6月19日〜7月13日まで、様々な視点から沖縄に触れ、近づいてゆく作品を4本上映しています。
https://chupki.jpn.org/archives/7771


6月23日水曜、慰霊の日。 

『沖縄うりずんの雨 改訂版』上映後、ジャン・ユンカーマン監督をお招きし、お話を伺いました。
進行はシネマ・チュプキ・タバタの平塚と宮城です。


ジャン・ユンカーマン監督）※以下：監督）

最近は上映の機会が少なく、今回は感謝しております。
今日は慰霊の日なので、慰霊の日の思い出を一つ語りたいと思います。
僕たちはこの映画のために慰霊の日の撮影をした。朝早くから、日の出のところから撮ったんですね
平和祈念公園の設計が、慰霊の日朝日が出てくるとちょうど平和の火の裏から出てくるという設計になっている。

 平和祈念公園の中をあちこち撮影して、そのあと糸満の玉城洋子さんのラジオ番組放送を撮影して、そのあと夕方は読谷まで行って、チビチリガマがある、波平という町の慰霊際を撮影しました。

すごく印象に残ったのは、南から北へ行くときに各部落で慰霊祭をやっていたんです。
というのは、島の真ん中から南の方は全部戦場だったということがあり、各部落に犠牲が出ていたということなんですね。それほどの規模が、沖縄戦です。

◯映画制作のいきさつについて 

監督）映画を作ろうというのは大分遡るんですけど、1975年大学を卒業して、日本に来て半年くらいは沖縄にいました。75年というとベトナム戦争が終わった年なんです。だけど、ベトナム戦争の雰囲気が沖縄にまだ残っていた。米兵が多くいて、今と同じくらいの規模の基地があった。

僕はアメリカ人で、ベトナム戦争に反対していたし、アメリカの海外での基地もないほうがいいとずっと思っていたので沖縄を見てすごくびっくりした。復帰後なのに、まだ占領が続いている。

これは許しがたいなと思い、長い間、アメリカの人たちに訴えたいなと思っていた。

しかし残念ながらアメリカは海外に800もの基地を持っており、沖縄に関心がないんです。だからなかなかできなかった。

1990年に「老人と海」という与那国島を舞台にしたカジキマグロと漁師の話を撮ったんですけど、90年というと冷戦が終わった年なんですね。ベトナム戦争が終わって、冷戦が終わって、基地がなくなるんじゃないかと期待していた。

日本に戻り、2005年ごろからこの映画を考え出したのだが、戦争から60年経ったのに、まだそのまま基地が残っていることが許しがたいなと思い、この映画を作りました。

◯アメリカでの上映。映画のタイトルについて

 司会／宮城）この映画をアメリカでも上映したということですが、映画では沖縄がどこにあるのかわからないという人もいた。上映してどのような反応がありましたか。また「うりずんの雨」というタイトルをどのように伝えましたか？ 

監督）映画を作るときから、日本だけでなく、アメリカでも公開したいと思っていた。少し編集し直して、アメリカ人は短気だから、２時間半の映画は見きれない、まあそれでも２時間になってしまって、長いのだが（笑）

沖縄の今の現状についてインタビューを足して作った。
どういうタイトルにしようかなとなったが、うりずんの雨は編集の途中短歌があって「うりずんの雨は血の雨、涙雨、礎の魂を呼び起こす雨」という、綺麗な季節であるし、希望を感じられるようなタイトルになっている。

あまり沖縄だと暗い話にしたくない、勇気づけられるような話でもあり、希望のあるものにした。
アメリカの方では逆に沖縄の厳しい歴史を感じさせるようなタイトルにしたかったんです。

途中で資料映像がたっぷり８０時間くらいある資料映像を手にいれ、それを編集室に篭って見ていた。そのあとアメリカに帰ったのだが、夢にも見ていたのが火炎放射器です。

 沖縄戦の後半になるとその武器ばっかり使っていたんです。どこ行っても使ってて、島の90％が燃やされた。だから火が入ってるタイトルにしようと思った。

それで思いついたのが「Afterburn」という言葉なんです。

そういう言葉が存在しているのか疑問だったのだが、次の日に調べて、ちゃんとある言葉だった。ひとつは単純な言葉で辛いものを食べたときに喉に残る辛い、なんですが、もう一つが心理学の中で使われる言葉。トラウマを経験したときに、そのトラウマを消化しない限りはそれはどんどんと深くなっていく。
PTSDとちょっと違うんですけど、それが解消しない限りはもっと深刻になっていくということなんです。

それを知ったときに、これは沖縄の現状にぴったりだと思った。沖縄戦という悲劇と、トラウマがあって、だけど沖縄の米軍の占領によってまだ基地がある、まだ戦争と繋がっているということ。

その沖縄戦のトラウマを忘れていくということができなくなる。

アメリカで30箇所くらい上映会を開いてまわった。
やっぱり多くの人がこのことを知らなかった。アメリカの中で問題として取り上げてもらえないからなんです。残念ながら、この映画に英語版ができてアメリカで公開するのが2016年の11月だったの。この時何が起こったか覚えているとおもいますが、ドナルド・トランプが大統領選に勝ったときだったんです。そのなかでアメリカの平和運動やっているひとたちはショックを受けて、ちゃんとこの映画を取り上げて運動にすることができなかった。しかしある程度は話題になったので、これから軍隊に入って、沖縄に送られる兵士がたまたま(映画に)出会うことがあればと思います。 

司会／平塚）ジャンさんがアメリカ人だからこそ、アメリカ人の証言をたくさん聞くことができていて、どちらが加害者、被害者ってはっきり区別できないような。米兵だって、凄まじい状況にあるから、その人たちも犠牲者の一人だなと思わされる部分もありました。そもそも歴史もペリー来航からだったんだなとか、沖縄の歴史をちゃんと学ぶ機会を持てていなかったので勉強になりました。

◯教えられていない沖縄戦、教育について 

司会）お客様のなかで、質問感想ある方どうですか？ 

お客様A）本土に住んでいて、年齢が60近いが何も教えられなかったなと。アメリカの人もこんなに外国にたくさん基地があったり、沖縄というところで異常な事態になっていること、私は全く教えられてなく、知らない人もいる。興味のない人、一生知らないで終わる人もいると聞いたが、教育というのは責任も重いが、無責任だなと。アメリカでの公教育でも教えられてないのでしょうか。

監督）そうですね。教えられてないということと、アメリカ人が基地のことを聞く、考えるとき、基地を持つべきだと思い込んでるんですね。教えないともあるし、ゆがんだこと、間違ったことを教えるということもある。映画の中ではそういうことを、戦利品として基地を表現しているんですけれど、アメリカの凄く困ったところは、世界中どこにでも基地を持つということが民主主義とか平和のためと教えられている。そういうことがずっと続いてる。 

冷戦が終わり、ソビエトという敵がいなくなっても、別の敵を見つけて、北朝鮮とかイランとか色んなところに敵を見つけてそれは軍事力が必要だと国民に教えている。

僕がとても残念だと思うのは、平和憲法を持つ日本が、それに協力しているということ。

同じように、沖縄でまた新しい基地をあちこち作っていること。「老人と海」の舞台になった与那国島でも基地を作ったりしている。なんのため？日本を守るため？日本を攻めてくる敵なんていないんですよ。そういうことを考えるべきだと思う。

僕は75年ベトナム戦争が終わったときには、2度とああいう戦争はやらないだろうと思ったんですけど甘かったですね。アフガン、イラクで同じような戦争をやって。なんにも変わってない。なんの成果もない。

軍事力をもって国際問題を解決することはできないということなんですけど、やっぱりそれが必要だという教育が続いているのが残念。 

映画を作ったのは沖縄から沖縄の例を見て、歴史を見て、それが小宇宙の形で世界中のアメリカの800もある基地の、同じような話ができるということなんです。

◯現状について思うこと、次回作について

お客様B）ありがとうございます。これだけ色んなことを系統だてて見せてくださって、東京に住んでる者として恥ずかしいやら・・・。この映画撮られてから時間が経ち、現状を含めた次回作を期待してしまうのですが。 

監督）そうですね・・・。次の映画を作るための条件が揃ってないのですが、ひとつは滋賀県にある古民家を解体して、アメリカのボストンに移築するという話がある。それを去年から撮影しているが今コロナで中断している。ボストンに持って行って、日本の文化センターになるという話なんです。 

現状については、この映画公開したのが2015年です。もう6年前なんですけど、当時は毎月のように国会を囲んでデモがあり、新基地反対運動が盛り上がっていたころなんです。あの頃に本土にいる人たちが沖縄を意識して反対となるんじゃないかと期待していたし、実際反対運動は起きて、沖縄を応援していた人たちが大勢いたのだが、安倍政権も菅政権もそれを完全に無視した。
沖縄県民による投票もあって、辺野古の基地を反対しているというのに、日本の政府は聞く耳がない。
本当に残念ですけどね。
基地が必要なのか、政府はちゃんとした理由が説明できていないんですね。

