【本分野の活動の概要】
我々、健康増進スポーツ医学分野では、生活習慣病の予防、動脈硬化性疾患の治療、高齢者の体力の維持のための運動に関する運動生理学的研究、および、社会医学講座として他に類を見ない心臓リハビリテーションセンターの分担を主な活動としています。
【研究活動】
運動生理学的研究では、磁気共鳴分光法、近赤外分光法、超音波ドップラー法などの非侵襲的測定評価法を用いて、運動による骨格筋のエネルギー代謝、組織酸素動態、末梢循環動態の変化に関する研究を行っています。これらの研究から得られた成果は生活習慣病の予防や心臓リハビリテーションのための効果的な運動方法の開発に生かされています。 最近では、ヒト褐色脂肪組織の測定を行っており、生活習慣病の予防に有益とされる褐色脂肪組織を増やす方法について検討しています。
【教育】
医学教育では、社会医学領域の講義・臨床実習に加え、「自主研究」ではスポーツ医学研究の基本を、また、国内の医学部の中でもユニークな、運動による生体の変化、健康維持・増進における運動の有益性などの理解を目的とした、「運動医学」の講義を行っています。 また、WHOを中心とした国際協力による、身体活動レベルの国際比較を目的とした国際標準化身体活動質問表(IPAQ)の開発にも参加し、現在、この質問表は世界各国で使用されています。 今後もより包括的な予防医学の研究および実践を目指した活動を継続してゆきます。