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匿名のユーザー
地元の映画館では未上映の作品のため、調べたところこちらの映画館で上映されることを知り、とても楽しみにして伺いました。到着すると既に沢山のお客様がいました。受付での対応や座席の案内等、上映前のスクリーンでの文字の説明などとても分かりやすかったです。このような素敵な映画館が増えていけば良いのにな…と思いました。またお伺いしたいです。
森 めぐみ
今回紹介していただいた触察絵本は、厚みのある紙と、荒い繊維素材のフェルトやチュール生地など、様々な感触を楽しむことができるものでした。緑が主題でもあるこの絵本は、フレッシュな若草色や力強い深緑など色使いも多様です。また、美味しい飲み物やお菓子をいただきながら、会話を楽しみつつ、3つの彫刻作品に触れる機会もありました。1つ目の作品を触って気づいた事を述べる時間は、探り探りな状態で少し緊張しましたが、参加者それぞれが異なる着眼点を持っていて、共有するたびに新たな発見があり、嬉しく感じました。特に、半田こづえさんの声と語りの言葉が美しく印象的で、次の鑑賞が待ち遠しく思えました。 2つ目以降の作品は目を閉じて触察しました。参加者の言葉だけで作品を想像する時間は、普段よりもゆっくりと時が流れるようで、宙に浮くような、なんとも不思議な感覚を覚えました。自分の番がきて作品に触れると、納得できる部分もあれば、形を捉えきれず新たな疑問が浮かぶこともあり、非常に創造的な時間でした。驚いたのは、触れてもわからなかった形は、見ても上手く言語化できなかったことです。映画『手でふれてみる世界』でも語られていたように、視覚は全体を見て「わかったつもり」になってしまいがちだということを強く実感しました。 また、3つの作品を鑑賞し終えた際に感じた疲労感は、普段、美術展などで作品を鑑賞した後に感じるものとほとんど同じでした。触覚を主体にした鑑賞体験でも、作品や芸術表現によって刺激される感性や感情は、視覚による鑑賞と多くの部分で重なるのだと実感しました。貴重な体験をありがとうございました。
森 めぐみ
『手でふれてみる世界』こちらの映画は、芸術鑑賞における「視覚優位」のあり方に問題提起を試みる内容だと受け取りました。そのため、イヤフォンをお借りして、音声ガイドも併せて視聴しました。
映画鑑賞で音声ガイドを利用するのは初めての経験で、上映が始まると同時に流れ込んでくる情報量の多さに少し戸惑いました。しかし、目を閉じて聴覚情報に集中してみると、情景が脳裏に広がる新しい体験をすることができました。阿部海太郎さんをはじめとした音楽家たちによる音響演出も美しく、水面のキラキラとした輝きや、太陽による温もりといった温度感を音楽を通して感じ取ることができました。イタリアからは遠く離れた日本の地にいても、海に囲まれた「オメロ触覚美術館」や各ロケ地の空気感を楽しむことが出来ました。一方で、「作品にさわる」という行為について、作品の保存・保護の観点から議論が必要な課題も少なくないと感じました。上映後のトークでは、触察による美術鑑賞は興味深い体験である一方、時間や人手も必要とすることが話題に上がったと記憶しています。芸術を志す者として、今回の映画鑑賞をきっかけに、触察、そして芸術にふれることについて、多様な他者と積極的に話し合っていきたいと思います。豊かな時間をありがとうございました。