アメリカの国防庁官も、辺野古の新基地がなくても十分アメリカの軍事的な役目は果たせると言っているのに、それでも建設を続けるということが本当に残念なこと。これがいつまで続くのか、戦争が終わって76年経ってもまだ続いてる。あと75年続くものかと。悲しい話です。

◯「知りたい、伝えたい沖縄」上映にあたって

 司会／宮城）これまでニュースや話題の中で「戦後70年」とか、戦争が終わったように使われる事に違和感を感じていた。沖縄を含め、基地が有る限り直接日本が戦いに行く事がなくても、基地を拠点にあちこちで戦争は起きている。平和な日本と言われるけれども、明らかに戦争に加担しているし、直接自分たちの手を汚さず、血は流れなくても、でも相手の血は流れているということがずっと引っかかっていた。「うりずんの雨」は戦争は続いているということが凄く印象づけられた映画。それをお客様にも伝えていきたいという思いがある。

翁長知事が亡くなり、民意が無視されたまま進む辺野古の状況だがニュースも以前より小さくなっている気がする。チュプキとして沖縄を伝える時、どのように伝えるかとても悩みました。
基地を生活とし、次の世代も生まれている中で、簡単に基地反対とうわべだけで言うことはできないと。

その中で、「うりずんの雨」は現在に繋がる沖縄の歴史や、日米両兵士、戦争を経験した方へのインタビューなどアメリカ人である監督だからこそ伝えられる視点が描かれていた。
今回4つの映画を上映するが、どこから沖縄を知ろう？というとき、映画から様々な視点で見る機会になれば、と思っています。

しかしながら沖縄のこと、政治のことを日常的に話しにくいと感じている。コロナもあって人が言葉を交わしていくことがよりしづらい。監督はどう思われますか？

監督）沖縄の話でいうと、沖縄についての映画が増えているのはとてもいいこと。
この間観たのは「生きろ　島田叡　戦中最後の沖縄県知事」という映画。だんだんと歴史に穴が空いているところを埋めていくという意味がある。もっと深く沖縄を知ることができるようになってきているんだと思う。

観光で行く人が増えているのは、沖縄を愛する人が増えるということ。それがいずれは沖縄の平和につながっていくことを期待している。なかなか話がしづらいのは、難しいことに直面している。そういう中で頑張るしかないですね。

◯レイプ加害者へのインタビューについて 

お客様C）ありがとうございました。日本で生まれ育ったのに知らないことがたくさんあって、今回も知らないことばかり。アメリカ人のジャンさんがこういう映画を作ってくれたというのはすごく大きな意味があると思う。印象に残ったことの１つが、レイプをした３人の兵士、加害者の一人がすごく率直に語っていて、言いづらいこともまっすぐ言ってらして、もちろん加害者なんだけれども私には被害者にも見えたんですね。カメラが回っているところで、まっすぐしゃべれるってすごいことだと思ったのですが。

監督）この映画を作ろうと思った時からできるだけ両側の視点から取り上げたいと思っていた。沖縄戦で戦った元米兵、元日本兵、沖縄のひとたちもみんなの話を聞くということで、戦争というものが、みんなが戦争の被害者だということがわかるようになるんですね。レイプに関しても同じようにしようと。映画の最初に撮ったのが、ロドリゴ・ハープだったんです。時間をかけて彼に接触し、手紙を書いてインタビューを依頼した。手紙が届くまでは何ヶ月もかかったんですが、受け取ったらすぐにOKが出たんです。

というのは、自分でも責任を取りたいという気持ちが彼にもあって、反省していて、カメラの前で話すことが自分のためにもなるんだと考えていたそうで、後からそれを聞いた。 

でも僕はすごく怖かったんです。
普通インタビューするときは、ある程度の信頼関係とか、同感を感じるような関係を作ったうえでインタビューするんですけど、レイプした人にどうやって準備ができるかと、前の晩は一切眠れなかった。でも行ったら彼がモンスターではなく、ごく普通の人だったのでびっくりしたんです。

とても素直な人だなとも思ったんです。だから許すということではないんですけど、やっぱりそういうことがより深刻な状況を示すんじゃないかと思う。ごく普通の人がレイプを犯すことができるというになってしまう。

もう一つ思ったのは、彼がアメリカ人に対してこういう行動はしないと思うんです。
沖縄だからそういうことができる、ということなんです。そういう意味では米兵が育つ中で差別的な見方が働いてるのではないかという気がするんです。

（この）インタビューが入っていることについて沖縄の中では結構批判されたんですけどね。

沖縄ではレイプの事件があまりに多くて、そういうことが避けられないような状況なんだということだと思うんですね。だからこそ映画の中で取り上げる必要はないんだと言われたんですけどね。でも本土の人、アメリカの観客のためには、そういう事実を知ってもらいたいということで映画の中に入れました。

◯最後に　監督からみなさまに伝えたいこと 

監督）アメリカ版をとるときに、沖縄に行き、辺野古の座り込みに行ったんですよ。今話したように現状が変わらない。ずーっと続いているんだということに心が重く感じて現場に向かったんですけど、そこに行ったら逆にみんな元気で、歌歌ったり、笑ったりしてて、とっても元気だったんで、そのあと知花昌一さんに会って、なぜそういうことができるのか、ずっと負けてるのに、と聞いたんです。

知花さんは「いや、沖縄の人たちは負けは知らない」と。
「え？ずーっと負けてるじゃないか」、と僕が言うと、
「いや、勝ったことがないから負けは知らない」と言ってたんですね（笑）

彼はお坊さんになったから、そんな奥深い話をしたんだな、と思うんですけど。
でも彼が映画の中で一番最後の言葉、すごく重いことだと思うんです。
それが、少しずつ一人一人が、沖縄が置かれている現状が許せないと思う人が増えれば、希望がある、期待ができるんだということで。
確実に沖縄に対する関心が広がっているし、深くなっているんだから、そう言う意味では少しずつは沖縄の平和運動が勝っているということ。
厳しい状況のなかでもわたしたちがそれを応援し続けることが必要なんだと思うんです。
そうしましょう。ありがとうございました。

◆ジャン・ユンカーマン　（映画監督）ホームページより 

1952年、米国ミルウォーキー生まれ。1969年、慶應義塾志木高等学校に留学。スタンフォード大学東洋文学語課卒業。1982年から日産自動車における「日本的」労使関係を取材し、そのドキュメンタリーを米のテレビ局で放送したことがきっかけで、映画の世界の道を拓く。画家の丸木位里・俊夫妻を取材した『劫火-ヒロシマからの旅-』（1986年）は米国アカデミー賞記録映画部門ノミネート。9.11のテロ後に言語学者ノーム・チョムスキーにインタビューした『チョムスキー9.11』（2002年）は世界十数カ国語に翻訳され、各国で劇場公開された。世界の知識人12人へのインタビューをもとに日本国憲法を検証する『映画 日本国憲法』（2005年）は戦後60年の節目に日本国憲法の意義を改めて問いかけた。

他に、日本の最西端の与那国島を舞台に、老漁師と巨大カジキの格闘を描いた『老人と海』（1990年）、エミー賞受賞作「夢窓～庭との語らい」（1992年）など。現在も日米両国を拠点に活動を続けている。


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『沖縄うりずんの雨  改訂版』

上映期間：6月19日(土)～29日(火)　10時00分～12時28分
　　　　　6月23日(水)　＜慰霊の日上映＞　12時45分～14時31分

私たちは沖縄のことを、どのくらい知っているのだろう？ 設立当初から沖縄と向き合った映画を製作してきたシグロの30周年記念映画。当時同じ戦場で向き合った元米兵、元日本兵、そして沖縄住民への取材、米国立公文書館所蔵の記録映像を交えて、沖縄戦の実情に迫り、日米双方による沖縄への差別と抑圧の歴史を描く。現在の辺野古への基地移設問題に繋がる、沖縄の人たちの深い失望と怒りの根と共に、不屈の闘いを続ける沖縄の人びとの真の強さを浮かび上がらせるドキュメンタリー。

公式サイト：http://okinawa-urizun.com 
予告編：https://youtu.be/ZUWJtY4G0-8 



2021年6月23日 [慰霊の日上映]『沖縄うりずんの雨　改訂版』ジャン・ユンカーマン監督トーク

／
『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
＼ 


創立から88年。子供を真ん中にして父母と教師が一緒に子どもを育てる和光小学校。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリーです。 

