2017年7月02日
現在上映中の『かみさまとのやくそく〜あなたは親を選んで生まれてきた〜』の監督、荻久保則男さんと、出演者・羽生すみれちゃんの舞台挨拶が、先日7月1日(土)の作品上映後に行われました。(※司会進行はシネマチュプキ代表の平塚です。会話内では「-」で省略させていただきました。)
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荻久保監督(以下、監):
朝早くからお越し頂きましてありがとうございます。
チュプキで映画に音声ガイドつけていただいて初めて上映した時に、感極まって泣いてしまいました。お母さんが赤ちゃんを抱っこしている状態で、映画の台詞に集中できない時に画面の字幕を見てもらえる。またお客様で、耳の遠い方や聴覚障碍の方もたくさんいらっしゃる。上映中に赤ちゃんが騒いだら親子鑑賞室でも観てもらえるようになってるし、この映画のメッセージをたくさんの方に受け止めて欲しいという想いがあったので、こうしたユニバーサルシアターで上映していただけることが本当に嬉しいです。ありがとうございます。
羽生すみれさん(以下、す):
羽生すみれです。お越しいただきましてありがとうございます。
監:
すみれさんにはまず会場の「場の調律」をしていただくようにしています。というのは、映画観た後で皆さんがご自身と向き合っていて気持ちがとても高くなっている状態ですから、その高くなってる気持ちがひとつになると、心が豊かになるのではということで、会場の気の調整を行います。
す:
目をつぶってください。
(会場のお客様しばし目を瞑る)
す:
はい、目を開けてください。
監:
ありがとうございます。さっきよりちょっと何か明るくなったように感じます。
-すみれちゃんは、今おいくつですか?
す:
はい。小学5年生で早生まれなので10歳です。
-「すみれちゃん」というより「すみれ様」という感じですけれども(笑)皆さんは今日いっぱいご質問されたいことがあると思います。こういうこじんまりとしたシアターですのでお客様との交流を大事にしたいなと思っています。お時間目一杯、聞きたいことのある方はご遠慮なくどうぞ。
女性客A:
はじめまして。質問が二つあります。まずは、お母さんから生まれてきてお家で寝てるときに「お母さんもつらいけれども、赤ちゃんもつらい」とありましたよね?例えばママが赤ちゃんのそういった言葉を聞くにはどうしてあげたらいいのか教えていただけますでしょうか?
す:
うーん。赤ちゃんの立場だったら動きで表現する子が多いかな。指をさしたりとか、あっち行きたいとか、これ食べたいとか。
-例えばどんなことが赤ちゃんだと辛いですか?
す:
お母さんお父さんとかに自分が言いたいことがわかってもらえないのが一番嫌という場合が多いです。
-そうするとやっぱり赤ちゃんがハッピーなのは、自分の言いたい思いがパパやママに分かってもらえるっていうことですかね?
す:
はい。あとお母さんとお父さんが笑っているということが一番だと思います!
女性客A:
2つ目の質問です。すみれちゃんがママのお腹にいた時に、ママがちょっと病気がちだったと。お母さんの声がなかなか直接聞けないって言っていて、神様が通訳してくれたと。それは一体どんなことを教えてくれたんですか?
す:
何かお母さんとお父さん、お兄ちゃんとかが言ってることをそのまま伝えてくれた感じです。
-そのとき、すみれちゃんは神様と何かお話するんですか?
す:
します。遊んだりとか。
監:
どんなふうに遊んでるんですか?
