クトゥルフ神話TRPGや人狼ゲームに代表される「テーブルトークゲーム」。このゲームをそのままに現実でも疑似的に体験できるよう試みた新しい遊び方が「ライブトークRPG」。ある時は、閉じ込められ、またある時は、潜入する。脱出、潜入という体感イベントであると同時にテーブルトークゲームの醍醐味である、「会話の中でヒントを見つける」という楽しみを盛り込んだ、最先端の遊び方です。
プロローグ
それは、全く奇妙な出来事であった。
ある日、月が通常では考えられないほどに赤く染まった夜が訪れた。
いつもの月よりもその数倍は大きく夜空に煌々と輝き、赤い月のせいか
月光に照らされた道は、まるで血しぶきを撒き散らかしたかのようであった。
その夜、同日同時刻異なる場所で、全く同じ夢を見たという人間が現れたのである。
彼らは一様に、ある一人の人間が話したという言葉を訴えた。
「このままでは、【やつら】に取り込まれてしまう。
もし、私が死に世界に【やつら】が解放されれば、この世界は終わりを迎える。
そんな事になってはならない。だが、私自身ではもうどうすることもできない。
もしこの声が聞こえるならどうか助けてほしい・・・・」
という内容で、その出来事を話すときはまるで熱病にうなされるが如くであり、
最後にこう言うのであった。「あの場所に行かなければならない」
身分も、性別も、年齢も、すべて異なる人たちが全く同じことをつぶやき、
同じ場所を目指した。そこは何の変哲も無い暗い部屋であった。
そこであった出来事が、本誌を賑わせる事になるのは、そのずっと
後のことであった・・・・。