4月24日のトークゲストは、11日にもお越しいただいた増田典彦先生。
今回は前回に引き続き「教育って何だろう？学校って何だろう？」というお話に加え、Q＆A、卒業生の親御さんからのお言葉などを盛り込んだ回となりました。

＜ 追加上映決定！！ ＞
5月19日（水）／ 5月26日（水） 10:30〜12:06  
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373 

● 【教育って何なんだろう?学校って何なんだろう?】

私たちは何か特別な教育をしているというつもりは全くありません。

教育ってそもそも誰のためのものなのか、それから学校ってなんのためにあるのっていうところから全て出発する。

それが私達の教育・学校作りの基本であり、それって別に何か特別なことではないと思っています。

例えば教師が思い描いていたその授業であるわけですよね。

今日はこういうふうにやろうと思って準備もして、あの授業もするわけだけれども、子どもによっては突然大人の立場からすると変なことを言い出したりすねちゃうこともあるわけですよね。

でもそういうときには「なるほど、そういう考えもあるんだね、おもしろいね」ということを受け止めての軌道修正をしていく、なんていうことは当たり前であり、やっぱりそうあるべきなんじゃないのかなっていうふうに思ってます。

だからこう教えなければいけないとか、そういうことではなく。

職員室で教員2人が授業のね、打ち合わせなんかもしたと思うんですが、ああいうのはもう日常の当たり前のことであり。

子どもたちの考えや想いとかですね、そういうことを受け止めながら、「そういうことを言ってもいいんだよ」、

何か上からね、「先生の言うことは絶対聞かなきゃいけない」「先生に対してそんなことを言うもんじゃない」とかそういうことではなく。

上から言われたことをそのままやるのではなく、自分の気持ち・自分の主張を伝えていけるようなそういう人に育っていってもらいたいなというふうに思っています。

映画の中で、英語のシーンでもあったと思いますが、一つ一つのことでも本当に議論をして、時には喧嘩をしてるのかなっていうねふうに思われることもあるかと思うんだけども、でもそういうことをしないとそういう子どもたちには育っていかないというふうに考えています。

だけどもそれって別に特別なことじゃない。

教育って何か、今言われてます「国や社会を支えていく人材を育てるんだ」みたいなね言い方をされるんだけれども、それって教育の目的なんだろうかと、学校ってそういう場なんだろうかというふうに思います。

やはり教育って、最終的には1人1人が幸せになるため、

もっと言うと、その一人一人、集まったみんなが幸せになっていくためにどうしていこうかっていうような人を育てていく、それがやっぱり教育であり、学校という場なんじゃないのかなっていうふうに思うからこそ、私たちはそんな教育作り学校作りをしています。

こういうふうな映画にになるぐらい、ちょっと今の日本の教育っていうのはどうなんだろうっていうことなんだと思うんです。

こんなことが「あたりまえ」だったら映画にもならないわけですよね。

なので私たちとしては「あたりまえ」と思っている教育が何かこう、日本の中に当然のように広がっていってほしいな、いくべきだな、そのきっかけとしてこういうふうに皆さんが観に来てくださったり。

これが全てとも思っていません。和光小学校のプロモーションビデオ、映画になってもいけないと思うんです。

これをきっかけに、皆さんとやっぱり教育、学校についてともに考え合っていけたらいいなっていうふうに思っています。

本当にこうやって観てくださることをとてもありがたいなというふうに思っています。

「親御さんとのコミュニケーション、関係は、どのように保つか、築くか」

和光小自体がもともと保護者の方が作った学校といいますか、そういうところでですね、親御さん家庭と学校と共に子どもを見守り育てていこうというふうに、ずっと設立の当初からですね、大事にしておりますので、毎月毎月私達は「親和会」と呼んでおりますが、保護者懇談会が毎月ありまして。

そこでは今子どもに起こっていること、クラスの状況をそのままお家の方に伝えます。

実名もあげながら、今子どもたちはこういう状況なんだ。

トラブルもいっぱいあります。意地悪だっていっぱいあります。

そういう断りも伝えながら、でもこのトラブルっていうのはこういう意味を持っていて、そしてここをこういうふうに乗り越えていってるんだということを率直に伝えながら、また保護者の方も率直に、「でもそれはそうじゃないですか」「こういう見方もあるんじゃないですか」って思い、言われながらですね、共に教育作り小学校作りをしていただくという。

そういう意味で言うと、非常に密に接してやってもらってます。

〇卒業生のご家族が来てくださいました！！

「この3月で卒業させていただいたこの親なんですけれども、本当に素晴らしい6年間をさせ経験させていただきました。

和光小学校では三位一体というふうな言い方しますけれども、親も一緒に教育に携わらせていただいて、親も一緒に成長させていただくっていう本当にかけがえのない経験をさせていただきました。

本当に何より子どもだけではなくて、親もむしろ、親がとっても楽しませていただいたような、親も素晴らしい学びの時間という素敵な経験をさせていただいたなというふうに思っています。」

今どうなんだろうっていう不安も、本当に子育てやっていうのはある意味試行錯誤の連続ですよね。

はっきり何かわかってるわけじゃないから、いろんなアプローチをしながらいっぱい一緒に失敗をしながらですね、

私たちも成長させてもらったなっていうふうに親御さんから学ばされること多いなと思っております。

お読みいただきありがとうございました。

CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休、5月1日〜12日まで休館中）
http://chupki.jpn.org 

https://coubic.com/chupki/726373

http://chupki.jpn.org

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『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
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創立から88年。子供を真ん中にして父母と教師が一緒に子どもを育てる和光小学校。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリーです。 
4月24日のトークゲストは、11日にもお越しいただいた増田典彦先生。
今回は前回に引き続き「教育って何だろう？学校って何だろう？」というお話に加え、Q＆A、卒業生の親御さんからのお言葉などを盛り込んだ回となりました。

〜・〜・〜・〜 
＜ 追加上映決定！！ ＞
5月19日（水）／ 5月26日（水） 10:30〜12:06  
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373 
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● 【教育って何なんだろう?学校って何なんだろう?】

私たちは何か特別な教育をしているというつもりは全くありません。
教育ってそもそも誰のためのものなのか、それから学校ってなんのためにあるのっていうところから全て出発する。
それが私達の教育・学校作りの基本であり、それって別に何か特別なことではないと思っています。
例えば教師が思い描いていたその授業であるわけですよね。
今日はこういうふうにやろうと思って準備もして、あの授業もするわけだけれども、子どもによっては突然大人の立場からすると変なことを言い出したりすねちゃうこともあるわけですよね。
でもそういうときには「なるほど、そういう考えもあるんだね、おもしろいね」ということを受け止めての軌道修正をしていく、なんていうことは当たり前であり、やっぱりそうあるべきなんじゃないのかなっていうふうに思ってます。
だからこう教えなければいけないとか、そういうことではなく。

職員室で教員2人が授業のね、打ち合わせなんかもしたと思うんですが、ああいうのはもう日常の当たり前のことであり。
子どもたちの考えや想いとかですね、そういうことを受け止めながら、「そういうことを言ってもいいんだよ」、
何か上からね、「先生の言うことは絶対聞かなきゃいけない」「先生に対してそんなことを言うもんじゃない」とかそういうことではなく。
上から言われたことをそのままやるのではなく、自分の気持ち・自分の主張を伝えていけるようなそういう人に育っていってもらいたいなというふうに思っています。
映画の中で、英語のシーンでもあったと思いますが、一つ一つのことでも本当に議論をして、時には喧嘩をしてるのかなっていうねふうに思われることもあるかと思うんだけども、でもそういうことをしないとそういう子どもたちには育っていかないというふうに考えています。
だけどもそれって別に特別なことじゃない。

教育って何か、今言われてます「国や社会を支えていく人材を育てるんだ」みたいなね言い方をされるんだけれども、それって教育の目的なんだろうかと、学校ってそういう場なんだろうかというふうに思います。
やはり教育って、最終的には1人1人が幸せになるため、
もっと言うと、その一人一人、集まったみんなが幸せになっていくためにどうしていこうかっていうような人を育てていく、それがやっぱり教育であり、学校という場なんじゃないのかなっていうふうに思うからこそ、私たちはそんな教育作り学校作りをしています。


こういうふうな映画にになるぐらい、ちょっと今の日本の教育っていうのはどうなんだろうっていうことなんだと思うんです。
こんなことが「あたりまえ」だったら映画にもならないわけですよね。
なので私たちとしては「あたりまえ」と思っている教育が何かこう、日本の中に当然のように広がっていってほしいな、いくべきだな、そのきっかけとしてこういうふうに皆さんが観に来てくださったり。
これが全てとも思っていません。和光小学校のプロモーションビデオ、映画になってもいけないと思うんです。
これをきっかけに、皆さんとやっぱり教育、学校についてともに考え合っていけたらいいなっていうふうに思っています。
本当にこうやって観てくださることをとてもありがたいなというふうに思っています。


