をはかそうか。
意外と、お母さんに言われて、「あ、そっか~♡」 なんて発見があるもので、
お母さんが気づいて、声かけしてあげるだけでも、全然違った絵が描けるようになると思いますし、
「こんな風に描きたい」と思うだけで、
ものの存在を意識して、描きたいイメージをふくらませ、じっくり観察できるようにもなってきます。
観察力がつくということは、いろんなことに興味を持てるようになるということ。
それが、感性を豊かにするということです。
ぜひ、親子で、いろんなことにわくわくしてみてください。
そしてそのわくわくをぜひ、絵で表現してみてくださいね。
きっと、お子さんの絵は、全然違ったものになります。
ハピネスキッズアート(atelier happiness bird OKAMOTO)では、いつも15分のクレヨンタイムで、魅力的な絵が描けるような声掛けの仕方をお伝えしています。
ぜひ親子でお絵かきしに来てくださいね♪