私たちは「一人一人ちがう」ことを前提にした社会の実現を訴えています。

私は昨年度まで教員として埼玉県内の小学校で働いていました。教員としての１８年間には、様々なこども達と出会ってきました。私は、優れた教員だったわけではありません。いまだに後悔と未練が頭から離れません。そんな教員人生で出会ったこども達の中には、「ちがう」ということを許されず、もがき苦しんでいたこども達が少なくありませんでした。

例えばこんな子がいました。３分も座っていられないAさんは、授業中何度も立ち歩きを繰り返し、先生の話を聞いていないと言われていました。担任である私も、立ち歩いているAさんは、話も聞かず自分の好きなことしかしない怠け者という認識でした。しかし、ある授業の後、Aさんは私に、「先生、稲作は縄文時代からやってたんだよ」と話しかけてきたのです。話なんか聞いていないと思っていたAさんは、しっかり私の話を聞いていて、さらに内容を十分理解して、自分のもっている知識と比較し、私の話した内容の不十分な部分を指摘して見せたのです。

この出来事から、Aさんは話を聞いていない怠け者だという認識は、大変な間違いであることに気づいたのです。Aさんの特性は、当時一般的には理解しづらいものでしたが、「学ぶ」という授業の目的に照らし合わせれば、出歩いていようが、聞いていないように見えようが、Aさんの授業の受け方を尊重することが大切だと気づきました。以前、ある東大生が、体を動かしながら覚えると覚えやすいと言っていました。Aさんの特性は、必ずしも特別ではないと今では思っています。

話を進めると、Aさんのような特性が目立つこどもは、１クラスに少なくとも１人か２人はいます。多いクラスになると５人も１０人もいます。しかも、年々増加傾向にあるようです。気になるのは、このような特性が目立つ子の中には、特別支援学級に籍を移すよう誘導されるケースが少なくありません。実際、私自身も担任する子に対して特別支援学級を勧めた経験があります。学校の実態によっては、学級数の増減と関係したり、経験の少ない担任の負担を軽減するため等のこどもとは関係のない理由がそうさせているのが実態です。私は、今では反省しています。やはり、こどもはみんな一緒に学ぶべきです。「一人一人ちがう」のが当たり前なのですから。

問題は、どうして特性が目立つ子が学級から排除されてしまうのかです。一番大きな要因は、授業観にあります。公立学校の多くは、一斉授業を行っています。一斉授業とは、①椅子に座り、②背筋を伸ばし、③静かに、④先生のほうを見て、⑤黒板に書かれた内容を読んで、⑥ノートに書き写すというスタイルです。このスタイルには、いくつか問題が潜んでいます。ここではすべて語れませんが、Aさんに例えると、「椅子に座り」→じっとしていられない、「背筋を伸ばし」→体幹が弱い、「先生のほうを見て」→目を合わせられない＆ひとつのことに注目できない、「ノートに書き写す」→字を素早く丁寧に書けない、という感じで、どう逆立ちしてもできないのです。これは、Aさんが怠けているのではなく、そのような特性があるからです。この特性は、人として劣っているわけではなく、誰にでもある得意不得意の分野がたまたま一斉授業において重要なものだったというだけの話なのです。

しかし、学校で行われている一斉授業において、このような特性は、問題となるとともに、担任から、時には同級生から注意されることで、劣等感が芽生える要因になります。先生方の中には、「当たり前のことを当たり前にできる」とか「凡事徹底」などというスローガンを掲げて学級経営している方もいます。それ自体は否定しませんが、その運用の仕方によっては、Aさんのような子をさらに追い詰める結果にもなりかねません。

「一人一人ちがう」という当たり前のことを、現場の先生方、教育委員会の方々、保護者の方々にはもう一度考えていただきたいと強く思います。

私たちは「一人一人ちがう」ことを前提にした社会の実現を訴えています。

私は昨年度まで教員として埼玉県内の小学校で働いていました。教員としての１８年間には、様々なこども達と出会ってきました。私は、優れた教員だったわけではありません。いまだに後悔と未練が頭から離れません。そんな教員人生で出会ったこども達の中には、「ちがう」ということを許されず、もがき苦しんでいたこども達が少なくありませんでした。

例えばこんな子がいました。３分も座っていられないAさんは、授業中何度も立ち歩きを繰り返し、先生の話を聞いていないと言われていました。担任である私も、立ち歩いているAさんは、話も聞かず自分の好きなことしかしない怠け者という認識でした。しかし、ある授業の後、Aさんは私に、「先生、稲作は縄文時代からやってたんだよ」と話しかけてきたのです。話なんか聞いていないと思っていたAさんは、しっかり私の話を聞いていて、さらに内容を十分理解して、自分のもっている知識と比較し、私の話した内容の不十分な部分を指摘して見せたのです。