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〇質問
「親御さんとのコミュニケーション、関係は、どのように保つか、築くか」

増田先生） 
和光小自体がもともと保護者の方が作った学校といいますか、そういうところでですね、親御さん家庭と学校と共に子どもを見守り育てていこうというふうに、ずっと設立の当初からですね、大事にしておりますので、毎月毎月私達は「親和会」と呼んでおりますが、保護者懇談会が毎月ありまして。
そこでは今子どもに起こっていること、クラスの状況をそのままお家の方に伝えます。
実名もあげながら、今子どもたちはこういう状況なんだ。
トラブルもいっぱいあります。意地悪だっていっぱいあります。
そういう断りも伝えながら、でもこのトラブルっていうのはこういう意味を持っていて、そしてここをこういうふうに乗り越えていってるんだということを率直に伝えながら、また保護者の方も率直に、「でもそれはそうじゃないですか」「こういう見方もあるんじゃないですか」って思い、言われながらですね、共に教育作り小学校作りをしていただくという。
そういう意味で言うと、非常に密に接してやってもらってます。



〇卒業生のご家族が来てくださいました！！
「この3月で卒業させていただいたこの親なんですけれども、本当に素晴らしい6年間をさせ経験させていただきました。
和光小学校では三位一体というふうな言い方しますけれども、親も一緒に教育に携わらせていただいて、親も一緒に成長させていただくっていう本当にかけがえのない経験をさせていただきました。
本当に何より子どもだけではなくて、親もむしろ、親がとっても楽しませていただいたような、親も素晴らしい学びの時間という素敵な経験をさせていただいたなというふうに思っています。」

増田先生）
今どうなんだろうっていう不安も、本当に子育てやっていうのはある意味試行錯誤の連続ですよね。
はっきり何かわかってるわけじゃないから、いろんなアプローチをしながらいっぱい一緒に失敗をしながらですね、
私たちも成長させてもらったなっていうふうに親御さんから学ばされること多いなと思っております。


〜・〜・〜・〜  
以上になります！
お読みいただきありがとうございました。



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CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休、5月1日〜12日まで休館中）
http://chupki.jpn.org 

『あこがれの空の下 ～教科書のない小学校の一年～』4月24日増田先生トーク 

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『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
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創立から88年。子供を真ん中にして父母と教師が一緒に子どもを育てる和光小学校。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリーです。

4月17日のトークゲストは、山下 淳一郎先生！

＜子どもとの関係性、待つこと、見守ること＞

お客様とのQ&Aでは、和光小学校が現在ICT教育を取り入れていないことについてお話しています。


＜ 上映期間 ＞
4月16日(金)〜30日(金) 12時20分〜14時01分
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373 


◉4月28日水曜は、対話付き特別上映会！
https://coubic.com/chupki/684551  

もともと高校で家庭科の教員をやっていて、その後埼玉で小学校に行って、和光小学校へ。
ちょうど11年目、中学年、3、4年生が多くて、映画の最後、終業式に僕がクッキー配ってた子たちは初めて受け持った1年生です。だいたい終業式の前の日って先生たち成績つけてるんですけど、僕だけ料理して。またなんかやってるよって、他の先生に言われてます（笑）

●子どもとの関係性、授業づくり

（先生が優しいので子どもが騒いでしまうこともあり…）収拾つかないですよ、本当にもう最初は大変で。

映画でもちょっと騒いだり、「集まって」なんて言っても全然集まらない子どもたちがいっぱいいるんですけども、待ってればねだんだん子どもたちも気づいてきて、お互い声を掛け合ったりとかして。やっぱり自分たちでちゃんと授業を作り上げるっていうのは先生が何か授業をガミガミ言って作り上げるじゃなくて、子どもたちが一緒に作っていくものだと思っているので。
それにも、その子その子の個性があってやっぱりこの子はこういう声かけをしたら繋がるとか、この子にこう言っても駄目だとかがなんとなくわかってくるんです。

和光小に赴任して初めてのときは子供に怒られたんですね。
「先生ね、この子にね、こういう言い方は駄目だよ。」って。

いつも担任は新参者なんですね。
子どもたちの関係はもう出来てる中にポンと入ってくる。だからどう関係を作るかというところから始まっていくっていう。

●子どもを中心に置いた教育を考えること

司）前に校長先生がいらっしゃったときにも、「一番大事にされてることは何ですか」とお聞きしたら、とにかく子どもを中心に置いた教育を考えることだっておっしゃってて。つい、低学年の子たちほどしつけなきゃとを考えがちだが、和光小は180度違いますね。

山下）今年度、新しくまた1年生の担任を始めたんですけども、
親御さんにも、「1年生になるには1年間かかる、1年間かけて1年生になっていく」、そういう気持ちでいてほしいって言ってるんです。

子どもたちも幼稚園や保育園とかいろんな生活の中から突然小学生になるわけないんですよ。なれるわけなくて。だんだん子どもも変わっていったり、今はこうしたらいいんだってわかってくる。

リズムとか一人一人の捉え方ってやっぱり違うんですよね。
先生がこう言ったから全員が一斉にそうなる、なんてはずがない。やろうと思えばやれちゃうかもしれないんですけど、やっぱりそうじゃなくて、例えば発表ききたくないとか、○○したくないとか、それはそれとして、じゃ、そのうちやりたいっていう気持ちになったらいいねということで待っていればいいかなと思う。そういうリズムも大切にしたい思っています。

とは言っても現実なかなかね、ちょっといい加減にしてくれよと思うこといっぱいあるんですけど（笑）もう耐えるしかないです。

◯質問　①　最近の学校で進められているICT教育について
「映画の中での沖縄の問題、基地の問題を参照して、何でも白黒つけるんじゃなくていろいろ知った上で判断していく姿勢を育てるのには素晴らしい教育だと思いました。また、小学校の英語教育にもちゃんと主張がある。そんな和光小で、最近の学校で進められているICT教育について、方針を伺いたい」

山下）何もないんですようちの学校、パソコンもタブレットも子供が使えるものは。（別に）あってもいいと思います。そういうものを使って何をするかの方が大事で、やっぱり所詮道具に過ぎないんですよね、そういう端末は。大事なのは子どもにどんなことを考えてほしいのか。

教科書を和光小学校は基本使わないんですけど、どういう内容を子どもに提供するかってことの題材選びってところが重要で、沖縄なんかは素材の力がすごくあってやっぱり子どもがいろんなこと考えるので、それだけでもすごく。。。

端末がなかろうがあろうがね、それは関係ないと思うんですね。
あとはやっぱりどうしても今オンラインでいろんなことができるから便利なんだけど、生で話すってことはすごく大事で、それがコロナですごく大変だったんですね。

例えば中国とか韓国の子と交流したりすると、子どもたちなりに何かちょっと「中国とか韓国って日本嫌いなんだよね」みたいなことあたまに入ってることがある。でも関わると、「なんだ同じじゃん僕らと」と思う部分や「僕らとここが違うんだ」っていうのがわかって、ちょっと知り合えれば情報を自分なりに考えていける、判断できる。
やっぱり僕らのなかでも体験を大事にしたいと思ってます。

◯質問　②　待つこと、見守ること

「先ほど先生がとにかく待つことが大事とおっしゃっていましたが、家庭でも待つこと、見守ることが大事と思って心がけてみるものの、「時間だよ」とせかしてしまったりなかなか難しい。親の側、大人の側が、待ったり見守ったりするときに、先生の中で一番大事にされていることを教えていただきたいです。」

山下）大人の忍耐が試されてるって感じられます。

子どもにそれぞれ個性っていうか人によってはなかなか待っていても動き出せないっていう子もいるので「こうしてみたら」とか、ちょっと見通しが持てるとすごく動けるって言う子どももいるんですよね。
だから”何もしてない”っていうのが”待つ”っていうわけじゃなくて、こうしたらこうなるっていうその先が見通せると、じゃあ今何したらいいのかっていうのが自分でわかっていくといいのかなと思って。

例えば自由勉強みたいなことを僕はよくやるんですけど、そのときによく自分からシャカシャカやれる子と、なかなか動き出さない子がいるときに、じゃあ、「ちょっとこうしてみたら」「ああしてみたら」とか言ったりね。

子どものお互いの発表とか聞き合うとこれ面白いからやってみようとか、そういう刺激があると子どもって動ける部分もあるのかなと思うので、本当に子どもによりけりなんですが。
でもはっきり言って、手探りです。

