おはようございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。

あっという間に二月が過ぎました。”一月往ぬる、二月行く、三月去る”との言葉通り、このままだと

二月もあっという間に過ぎてしまいそうですね。ここ数日は、春到来を思わせるほど暖かい日もあったかと

思いきや、翌日は真冬の寒さになることもあり、とても不安定な気候です。風邪薬でも花粉症の薬でも

必要なものはなんでも処方差し上げますので、遠慮なくお声かけください。

インフルエンザがとても流行っていたせいか、一月中は当院理学療法士数名が高熱やインフルエンザなどで

お休みでした。ご利用の皆様には、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。当日の朝に”体調が優れないので

お休みさせてほしい”との連絡をスタッフからもらうと、他のスタッフはなるべく早くに出勤して、皆で

手分けして患者さん達に予約変更の連絡をしております。ご予約の方々も、当院からの電話に”一体なんの

用か？”と不審に思われたかもしれません。体調不良や家族の事情などの理由で、スタッフがどうしても

出勤できない場合、リスケジュールのために他のスタッフが必ず連絡します。お仕事などでお忙しいところを

誠に失礼ながら、ご連絡差し上げることがあること、どうかお許しいただきたいと思います。

今回のようにスタッフのお休みで突然治療が中断する時もそうですが、それ以外にも、例えばリハビリ期間が

過ぎた後に、どのように治療を継続するか、患者さんと相談する場合が有ります。そんな時はまず

”これまで担当者はどのようにリハビリを行なっていましたか？”とお聞きしています。担当者が記載した

カルテを見れば大まかな状況は把握できるのです。ですが、担当者がどのような判断のもとに、どのような

説明をし、どこまで治療が進んだか、実際にリハビリを受けた皆様からお聞きしたいのです。そのほかにも、

担当者がどのようなスタイルでリハビリに臨んでいるか？を知りたいということもあるのです。

というのも、ほとんどの場合、理学療法士は卒後すぐには臨床現場で必要とされるスキルを十分持ち合わせて

いないので、自分を磨くために職場の先輩に教えを請うたり、講習会に参加したり、研究会などに所属する

ことが必要です。どんな講習会や研究会に属するかによって、それぞれのスタイルが確立されているように

思います。だから、版で押したように同じ内容のリハビリというのは存在せず、担当者の個性によって、

リハビリの（大筋は共通するが）内容は異なると思っておいた方が良いわけです。

実際、個々のリハビリは担当する理学療法士の個性が出ますので、細かい内容が”こうも違うのか”と

驚くこともあるのです。例えば、マッサージと理学療法は混合されやすいわけです。これに対して

”理学療法の一環として、求められればマッサージもする”というスタイルと、”理学療法に集中する方が

患者さんのために良いから自分はマッサージは一切しない”というスタイルがあるわけで、どちらの意見も

納得できます。そのほかにも信頼関係を構築するのが一番大事だから、”リハビリ中、ひたすら話し続ける”

人もいれば、”話しすぎると考えがまとまらなくなるので、リハビリ中は一切喋らない”という人もいます。

そんなわけで、医者もそうですけど理学療法士も十人十色です。担当者が急に変わると不安に思われるかも

しれません。でも、安心してください。当院のリハビリスタッフは皆温厚で、各々が目標を持って仕事に

臨んでいます。スタイルはそれぞれ微妙に違うけれど、概して治療成績はとても良好です（私生活も

皆それなりにリア充を満喫している様子）。これまで通り、クリニック全体で皆様の治療を承リますので、

ご心配な点がありましたら、遠慮なくスタッフにご相談いただきたいと思っております。

おはようございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。

あっという間に二月が過ぎました。”一月往ぬる、二月行く、三月去る”との言葉通り、このままだと

二月もあっという間に過ぎてしまいそうですね。ここ数日は、春到来を思わせるほど暖かい日もあったかと

思いきや、翌日は真冬の寒さになることもあり、とても不安定な気候です。風邪薬でも花粉症の薬でも

必要なものはなんでも処方差し上げますので、遠慮なくお声かけください。



インフルエンザがとても流行っていたせいか、一月中は当院理学療法士数名が高熱やインフルエンザなどで

お休みでした。ご利用の皆様には、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。当日の朝に”体調が優れないので