この出来事から、Aさんは話を聞いていない怠け者だという認識は、大変な間違いであることに気づいたのです。Aさんの特性は、当時一般的には理解しづらいものでしたが、「学ぶ」という授業の目的に照らし合わせれば、出歩いていようが、聞いていないように見えようが、Aさんの授業の受け方を尊重することが大切だと気づきました。以前、ある東大生が、体を動かしながら覚えると覚えやすいと言っていました。Aさんの特性は、必ずしも特別ではないと今では思っています。

話を進めると、Aさんのような特性が目立つこどもは、１クラスに少なくとも１人か２人はいます。多いクラスになると５人も１０人もいます。しかも、年々増加傾向にあるようです。気になるのは、このような特性が目立つ子の中には、特別支援学級に籍を移すよう誘導されるケースが少なくありません。実際、私自身も担任する子に対して特別支援学級を勧めた経験があります。学校の実態によっては、学級数の増減と関係したり、経験の少ない担任の負担を軽減するため等のこどもとは関係のない理由がそうさせているのが実態です。私は、今では反省しています。やはり、こどもはみんな一緒に学ぶべきです。「一人一人ちがう」のが当たり前なのですから。

問題は、どうして特性が目立つ子が学級から排除されてしまうのかです。一番大きな要因は、授業観にあります。公立学校の多くは、一斉授業を行っています。一斉授業とは、①椅子に座り、②背筋を伸ばし、③静かに、④先生のほうを見て、⑤黒板に書かれた内容を読んで、⑥ノートに書き写すというスタイルです。このスタイルには、いくつか問題が潜んでいます。ここではすべて語れませんが、Aさんに例えると、「椅子に座り」→じっとしていられない、「背筋を伸ばし」→体幹が弱い、「先生のほうを見て」→目を合わせられない＆ひとつのことに注目できない、「ノートに書き写す」→字を素早く丁寧に書けない、という感じで、どう逆立ちしてもできないのです。これは、Aさんが怠けているのではなく、そのような特性があるからです。この特性は、人として劣っているわけではなく、誰にでもある得意不得意の分野がたまたま一斉授業において重要なものだったというだけの話なのです。

しかし、学校で行われている一斉授業において、このような特性は、問題となるとともに、担任から、時には同級生から注意されることで、劣等感が芽生える要因になります。先生方の中には、「当たり前のことを当たり前にできる」とか「凡事徹底」などというスローガンを掲げて学級経営している方もいます。それ自体は否定しませんが、その運用の仕方によっては、Aさんのような子をさらに追い詰める結果にもなりかねません。

「一人一人ちがう」という当たり前のことを、現場の先生方、教育委員会の方々、保護者の方々にはもう一度考えていただきたいと強く思います。



一人一人ちがうということ

昆虫を採集するため仕掛けたトラップの中に何匹か入っていたカブトムシの内の一匹を大切そうに持ちながらある男の子がつぶやいた一言です。

この言葉を聞いたスタッフは、雷に打たれたように心を揺さぶられたそうです。

確かに、私たちは子供や大人を問わず参加者さんに！や？を体験してもらうために様々な事業を行っています。しかし、私たち（種をまく）の脳内で考えたことは所詮小さな小さなきっかけに過ぎないわけで、この男の子のように心から！や？を噛みしめている場面に出くわすと本当に種をまくを始めてよかったと思います。

また、他の男の子は、カブトムシのにおい？こわい？で固まってしまっていました。お母さんやまわりのスタッフが「さわってみな？」とか「無理しないでいいよ」などと声掛けしていましたが、動きません。しばらく様子を見ていると、ゆっくりゆっくり手を伸ばしカブトムシをさわり、つかみ、顔の前へもってきたのです。私は、この子の勇気をはっきりと目にしました。大人の私たちから見れば、何でもない小さな出来事ですが、この男の子（お母さんも）にとってみたら勇気を振り絞った大きな一歩だと思います。この後、この子はカマキリとも対峙していました。結果は言うまでもありません。この「勇気を出して」の経験が、他の場面でも生かされることがあるかもしれません。人とは、この繰り返しで成長していくものだと実感しました。

今日のかいこんでは、体験の力の大きさを再確認しました。

今後も！や？を噛みしめる企画を続けていきます。

「ぼくの天使ちゃんだ！」

昆虫を採集するため仕掛けたトラップの中に何匹か入っていたカブトムシの内の一匹を大切そうに持ちながらある男の子がつぶやいた一言です。

この言葉を聞いたスタッフは、雷に打たれたように心を揺さぶられたそうです。

確かに、私たちは子供や大人を問わず参加者さんに！や？を体験してもらうために様々な事業を行っています。しかし、私たち（種をまく）の脳内で考えたことは所詮小さな小さなきっかけに過ぎないわけで、この男の子のように心から！や？を噛みしめている場面に出くわすと本当に種をまくを始めてよかったと思います。