司会）どうしても平均的にこれができて当たり前とかこういうことができなきゃっていう基準があってどうしてもそういう見方って先生は特にすると思うんですけど、そうじゃなくて、本当1人1人みんな違うからっていうのがちゃんと前提にあるのと、子どもたちの力を信じてるっていうのをお話聞いていて言葉の端々に感じましたね。子どももそう思っちゃうんですよね、大人がそう見てるとね。子どもの人間関係の中、お互いをどう見るかみたいな部分も先生の関わりとか大人の関わりですっごい影響大きいと思います。

「子どもからの質問なんですけど、和光小学校には読み書きに困難を抱えるディクレクシアのお子さんはいらっしゃいますか。」

山下）います、います。とはいえ一斉授業が多いのでなかなかうまくついてこれなかったりする場合もあるのででも何だろうな、かといってその子を取り出して別な時間でって事はしてなくて、一緒の中で何ができるかとかそういうことを考えている感じです。

映画は4/30まで、12:20〜上映中！

🍀『あこがれの空の下　〜教科書のない小学校の一年』

CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休）
http://chupki.jpn.org 

#音声ガイド #日本語字幕 #シネマチュプキ #chupki #ユニバーサルシアター　#ミニシアター #ドキュメンタリー #北区 #田端 #映画館 #和光 #岩代太郎 #高橋恵子 #世田谷 #小学校 #新学期 #新生活 #和光小学校

／
『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
＼
創立から88年。子供を真ん中にして父母と教師が一緒に子どもを育てる和光小学校。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリーです。
4月17日のトークゲストは、山下 淳一郎先生！
印象的だったのは、
＜子どもとの関係性、待つこと、見守ること＞
お客様とのQ&Aでは、和光小学校が現在ICT教育を取り入れていないことについてお話しています。

＜ 上映期間 ＞
4月16日(金)〜30日(金) 12時20分〜14時01分
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373 

◉4月28日水曜は、対話付き特別上映会！
https://coubic.com/chupki/684551  

＝＝＝＝＝＝＝＝＝

●山下先生の経歴
もともと高校で家庭科の教員をやっていて、その後埼玉で小学校に行って、和光小学校へ。
ちょうど11年目、中学年、3、4年生が多くて、映画の最後、終業式に僕がクッキー配ってた子たちは初めて受け持った1年生です。だいたい終業式の前の日って先生たち成績つけてるんですけど、僕だけ料理して。またなんかやってるよって、他の先生に言われてます（笑）

●子どもとの関係性、授業づくり
（先生が優しいので子どもが騒いでしまうこともあり…）収拾つかないですよ、本当にもう最初は大変で。
映画でもちょっと騒いだり、「集まって」なんて言っても全然集まらない子どもたちがいっぱいいるんですけども、待ってればねだんだん子どもたちも気づいてきて、お互い声を掛け合ったりとかして。やっぱり自分たちでちゃんと授業を作り上げるっていうのは先生が何か授業をガミガミ言って作り上げるじゃなくて、子どもたちが一緒に作っていくものだと思っているので。
それにも、その子その子の個性があってやっぱりこの子はこういう声かけをしたら繋がるとか、この子にこう言っても駄目だとかがなんとなくわかってくるんです。
和光小に赴任して初めてのときは子供に怒られたんですね。
「先生ね、この子にね、こういう言い方は駄目だよ。」って。
いつも担任は新参者なんですね。
子どもたちの関係はもう出来てる中にポンと入ってくる。だからどう関係を作るかというところから始まっていくっていう。

●子どもを中心に置いた教育を考えること
司）前に校長先生がいらっしゃったときにも、「一番大事にされてることは何ですか」とお聞きしたら、とにかく子どもを中心に置いた教育を考えることだっておっしゃってて。つい、低学年の子たちほどしつけなきゃとを考えがちだが、和光小は180度違いますね。
山下）今年度、新しくまた1年生の担任を始めたんですけども、
親御さんにも、「1年生になるには1年間かかる、1年間かけて1年生になっていく」、そういう気持ちでいてほしいって言ってるんです。
子どもたちも幼稚園や保育園とかいろんな生活の中から突然小学生になるわけないんですよ。なれるわけなくて。だんだん子どもも変わっていったり、今はこうしたらいいんだってわかってくる。
リズムとか一人一人の捉え方ってやっぱり違うんですよね。
先生がこう言ったから全員が一斉にそうなる、なんてはずがない。やろうと思えばやれちゃうかもしれないんですけど、やっぱりそうじゃなくて、例えば発表ききたくないとか、○○したくないとか、それはそれとして、じゃ、そのうちやりたいっていう気持ちになったらいいねということで待っていればいいかなと思う。そういうリズムも大切にしたい思っています。
とは言っても現実なかなかね、ちょっといい加減にしてくれよと思うこといっぱいあるんですけど（笑）もう耐えるしかないです。

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【質問・感想】

◯質問　①　最近の学校で進められているICT教育について
「映画の中での沖縄の問題、基地の問題を参照して、何でも白黒つけるんじゃなくていろいろ知った上で判断していく姿勢を育てるのには素晴らしい教育だと思いました。また、小学校の英語教育にもちゃんと主張がある。そんな和光小で、最近の学校で進められているICT教育について、方針を伺いたい」
山下）何もないんですようちの学校、パソコンもタブレットも子供が使えるものは。（別に）あってもいいと思います。そういうものを使って何をするかの方が大事で、やっぱり所詮道具に過ぎないんですよね、そういう端末は。大事なのは子どもにどんなことを考えてほしいのか。
教科書を和光小学校は基本使わないんですけど、どういう内容を子どもに提供するかってことの題材選びってところが重要で、沖縄なんかは素材の力がすごくあってやっぱり子どもがいろんなこと考えるので、それだけでもすごく。。。
端末がなかろうがあろうがね、それは関係ないと思うんですね。
あとはやっぱりどうしても今オンラインでいろんなことができるから便利なんだけど、生で話すってことはすごく大事で、それがコロナですごく大変だったんですね。
例えば中国とか韓国の子と交流したりすると、子どもたちなりに何かちょっと「中国とか韓国って日本嫌いなんだよね」みたいなことあたまに入ってることがある。でも関わると、「なんだ同じじゃん僕らと」と思う部分や「僕らとここが違うんだ」っていうのがわかって、ちょっと知り合えれば情報を自分なりに考えていける、判断できる。
やっぱり僕らのなかでも体験を大事にしたいと思ってます。

◯質問　②　待つこと、見守ること
「先ほど先生がとにかく待つことが大事とおっしゃっていましたが、家庭でも待つこと、見守ることが大事と思って心がけてみるものの、「時間だよ」とせかしてしまったりなかなか難しい。親の側、大人の側が、待ったり見守ったりするときに、先生の中で一番大事にされていることを教えていただきたいです。」
山下）大人の忍耐が試されてるって感じられます。
子どもにそれぞれ個性っていうか人によってはなかなか待っていても動き出せないっていう子もいるので「こうしてみたら」とか、ちょっと見通しが持てるとすごく動けるって言う子どももいるんですよね。
だから”何もしてない”っていうのが”待つ”っていうわけじゃなくて、こうしたらこうなるっていうその先が見通せると、じゃあ今何したらいいのかっていうのが自分でわかっていくといいのかなと思って。
例えば自由勉強みたいなことを僕はよくやるんですけど、そのときによく自分からシャカシャカやれる子と、なかなか動き出さない子がいるときに、じゃあ、「ちょっとこうしてみたら」「ああしてみたら」とか言ったりね。
子どものお互いの発表とか聞き合うとこれ面白いからやってみようとか、そういう刺激があると子どもって動ける部分もあるのかなと思うので、本当に子どもによりけりなんですが。
でもはっきり言って、手探りです。

司会）どうしても平均的にこれができて当たり前とかこういうことができなきゃっていう基準があってどうしてもそういう見方って先生は特にすると思うんですけど、そうじゃなくて、本当1人1人みんな違うからっていうのがちゃんと前提にあるのと、子どもたちの力を信じてるっていうのをお話聞いていて言葉の端々に感じましたね。子どももそう思っちゃうんですよね、大人がそう見てるとね。子どもの人間関係の中、お互いをどう見るかみたいな部分も先生の関わりとか大人の関わりですっごい影響大きいと思います。

◯質問③
「子どもからの質問なんですけど、和光小学校には読み書きに困難を抱えるディクレクシアのお子さんはいらっしゃいますか。」
山下）います、います。とはいえ一斉授業が多いのでなかなかうまくついてこれなかったりする場合もあるのででも何だろうな、かといってその子を取り出して別な時間でって事はしてなくて、一緒の中で何ができるかとかそういうことを考えている感じです。


以上、ここまで😊
お読みいただきありがとうございました。

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映画は4/30まで、12:20〜上映中！
🍀『あこがれの空の下　〜教科書のない小学校の一年』
https://coubic.com/chupki/726373 