す:
なんか色々です。赤ちゃんでそれぞれ遊びかたが違うので…まわりに何もないわけだから、へその緒で遊んだりとか(笑)
-すみれちゃんが聞きにくかったっていう時に神様が一つ一つ教えてくれたんですね。どうもありがとうございました。
女性客B:
今日はありがとうございます。私は今赤ちゃんができる…つまり待っている状態なんですが、その時にどういう状態で待っていると赤ちゃんはお母さんを選びたくなるのかなっていうのをぜひ聞きたいと思いました。
す:
えーっと、何ていうのかな…赤ちゃんがお母さんになかなか入らない理由はお母さんの調子が悪かったりとか、赤ちゃんが入っちゃうとお母さんが痛いとか、そういう理由で入らないことが多くて、それがなくなったら入ると思うんですけど…どういうことをすればいいかな…温めるのが一番かな。
-すごく熱いってわけじゃなくて、お風呂の温度とかそういう感じで温めると良いということですか?
す:
はい。
監:
食べ物はもっと大事ですか?
す:
大事なんですけど、健康なのものを食べるのが好きだったらいいけど、そういったものでもストレスとか何かのためと思って食べちゃうと、赤ちゃん入れなくなっちゃうから…。
-ほどほどにという感じですか。
す:
はい。
監:
あと、すみれさんが前おっしゃってた話で、生まれる前の赤ちゃんはみんな鏡を見てるというのがありました。その話をね、せっかくだからお話いただけますか?
す:
映画であったように、赤ちゃん一人一人に鏡があって、その鏡でお母さんを決めるんですけど、それで「決めた!」って言ってすぐそのお母さんの中に入れるわけじゃなくて、神様に「このお母さんのところに行きたいんです」と伝えて、神様が「いいよ」って言われたら行っていいんですけど、その前にいろんな準備…お母さんの中に入れる状態に自分もしとかないといけない…という感じです。
女性客B:
なるほど。では、そういう準備というのは、お母さんが普段の生活を気をつけることと、あとは体を温めたり、体調を整えたりするということですね。気持ちの部分はどうでしょうか?例えば、赤ちゃんを待つことに焦ってしまって…苦しくなってる人が私の友達とか結構いるんですけど…。
す:
焦っちゃうとそれがストレスになっちゃって…ためちゃうとまた赤ちゃんが入れなくなっちゃうから…何か「いつでもおいで」っていう気持ちでていた方がいいかな。
女性客B:
分かりました。ありがとうございました。
-赤ちゃんの方の準備っていうのはどんなことなんですか?
す:
さっきの神様の通訳の話で、その神様とかと一緒にお腹の中に入るんですね。それで一緒に入る神様たちが決めるっていう準備とか。「一緒に来てください」と伝えて「いいですよ」って言われたら、一緒に行くっていうのだったりとか、あと魂のからだを…何ていうのかな。浄化して入れる状態にしておくっていう。そのような準備がいろいろあります。
-人生計画はやはり決めてから来るんでしょうか?
す:
はい。でも、何かすぐ行きたいから「もういいやーお腹の中で決めちゃえー!」っていう子もいるんです(笑)
-ノープランで入れちゃってお腹の中で慌てて決める子も居ると。面白いですねー(笑)
監:
だから神様も一緒にお腹にいるんです。
-はい。すいません。興味本位で。(笑)ほかに質問したい方いらっしゃいますか?
女性客C:
はじめまして。今日は妹を誘って観に来ました。お母さんを選んで生まれてくるってのは、男の子の兄弟や姉妹も、上で相談して同じお母さんを選ぼうということが多いんですか?
す:
一生を約束して生まれてくる子は半分半分ぐらい。約束をしてくる子もいるけど していない子もいる。私はお兄ちゃんがいるんですけど、約束してないですね(笑)
女性客C:
あともう一つ。先ほどの会話で、お母さんの中に天使さんとか、神様と一緒に入って、で、すみれちゃんとかが生まれたんですけど、そしたらその天使さんや神様はまた元に帰っちゃうんですか?それとも近くで見守ってくれてるんですか?