お休みさせてほしい”との連絡をスタッフからもらうと、他のスタッフはなるべく早くに出勤して、皆で

手分けして患者さん達に予約変更の連絡をしております。ご予約の方々も、当院からの電話に”一体なんの

用か？”と不審に思われたかもしれません。体調不良や家族の事情などの理由で、スタッフがどうしても

出勤できない場合、リスケジュールのために他のスタッフが必ず連絡します。お仕事などでお忙しいところを

誠に失礼ながら、ご連絡差し上げることがあること、どうかお許しいただきたいと思います。



今回のようにスタッフのお休みで突然治療が中断する時もそうですが、それ以外にも、例えばリハビリ期間が

過ぎた後に、どのように治療を継続するか、患者さんと相談する場合が有ります。そんな時はまず

”これまで担当者はどのようにリハビリを行なっていましたか？”とお聞きしています。担当者が記載した

カルテを見れば大まかな状況は把握できるのです。ですが、担当者がどのような判断のもとに、どのような

説明をし、どこまで治療が進んだか、実際にリハビリを受けた皆様からお聞きしたいのです。そのほかにも、

担当者がどのようなスタイルでリハビリに臨んでいるか？を知りたいということもあるのです。



というのも、ほとんどの場合、理学療法士は卒後すぐには臨床現場で必要とされるスキルを十分持ち合わせて

いないので、自分を磨くために職場の先輩に教えを請うたり、講習会に参加したり、研究会などに所属する

ことが必要です。どんな講習会や研究会に属するかによって、それぞれのスタイルが確立されているように

思います。だから、版で押したように同じ内容のリハビリというのは存在せず、担当者の個性によって、

リハビリの（大筋は共通するが）内容は異なると思っておいた方が良いわけです。



実際、個々のリハビリは担当する理学療法士の個性が出ますので、細かい内容が”こうも違うのか”と

驚くこともあるのです。例えば、マッサージと理学療法は混合されやすいわけです。これに対して

”理学療法の一環として、求められればマッサージもする”というスタイルと、”理学療法に集中する方が

患者さんのために良いから自分はマッサージは一切しない”というスタイルがあるわけで、どちらの意見も

納得できます。そのほかにも信頼関係を構築するのが一番大事だから、”リハビリ中、ひたすら話し続ける”