🌸4/28対話つき上映会です！
https://coubic.com/chupki/684551 

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CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休）
http://chupki.jpn.org 


#音声ガイド #日本語字幕 #シネマチュプキ #chupki #ユニバーサルシアター　#ミニシアター #ドキュメンタリー #北区 #田端 #映画館 #和光 #岩代太郎 #高橋恵子 #世田谷 #小学校 #新学期 #新生活 #和光小学校

『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』4月17日山下先生トーク

／
毎週土日開催　上映後トーク🍀
『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
＼

創立から88年。元々父母の方が学校を作りたいと、土地を求め、校舎作って、教師を集めてきて始まった和光小学校。子供を真ん中に、父母と教師が一緒に子どもを育てていこうと、理念は創立時から今も変わらない。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリー。

4月11日のトークゲストは増田典彦先生。
各学年ごとに民舞を学ぶ和光小学校。１年生はアイヌ、6年生は沖縄のエイサーを踊り、修学旅行に沖縄に赴き直接肌で感じ、考えます。三線を演奏する姿が印象的だった増田先生のお話です！


〜・〜・〜・〜

映画もたくさんの人に観て欲しい！
そしてこどもの学びについて、それぞれの場所からともに考え作ってゆきませんか。

＜ 上映期間 ＞
4月16日(金)〜30日(金) 12時20分〜14時01分
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373

◉4月28日水曜は、対話付き特別上映会！
https://coubic.com/chupki/684551 

●少し違和感をもっています
私たちは、特別なことをしているつもりは全くなくて、単なる日常で、子どもたちと向き合って教育づくり、学校づくりをしているだけなのに、何でこういう風に映画になるのかな？と、すごく違和感を感じています。
しかし、いろんな教育の話をきいていると、和光の教育が着目される、残念ではあるのかなあと思う日本の教育事情があるのかなと思っています。

●大人と子供の信頼関係
～思ったことはきちんと伝えることができる子どもたちに育ってもらいたい～
映画に絡めて話すと、沖縄に関する授業を受けて生徒たちが一生懸命静かに書いている時に、私がいきなり三線を弾きだして、「増田うるさい」「うぜえ」とか言葉自体は良くないですよね、大人に向かってああいう言葉を言うのはどうか？と、よく言われますが、
そこも大人・教員と子どもの信頼関係の上に成り立っているなと思っています。言葉を発した子どもも何か悪口を言ってやろうとしているのではなく、自分もうざいことをしているのもわかっています。だって子ども達は一生懸命に書いているのに三線を弾きだして、子どもたちはその思いをストレートに先生に届ける。それというのも、子ども達にとってみたら、大人の顔色を窺って忖度したりという様な、そんな子ども達を育てたいとは思っていなくて、思ったことは大人であれ、どんな権力者であれ、きちんと伝えることができる子供たちに育ってもらいたい。子ども達はいろいろなことを、願いも含めて教師・大人にぶつけてきます。それがあの場面に表れているのかと思います。
 
●修学旅行で沖縄アメラジアン・スクールとの交流
　この映画では、沖縄の学習を随分と取材してくださっていて、アメラジアン・スクール※との交流の様子が映っていたと思います。（※米軍にルーツを持つ子ども達が通っている学校）2011年に自分が6年生の担任をしていた時、なんとか子ども達と交流をさせてもらえないかと駆け込んだところから交流が始まりました。和光ってこういう学校なんです。
修学旅行で何か決まった行程があるのではなくて、その時々の社会全体の情勢や、今これを子ども達に学んでもらいたい！というものから、修学旅行を含め創っていくことができるんです。当時は沖縄の公立学校と交流をしていましたが、何となく物足りなさを感じていて．．。そんな時、アメラジアンスクールの先生が沖縄戦の学習をしたという記事を目にして、急いでアポをとって駆け付けて、なんとかお願いしてスタートしたんです。本当は沖縄戦の学習をしたかったのですが難しいテーマなので、ちょうど和光でもエイサーをやっていて、「エイサーの文化交流」を切り口に交流が始まりました。

子ども達のディスカッションの場面では、辺野古にも行きますし、基地反対の方の意見も聞きますから、当然沖縄の人たちは反対なんだと思っているところに、アメラジアンの子ども達に「米軍基地をどう思っていますか？」と聞くと、「しょうがないさー」からスタートして、「米軍基地なかったら、自分生まれてないさー。あっていいよね。」「基地があるから守られているところもあるよね。でもちょっとうるさいから、もうちょっと少なくしてもいいかな」と、さらっと言うわけです。子ども達は、こういう考えの人も沖縄の中ではあるんだということを4日目に突き付けられるわけです。子ども達は非常に揺れます。私たちも子ども達をこんなに揺さぶってしまっていいのかと非常に迷いました。でも、この沖縄学習は６年生で完結する訳ではなく、むしろスタートだと思っているんですね。子ども達には常に社会に関心を持ち、主体的に社会を創っていくような子ども達になってもらいたいからこそ、自分としては納得というか、その様な位置づけになっています。

●最後に
子ども達どうしのぶつかり合いもあるし、決して美しいことばっかりではないわけで、当時もいろいろありました。学校に来られなくなった子どももいました。そこで、うんと子ども達と考え合ったり、話し合ったりしての卒業式だったので、胸に迫るものがありました。保護者の方とも一緒に悩みながら６年間過ごしてきたので、最後ハグをしてお別れする場面もありました。
この映画は和光小学校のプロモーションVTRにはなってもらいたくはありません。当然のあるべき姿だと思っているけれども、今の日本の教育はどうなっているんだろうという問題提起というか、皆さんと一緒に考えていくきっかけになればいいと思っています。

◯「実は、発言できない子や、反発する子もいたり、いわゆるちゃんとやっている子に比べて映画にはあまり映っていない所もあったと思いますが、その点について思うところはありますか？」

（増田先生）
子ども達は一人ひとり発達のスピードや性格も違うので、活発に発言する子がよく理解していて、発言しない子は理解していないのではないかという風潮は日本ではあると思います。なんだろう？と思いますね。言葉で言えなくても、子ども達って絶対に聞いているんです。考えているんです。ぴしっと座っていなくても、だらーっとしていても。子ども達の表現の仕方は多様であって良いと思っているので、すごく子ども達に書かせるんです。みんなの前で言うのはハードルが高いけれど、書かせるとものすごく書く子っているんです。そういう子は多いんです。そして、意見を言わなかった子の意見ほど学級通信に載せて、子ども達に返していきます。「こんな風に考えていたんだ」と、つかむような手立てにしたり。考えていない子はいないわけで、そんな風にその子を共有することを意識的にやっています。

◯「３歳の子供がいて、これから学校をどうするか話をしている。好奇心を伸ばす、疑問を疑問で終わらせない教育、生徒も先生方も魅力的な学校だと感じた。小学校卒業後、これから子ども達はどのような義務教育的な勉強とどう向き合っていかなければいけないのか、課題などあればお聞きしたい。」

（増田先生）
私たちは、日々、小学校で学んでほしい力というのは授業でやっているので、和光は行事とか公立小学校と違うことばかりやっていると思われがちですが、決してそうではないとお伝えしつつ、学び方を学んだり、学ぶって楽しいと思うことこそ、これからずっと学び続ける子ども達に大事なことだと思っている。もちろん基礎的な学習もやりますが、反復練習や早くできることに価値をあまり求めていません。計算にしても、なぜその計算をするのか？ということのなかで真理を見出したり、学ぶって面白いということを持っていれば、今後どんな環境に行ったとしても、子ども達は自分で自分の進路を決め、そこに向けて発揮していく力ってすごいと思っています。和光は高校、大学までありますが、大学に進む子はあまり多くないです。というのは、どこの大学に行きたいかというより、自分は何をしたいかで進路を選択する子どもがすごく多く、小学校段階からいろいろなひとと出会って、いろいろな学習をくぐって、これ面白いなと思って、自分の進むべき道を高校卒業くらいで持つ子どもが多い。自分で決めた時の子ども達の向かっていく姿というか、予備校が楽しくて仕方がなかったという卒業生もいた。ここだ！っていう時に発揮する力はすごいな、と。大人になっても学び続けるって大事だと思っています。日本の大学生は、大学に入ることで疲れてしまい、大学は遊ぶところだ、というのは和光の卒業生は少ないかなと思っています。

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CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休）
http://chupki.jpn.org

https://coubic.com/chupki/726373

http://chupki.jpn.org

#音声ガイド

／
毎週土日開催　上映後トーク🍀
『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』
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創立から88年。元々父母の方が学校を作りたいと、土地を求め、校舎作って、教師を集めてきて始まった和光小学校。子供を真ん中に、父母と教師が一緒に子どもを育てていこうと、理念は創立時から今も変わらない。
本来の「あたりまえ」を大切にする小学校の一年を追ったドキュメンタリー。
4月11日のトークゲストは増田典彦先生。
各学年ごとに民舞を学ぶ和光小学校。１年生はアイヌ、6年生は沖縄のエイサーを踊り、修学旅行に沖縄に赴き直接肌で感じ、考えます。三線を演奏する姿が印象的だった増田先生のお話です！