また、他の男の子は、カブトムシのにおい？こわい？で固まってしまっていました。お母さんやまわりのスタッフが「さわってみな？」とか「無理しないでいいよ」などと声掛けしていましたが、動きません。しばらく様子を見ていると、ゆっくりゆっくり手を伸ばしカブトムシをさわり、つかみ、顔の前へもってきたのです。私は、この子の勇気をはっきりと目にしました。大人の私たちから見れば、何でもない小さな出来事ですが、この男の子（お母さんも）にとってみたら勇気を振り絞った大きな一歩だと思います。この後、この子はカマキリとも対峙していました。結果は言うまでもありません。この「勇気を出して」の経験が、他の場面でも生かされることがあるかもしれません。人とは、この繰り返しで成長していくものだと実感しました。

今日のかいこんでは、体験の力の大きさを再確認しました。

今後も！や？を噛みしめる企画を続けていきます。

8.23かいこんPro「昆虫」から学んだこと

私たちは、主体性をもっと伸ばしたいと思っています。

なぜ、主体性なのか。それは、主体性なくして人間らしい生活はできないからです。

「起きなさい」、「朝ごはん食べなさい」、「ご飯は２杯食べなさい」、「食べ終わったら食器を片付けなさい」、「歯を磨きなさい」、「歯を磨いたら３回ゆすぎなさい」、「食べ終わったら食器を片付けなさい」、「片づけたらすぐに学校に行きなさい」、「早くいって友達を待たせないようにしなさい」、「家を出る前に忘れ物がないかもう一度確認しなさいい」等と言われて生活する子供の姿は２パターンに分けられます。パターン１は、素直に言うことを聞く。パターン２は、反抗する。

さて、皆さんはどちらの姿に主体性を感じますか。

１の場合、主体的に言うことを聞くという選択をしたとも考えられますが、実は出された指示を積極的にすることは、主体性ではなく自主性といいます。明確に主体性と自主性は意味が違います。確認のために整理すると、自主性というのは、指示されたことやルールや予定を進んでまたは、積極的に守ることを自主性といいます。それに対して主体性とは、自分の判断軸に基づいて行動することを主体性と言います。今、世の中（特に先端企業）が求めているのは主体性であり、反抗する子ということになります。

しかし、おおよそ学校現場では、パターン１の子がもてはやされ、パターン２の子は嫌われます。当然１の子の自己肯定感は上がりますが、２の子の自己肯定感は下がります。結果、学校を卒業するころには、２の子はボロボロになって社会に出ていくわけです。

日本の多くの学校でこのような教育が行われていることは、明白です。日本は３０年間給料が上がっていないといわれています。産業の国際競争力も、大学の国際競争力も、特許の数も、引用される論文の数も、がんの罹患率も、通貨の価値も、自殺者の数も、不登校の数も、幸福度も・・・。主な原因はこの主体性の低さだと多くの有識者が言っています。多くの論文や書籍がそう書いています。

しかし、いまだにこの状況をどうにかしようという動きは足りないのが現状です。私たちは、小さな小さな存在でしかありません。しかし、この状況をどうにか変えたいと様々なアプローチをしています。これを読んでいる方で、同じような考えの方がいましたら、連絡ください。

熊谷の、県北の、埼玉県の、日本の教育をよくしていきましょう！

私たちは、主体性をもっと伸ばしたいと思っています。

なぜ、主体性なのか。それは、主体性なくして人間らしい生活はできないからです。

「起きなさい」、「朝ごはん食べなさい」、「ご飯は２杯食べなさい」、「食べ終わったら食器を片付けなさい」、「歯を磨きなさい」、「歯を磨いたら３回ゆすぎなさい」、「食べ終わったら食器を片付けなさい」、「片づけたらすぐに学校に行きなさい」、「早くいって友達を待たせないようにしなさい」、「家を出る前に忘れ物がないかもう一度確認しなさいい」等と言われて生活する子供の姿は２パターンに分けられます。パターン１は、素直に言うことを聞く。パターン２は、反抗する。

さて、皆さんはどちらの姿に主体性を感じますか。

１の場合、主体的に言うことを聞くという選択をしたとも考えられますが、実は出された指示を積極的にすることは、主体性ではなく自主性といいます。明確に主体性と自主性は意味が違います。確認のために整理すると、自主性というのは、指示されたことやルールや予定を進んでまたは、積極的に守ることを自主性といいます。それに対して主体性とは、自分の判断軸に基づいて行動することを主体性と言います。今、世の中（特に先端企業）が求めているのは主体性であり、反抗する子ということになります。