す:
ずっと一緒にいる場合もあります。でも帰っちゃう時もあります。
監:
前聞いた話で、亡くなる時に「帰ってくるからね」って言って見えなくなったっていうのがあるんですけど、そういうこともあるんですか。
す:
はい。見守ってはいます。
女性客C:
ありがとうございました。
-ほかに、はい。
男性客A:
今僕は子供が3人いて、3人とも男なんですけど、3番目の男の子が生まれる前には「女の子欲しいな」っていう気持ちがあって妻と話してたんですけど、そういった男の子とか女の子とかっていうのは、神様と相談して、欲しいと思ってるお母さんとこに行くのか、それとも全然別にランダムに行くのか、その辺ちょっと知りたいなと思いました。
す:
なんていうのかな。上で、性別とかを先に決める子もいるんですけど、お腹の中で決める子もいます。あとはお母さんとお父さんがどちらが生まれたら嬉しいかなーって言ったりとか、あと赤ちゃんの意志の強さとかありますねー。
監:
お兄ちゃんが男の子だから僕も男の子になろう!ってこともあるんですか?
す:
そういうのもあります。なんか、「あのお兄ちゃんがかっこよく見えた!だから自分もそうなりたいから」みたいな子もいます。
男性客A:
ありがとうございます。そのように思うようにします(笑)
-はい。他にどうぞ。
男性客B:
お母さんのお腹にいるときに、親が喧嘩したり悲しい思いをしたりすると子はやっぱり嫌な思いをしますか?
す:はい。ありますねー。あとお腹の色が変わることもあります。お母さんとかが泣いてて悲しくなってたりすると、青ざめた色になったり、あとイライラして怒鳴ったりするともう何ていうのかな、ドーンとした赤とか、そういう色に変わったりします。
女性客D:
私は生まれつき耳が聞こえないんですけど、私は自分でこの状態を選んで生まれてきたんでしょうか?教えてください。
す:
障碍を持って生まれてくる人は、そう決めて来る人と決めてない人が半分半分ぐらいいます。
監:
ただ、ご自身の人生だから、事前に覚悟というか、そういう選択をするっていうことはあるんでしょうけど、例えば災害が起こったり、戦争が起こったりということは自分の意思で決められないですよね。でもその場合でもその人はその経験に自分の意思というか、責任というか、そういうものを事前に持つものなのでしょうか。
す:はい。
女性客D:
答えてくださって。大変ありがとうございました。
-最後にはいどうぞ。
男性客B:
先日拝見したすみれちゃんのブログで、「自分の心の声や魂の声を聞いたほうがいい」というお話があったんですが、そのようなものをどうやったら感じるようにになるでしょうか。
す:
聞けるっていうか、みんな本当はわかってるんだけど、それを避けているというか、それが今はやっちゃだめだみたいな我慢をしているというのがあります。
男性客B:
例えばですけど「雨降ってて学校行きたくねぇな」って言うのも心の声ですかね。
す:
はい(笑)
(会場爆笑)
監:
その声を聞いてあげるだけですね。学校行きたくないという気持ちを「ダメだダメだ」でなくていいってことですか。行きたくないんだねということが分かったということです(笑)
す:
はい(笑)
-終わりにしたくないという雰囲気がひしひしと伝わるんですが、今世界を見るとテロが起きてたりとかいろんなことがあるでしょう。ニュースなんか見てると暗いニュースも多いし、今日は最後にすみれちゃんから何か私たちに何かメッセージをいただいてもいいですか?
す:
うーん。一番知ってほしいことは、笑っていてほしいというのが一番だと思います。無理して笑ってる笑顔じゃなくて、もう何か泣きたい時は泣いて、笑いたい時は存分に笑ってということをして欲しいかなと思います。
-そうですね、心から笑ってればね戦争なんか起きないもんね!はい。どうもありがとうございました!
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今月は7/17(海の日)にも上映後に羽生すみれさんのトークショーを予定しております。荻久保則男監督、羽生すみれちゃん、ハードスケジュールの中、他では聴く事ができない色々なお話をどうもありがとうございました。