〜・〜・〜・〜

映画もたくさんの人に観て欲しい！
そしてこどもの学びについて、それぞれの場所からともに考え作ってゆきませんか。
＜ 上映期間 ＞
4月16日(金)〜30日(金) 12時20分〜14時01分
ご予約はこちら　https://coubic.com/chupki/726373
◉4月28日水曜は、対話付き特別上映会！
https://coubic.com/chupki/684551 

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4月11日、増田典彦先生トーク
●少し違和感をもっています
私たちは、特別なことをしているつもりは全くなくて、単なる日常で、子どもたちと向き合って教育づくり、学校づくりをしているだけなのに、何でこういう風に映画になるのかな？と、すごく違和感を感じています。
しかし、いろんな教育の話をきいていると、和光の教育が着目される、残念ではあるのかなあと思う日本の教育事情があるのかなと思っています。
●大人と子供の信頼関係
～思ったことはきちんと伝えることができる子どもたちに育ってもらいたい～
映画に絡めて話すと、沖縄に関する授業を受けて生徒たちが一生懸命静かに書いている時に、私がいきなり三線を弾きだして、「増田うるさい」「うぜえ」とか言葉自体は良くないですよね、大人に向かってああいう言葉を言うのはどうか？と、よく言われますが、
そこも大人・教員と子どもの信頼関係の上に成り立っているなと思っています。言葉を発した子どもも何か悪口を言ってやろうとしているのではなく、自分もうざいことをしているのもわかっています。だって子ども達は一生懸命に書いているのに三線を弾きだして、子どもたちはその思いをストレートに先生に届ける。それというのも、子ども達にとってみたら、大人の顔色を窺って忖度したりという様な、そんな子ども達を育てたいとは思っていなくて、思ったことは大人であれ、どんな権力者であれ、きちんと伝えることができる子供たちに育ってもらいたい。子ども達はいろいろなことを、願いも含めて教師・大人にぶつけてきます。それがあの場面に表れているのかと思います。
 
●修学旅行で沖縄アメラジアン・スクールとの交流
　この映画では、沖縄の学習を随分と取材してくださっていて、アメラジアン・スクール※との交流の様子が映っていたと思います。（※米軍にルーツを持つ子ども達が通っている学校）2011年に自分が6年生の担任をしていた時、なんとか子ども達と交流をさせてもらえないかと駆け込んだところから交流が始まりました。和光ってこういう学校なんです。
修学旅行で何か決まった行程があるのではなくて、その時々の社会全体の情勢や、今これを子ども達に学んでもらいたい！というものから、修学旅行を含め創っていくことができるんです。当時は沖縄の公立学校と交流をしていましたが、何となく物足りなさを感じていて．．。そんな時、アメラジアンスクールの先生が沖縄戦の学習をしたという記事を目にして、急いでアポをとって駆け付けて、なんとかお願いしてスタートしたんです。本当は沖縄戦の学習をしたかったのですが難しいテーマなので、ちょうど和光でもエイサーをやっていて、「エイサーの文化交流」を切り口に交流が始まりました。
子ども達のディスカッションの場面では、辺野古にも行きますし、基地反対の方の意見も聞きますから、当然沖縄の人たちは反対なんだと思っているところに、アメラジアンの子ども達に「米軍基地をどう思っていますか？」と聞くと、「しょうがないさー」からスタートして、「米軍基地なかったら、自分生まれてないさー。あっていいよね。」「基地があるから守られているところもあるよね。でもちょっとうるさいから、もうちょっと少なくしてもいいかな」と、さらっと言うわけです。子ども達は、こういう考えの人も沖縄の中ではあるんだということを4日目に突き付けられるわけです。子ども達は非常に揺れます。私たちも子ども達をこんなに揺さぶってしまっていいのかと非常に迷いました。でも、この沖縄学習は６年生で完結する訳ではなく、むしろスタートだと思っているんですね。子ども達には常に社会に関心を持ち、主体的に社会を創っていくような子ども達になってもらいたいからこそ、自分としては納得というか、その様な位置づけになっています。
●最後に
子ども達どうしのぶつかり合いもあるし、決して美しいことばっかりではないわけで、当時もいろいろありました。学校に来られなくなった子どももいました。そこで、うんと子ども達と考え合ったり、話し合ったりしての卒業式だったので、胸に迫るものがありました。保護者の方とも一緒に悩みながら６年間過ごしてきたので、最後ハグをしてお別れする場面もありました。
この映画は和光小学校のプロモーションVTRにはなってもらいたくはありません。当然のあるべき姿だと思っているけれども、今の日本の教育はどうなっているんだろうという問題提起というか、皆さんと一緒に考えていくきっかけになればいいと思っています。

【質問・感想】
◯「実は、発言できない子や、反発する子もいたり、いわゆるちゃんとやっている子に比べて映画にはあまり映っていない所もあったと思いますが、その点について思うところはありますか？」
（増田先生）
子ども達は一人ひとり発達のスピードや性格も違うので、活発に発言する子がよく理解していて、発言しない子は理解していないのではないかという風潮は日本ではあると思います。なんだろう？と思いますね。言葉で言えなくても、子ども達って絶対に聞いているんです。考えているんです。ぴしっと座っていなくても、だらーっとしていても。子ども達の表現の仕方は多様であって良いと思っているので、すごく子ども達に書かせるんです。みんなの前で言うのはハードルが高いけれど、書かせるとものすごく書く子っているんです。そういう子は多いんです。そして、意見を言わなかった子の意見ほど学級通信に載せて、子ども達に返していきます。「こんな風に考えていたんだ」と、つかむような手立てにしたり。考えていない子はいないわけで、そんな風にその子を共有することを意識的にやっています。

◯「３歳の子供がいて、これから学校をどうするか話をしている。好奇心を伸ばす、疑問を疑問で終わらせない教育、生徒も先生方も魅力的な学校だと感じた。小学校卒業後、これから子ども達はどのような義務教育的な勉強とどう向き合っていかなければいけないのか、課題などあればお聞きしたい。」

（増田先生）
私たちは、日々、小学校で学んでほしい力というのは授業でやっているので、和光は行事とか公立小学校と違うことばかりやっていると思われがちですが、決してそうではないとお伝えしつつ、学び方を学んだり、学ぶって楽しいと思うことこそ、これからずっと学び続ける子ども達に大事なことだと思っている。もちろん基礎的な学習もやりますが、反復練習や早くできることに価値をあまり求めていません。計算にしても、なぜその計算をするのか？ということのなかで真理を見出したり、学ぶって面白いということを持っていれば、今後どんな環境に行ったとしても、子ども達は自分で自分の進路を決め、そこに向けて発揮していく力ってすごいと思っています。和光は高校、大学までありますが、大学に進む子はあまり多くないです。というのは、どこの大学に行きたいかというより、自分は何をしたいかで進路を選択する子どもがすごく多く、小学校段階からいろいろなひとと出会って、いろいろな学習をくぐって、これ面白いなと思って、自分の進むべき道を高校卒業くらいで持つ子どもが多い。自分で決めた時の子ども達の向かっていく姿というか、予備校が楽しくて仕方がなかったという卒業生もいた。ここだ！っていう時に発揮する力はすごいな、と。大人になっても学び続けるって大事だと思っています。日本の大学生は、大学に入ることで疲れてしまい、大学は遊ぶところだ、というのは和光の卒業生は少ないかなと思っています。

/////////////////////////////////////////////////////
CINEMA Chupki TABATA
シネマ・チュプキ・タバタ
東京都北区東田端2-8-4
TEL・FAX　03-6240-8480（水曜休）
http://chupki.jpn.org
#音声ガイド #日本語字幕 #シネマチュプキ #chupki #ユニバーサルシアター　#ミニシアター #ドキュメンタリー #北区 #田端 #映画館 #和光 #岩代太郎 #高橋恵子 #世田谷 #小学校 #新学期 #新生活 #和光小学校

『あこがれの空の下　～教科書のない小学校の一年～』4月11日増田先生トーク

＼伊勢真一監督バリアフリー作品特集上映／
伊勢真一監督のヒューマンドキュメンタリー映画からバリアフリー作品

『妻の病 —レビー小体型認知症—』
『やさしくなあに 〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』
『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤 滋』