しかし、おおよそ学校現場では、パターン１の子がもてはやされ、パターン２の子は嫌われます。当然１の子の自己肯定感は上がりますが、２の子の自己肯定感は下がります。結果、学校を卒業するころには、２の子はボロボロになって社会に出ていくわけです。

日本の多くの学校でこのような教育が行われていることは、明白です。日本は３０年間給料が上がっていないといわれています。産業の国際競争力も、大学の国際競争力も、特許の数も、引用される論文の数も、がんの罹患率も、通貨の価値も、自殺者の数も、不登校の数も、幸福度も・・・。主な原因はこの主体性の低さだと多くの有識者が言っています。多くの論文や書籍がそう書いています。

しかし、いまだにこの状況をどうにかしようという動きは足りないのが現状です。私たちは、小さな小さな存在でしかありません。しかし、この状況をどうにか変えたいと様々なアプローチをしています。これを読んでいる方で、同じような考えの方がいましたら、連絡ください。

熊谷の、県北の、埼玉県の、日本の教育をよくしていきましょう！

種をまくが見ている未来「こういう人が増えるといい」

「種をまく」をつくった理由は３つあります。

１つ目は、教育に選択肢をつくるため。

２つ目は、主体性や自律性などの非認知能力を育てる場をつくるため。

３つ目は、人口減少やAIを中心とした産業構造の大変革に備えるため。

大きなことを言っていますが、やっていることは実に小さくシンプルです。それは、子供や大人に！や？に出会ってもらうこと。２０年先の社会の姿を想像し、今やるべきことを考えること。です。細かいことは、あまり気にしていません。私たちは、とにかくその２つをコツコツ積み重ね、３つの理由にできる限り迫りたいと思っています。いつの日か、だれかの幸せをつくれる存在になりたいと思っています。

さて今後、「種をまくが見ている未来」として、私たちが行っている活動を深く知ることのできるよう、短編エッセイ形式で投稿していきたいと思います。

この投稿は、特に宣伝はしないつもりです。なぜなら、いまだに完全に自己開示する決断に至っていないからです。中途半端な自己開示となることと思いますが、ご容赦ください。そもそも、自己開示する意味は、相手を安心させるためです。私たち、教育に携わる者は、必要に応じて自己開示を武器として使うことがあります。ここぞという時に使うわけです。

私たち種をまくの勝負所は今。いやもうちょい先？いや実は過ぎている？本当のところよくわかりませんが、この投稿を私たち種をまくの自己開示だと思って受け止めていただけたらと思います。

「種をまく」をつくった理由は３つあります。

１つ目は、教育に選択肢をつくるため。

２つ目は、主体性や自律性などの非認知能力を育てる場をつくるため。

３つ目は、人口減少やAIを中心とした産業構造の大変革に備えるため。

大きなことを言っていますが、やっていることは実に小さくシンプルです。それは、子供や大人に！や？に出会ってもらうこと。２０年先の社会の姿を想像し、今やるべきことを考えること。です。細かいことは、あまり気にしていません。私たちは、とにかくその２つをコツコツ積み重ね、３つの理由にできる限り迫りたいと思っています。いつの日か、だれかの幸せをつくれる存在になりたいと思っています。

さて今後、「種をまくが見ている未来」として、私たちが行っている活動を深く知ることのできるよう、短編エッセイ形式で投稿していきたいと思います。

この投稿は、特に宣伝はしないつもりです。なぜなら、いまだに完全に自己開示する決断に至っていないからです。中途半端な自己開示となることと思いますが、ご容赦ください。そもそも、自己開示する意味は、相手を安心させるためです。私たち、教育に携わる者は、必要に応じて自己開示を武器として使うことがあります。ここぞという時に使うわけです。

私たち種をまくの勝負所は今。いやもうちょい先？いや実は過ぎている？本当のところよくわかりませんが、この投稿を私たち種をまくの自己開示だと思って受け止めていただけたらと思います。

種をまくが見ている未来 

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埼玉県熊谷市の探究と体験の場「種をまく」です。
私たちは「理念や１０のコンセプト」のもと、探究と体験を通して、思いを行動に結びつける主体性と当事者として自分で決め行動しやり遂げる自律性を伸ばします。
興味を広げる授業や独自の探究プログラム、AI、多様な体験プロジェクト、年齢や国籍、障がいの有無等を超えての交流、心理的安全性を大切にするスタッフ、落ち着く教室環境等を用意してお待ちしています。

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