３作品のバリアフリー上映と伊勢監督のトークショーをたっぷりとお楽しみいただける企画上映を行っています。


どれも、今こそ、観ていただきたい作品です。
「人と距離をとること」よりも、大事なこと。
１人１人 みんな違う。違うからこそ 一緒に生きていく。
ままならない体や心と向き合いながら、それでも日々、生き直していく。
そんな人々の「人生」と「愛」を浮かび上がらせるドキュメンタリーです。

◎『やさしくなぁに　〜奈緒ちゃんと家族の３５年〜』（110分）

てんかんと知的ハンディキャップをあわせ持つ少女・奈緒ちゃんの成長と、彼女の家族を追ったドキュメンタリー。奈緒ちゃんと家族に寄り添い続けた35年間が描かれる。

★9月2日の『やさしくなあに』上映後の伊勢監督のトークを一部抜粋したもの（字幕付き）
 https://youtu.be/JNjSLbVwiPM 

◎『妻の病 –レビー小体型認知症–』（87分）

高知県南国市の小児科医・石本浩市医師と認知症の妻・弥生さんの10年間におよぶ闘病の日々と夫婦の深い絆をとらえたドキュメンタリー。夫婦の姿を通して、愛する人や自分が認知症になった時に何が大切なのか、一人一人に深い問いをを投げかける 。

★9月9日の『妻の病』上映後の伊勢監督のトークを一部抜粋したもの（字幕付き） 
https://youtu.be/7rWrMXAKW3c
 

◎『えんとこの歌 　寝たきり歌人・遠藤滋』(96分)

脳性マヒで寝たきりの生活を強いられながらも、自ら介助者のネットワーク「えんとこ」を組織し、介助の若者たちの力を借りて自立生活を続けている遠藤滋のドキュメンタリー。

2020年9月16日が最終上映日となります。
最後のトークショーは最新作『えんとこの歌』上映後となります。
是非、ご来場ください。


●9月16日（水）
・10:30〜12:06 「えんとこの歌」 上映後★トークショーあり
・13:00〜14:50 「やさしくなあに」
・15:10〜16:37 「妻の病」

2020年9月2日、9日、16日の3日間
＼伊勢真一監督バリアフリー作品特集上映／
伊勢真一監督のヒューマンドキュメンタリー映画からバリアフリー作品

『妻の病 —レビー小体型認知症—』
『やさしくなあに 〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』
『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤 滋』
３作品のバリアフリー上映と伊勢監督のトークショーをたっぷりとお楽しみいただける企画上映を行っています。

どれも、今こそ、観ていただきたい作品です。
「人と距離をとること」よりも、大事なこと。
１人１人 みんな違う。違うからこそ 一緒に生きていく。
ままならない体や心と向き合いながら、それでも日々、生き直していく。
そんな人々の「人生」と「愛」を浮かび上がらせるドキュメンタリーです。

◎『やさしくなぁに　〜奈緒ちゃんと家族の３５年〜』（110分）
てんかんと知的ハンディキャップをあわせ持つ少女・奈緒ちゃんの成長と、彼女の家族を追ったドキュメンタリー。奈緒ちゃんと家族に寄り添い続けた35年間が描かれる。
★9月2日の『やさしくなあに』上映後の伊勢監督のトークを一部抜粋したもの（字幕付き）
 https://youtu.be/JNjSLbVwiPM 

◎『妻の病 –レビー小体型認知症–』（87分）
高知県南国市の小児科医・石本浩市医師と認知症の妻・弥生さんの10年間におよぶ闘病の日々と夫婦の深い絆をとらえたドキュメンタリー。夫婦の姿を通して、愛する人や自分が認知症になった時に何が大切なのか、一人一人に深い問いをを投げかける 。
★9月9日の『妻の病』上映後の伊勢監督のトークを一部抜粋したもの（字幕付き） 
https://youtu.be/7rWrMXAKW3c
 
◎『えんとこの歌 　寝たきり歌人・遠藤滋』(96分)
脳性マヒで寝たきりの生活を強いられながらも、自ら介助者のネットワーク「えんとこ」を組織し、介助の若者たちの力を借りて自立生活を続けている遠藤滋のドキュメンタリー。

2020年9月16日が最終上映日となります。
最後のトークショーは最新作『えんとこの歌』上映後となります。
是非、ご来場ください。

●9月16日（水）
・10:30〜12:06 「えんとこの歌」 上映後★トークショーあり
・13:00〜14:50 「やさしくなあに」
・15:10〜16:37 「妻の病」

ご予約・詳細は、こちらから
https://chupki.jpn.org/archives/6309 

伊勢真一監督バリアフリー作品特集上映  伊勢監督トークショー

『海獣の子供』音声ガイドナレーションを能登麻美子さんが担当🌠

 こんばんは、シネマチュプキタバタの和田浩章です。
 今回『海獣の子供』の音声ガイドを制作させていただきました。

 今作には自分が伝えたかったことのすべてが詰まってるように思ってます。

 SNS上で既に話題になってますが、圧倒的な熱量と怖いほどの映像美を伴った今作。
 「音声ガイドで見えない方にどう表現してお伝えするのか？」という素朴な疑問に、きちんと向き合わなければなりませんでした。

 妻から遺作と呼ばれた今作は、ストーリーの全てがわかるように伝えてはならない点を含め、とても恐ろしかったです。
 お客様には何度も観て、ようやく核の部分に触れたのではないかという錯覚にも似た境地にさせなければなりません。

 大好きな我が子のような存在を降り落とさねばならないのはとても辛く、それでも伝えなくはならないというせめぎ合い。

 後に「こう表現すればよかったのではないか」と後悔するということは、容易に想像がつきました。

 また『海獣の子供』の原稿に向き合う前から、音声ガイドナレーションは能登麻美子さんしかいないと思いました。

 何故かと言いますと今作の魅力を、深海の魂で感じてくださり、表現ではなく伝えることに尽力して頂けると確信していたからです。

 そしてそれは現実のものとなりました、自分自身が書いた原稿が能登さんの声で生き物のように瑞々しく拡がっていったのです。

 終わらせたいけれど、終わらせたくない、葛藤とは裏腹にあまりにも早すぎる時間軸の中で今作はいつの間にかお別れとなりました。

 お客様が来場してくださり、今作を観ていただけることで、ようやくまた『海獣の子供』たちにまた出逢えるように思っています。

 この夏、生涯に残るアニメ作品がここに誕生しました。まだご覧になってない方、もう一度ご覧になりたい方、是非当館にお越しください💫

 上映日時：8月1日(木)～16日(金)14:00～15:51
                   8月17日(土)～31日(土) 16:30～18:21

 ※水曜定休ですが、お盆期間の14日（水）は上映します！

和田浩章

http://chupki.jpn.org/archives/4507

『海獣の子供』音声ガイドナレーションを能登麻美子さんが担当🌠
 こんばんは、シネマチュプキタバタの和田浩章です。
 今回『海獣の子供』の音声ガイドを制作させていただきました。
 今作には自分が伝えたかったことのすべてが詰まってるように思ってます。
 SNS上で既に話題になってますが、圧倒的な熱量と怖いほどの映像美を伴った今作。
 「音声ガイドで見えない方にどう表現してお伝えするのか？」という素朴な疑問に、きちんと向き合わなければなりませんでした。
 妻から遺作と呼ばれた今作は、ストーリーの全てがわかるように伝えてはならない点を含め、とても恐ろしかったです。
 お客様には何度も観て、ようやく核の部分に触れたのではないかという錯覚にも似た境地にさせなければなりません。
 大好きな我が子のような存在を降り落とさねばならないのはとても辛く、それでも伝えなくはならないというせめぎ合い。
 後に「こう表現すればよかったのではないか」と後悔するということは、容易に想像がつきました。
 また『海獣の子供』の原稿に向き合う前から、音声ガイドナレーションは能登麻美子さんしかいないと思いました。
 何故かと言いますと今作の魅力を、深海の魂で感じてくださり、表現ではなく伝えることに尽力して頂けると確信していたからです。
 そしてそれは現実のものとなりました、自分自身が書いた原稿が能登さんの声で生き物のように瑞々しく拡がっていったのです。
 終わらせたいけれど、終わらせたくない、葛藤とは裏腹にあまりにも早すぎる時間軸の中で今作はいつの間にかお別れとなりました。
 お客様が来場してくださり、今作を観ていただけることで、ようやくまた『海獣の子供』たちにまた出逢えるように思っています。
 この夏、生涯に残るアニメ作品がここに誕生しました。まだご覧になってない方、もう一度ご覧になりたい方、是非当館にお越しください💫
 上映日時：8月1日(木)～16日(金)14:00～15:51
                   8月17日(土)～31日(土) 16:30～18:21
 ※水曜定休ですが、お盆期間の14日（水）は上映します！
 http://chupki.jpn.org/archives/4507

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