人もいれば、”話しすぎると考えがまとまらなくなるので、リハビリ中は一切喋らない”という人もいます。



そんなわけで、医者もそうですけど理学療法士も十人十色です。担当者が急に変わると不安に思われるかも

しれません。でも、安心してください。当院のリハビリスタッフは皆温厚で、各々が目標を持って仕事に

臨んでいます。スタイルはそれぞれ微妙に違うけれど、概して治療成績はとても良好です（私生活も

皆それなりにリア充を満喫している様子）。これまで通り、クリニック全体で皆様の治療を承リますので、

ご心配な点がありましたら、遠慮なくスタッフにご相談いただきたいと思っております。





























一月往ぬる、二月行く、三月去る

こんにちは、御殿山整形外科リハビリクリニックの安藤です。昨年4月から外来診療を務めさせて

いただいております。入職の時に趣味は読書と申し上げたところ、過日院長先生からそのことで

ブログに何か書いてみないかと提案を受けましたので、この度、筆を取りました。

拙文ですが、お付き合いいただければ幸いです。

みなさんは読書をしますでしょうか？私はよく歴史小説を読みます。もともと歴史が好きで、特に日本の

戦国時代と近・現代ヨーロッパ史（特に東欧史）が守備範囲です。それもあってヨーロッパの近代文学も

多少は読みましたが、全体的に重厚で奥深くて読むのにエネルギーを使うので、そちらの開拓は最近

サボりがちではあります（笑）。その分、読みきった時の達成感はひとしおだったりします。

さて、今回は歴史小説についてお話ししたいと思います。歴史小説は歴史上の人物や事柄を扱い、掘り下げて

いくものです。時代小説とは厳密には違いがあり、時代小説は過去の時代を使ってストーリーが作られ、

オリジナルの人物がストーリーの中核であったり、実在人物でも史実と全く違った動きで話が進んでいく

ものだそうです。実際には全国を行脚していない”水戸黄門”や、映画化もした”超高速！参勤交代”などが

時代小説になるようです。その分、エンターテインメント性が高く、読みやすいものが多い印象です。

歴史物は読み慣れていないとややとっつきにくい印象を受けるかもと思います。特に歴史小説は時代小説

以上に時代背景を理解した方がわかりやすいかもしれません。そんな中で歴史小説初めての方でも特にお勧め

なのは”のぼうの城”（和田竜/著）です。主演・野村萬斎さんで映画化もされました。天下統一目前の

豊臣秀吉が関東最大勢力の北条氏を攻略しようとする中、北条旗下の成田氏（現在の埼玉県行田市の領主）

が坂東（関東）武者の意地を見せて豊臣軍の大軍相手に居城・忍（おし）城を守り抜くお話しです。主人公

の成田長親は愚鈍で”のぼう様”（デクのぼうの略）と呼ばれるも領民や家臣に慕われ、その不思議な人柄で

人々を束ねて強大な敵と戦う様を緊迫感の中にコミカルさを交えて書いており、楽しく読み進めることが

できる作品だと思います。前述の映画版を見てから小説を読むのもお勧めです。

戦国時代の人物ものはいわゆる英雄譚が多く、登場人物が清廉で内面の暗さがなくて意外と気楽に読めるもの

が多い気がします。学陽書房の人物文庫シリーズは、色々な作者さんが平安時代〜近代日本の様々な人物

を描いており、文庫本サイズのため手軽で私はよく通勤電車の中で読んでおります。お気に入りは、

”北条綱成”、”竹中半兵衛”（三宅孝太郎/著）、”立花道雪　炎の軍扇”、”高橋紹運”（西津弘美/著）、

”直江兼続　北の王国”、”小早川隆景”（竜門冬二/著）と言ったところでしょうか。直江兼続はNHKドラマにも

なった”天地人”（火坂雅史/著）など、歴史・時代物でよく取り扱われている人物でもあり、作者の解釈や

切り口の違いを読み比べてみるのもなかなか面白いです。

オチもなく徒然なるままに書いてみましたが、いかがでしょうか？整形外科に関係ないことしか書いて

いませんが、機会あればまた何か書くかもしれません。その時はよろしくお願いいたします。

こんにちは、御殿山整形外科リハビリクリニックの安藤です。昨年4月から外来診療を務めさせて

いただいております。入職の時に趣味は読書と申し上げたところ、過日院長先生からそのことで

ブログに何か書いてみないかと提案を受けましたので、この度、筆を取りました。

拙文ですが、お付き合いいただければ幸いです。

みなさんは読書をしますでしょうか？私はよく歴史小説を読みます。もともと歴史が好きで、特に日本の

戦国時代と近・現代ヨーロッパ史（特に東欧史）が守備範囲です。それもあってヨーロッパの近代文学も

多少は読みましたが、全体的に重厚で奥深くて読むのにエネルギーを使うので、そちらの開拓は最近

サボりがちではあります（笑）。その分、読みきった時の達成感はひとしおだったりします。

さて、今回は歴史小説についてお話ししたいと思います。歴史小説は歴史上の人物や事柄を扱い、掘り下げて

いくものです。時代小説とは厳密には違いがあり、時代小説は過去の時代を使ってストーリーが作られ、

オリジナルの人物がストーリーの中核であったり、実在人物でも史実と全く違った動きで話が進んでいく

ものだそうです。実際には全国を行脚していない”水戸黄門”や、映画化もした”超高速！参勤交代”などが

時代小説になるようです。その分、エンターテインメント性が高く、読みやすいものが多い印象です。

歴史物は読み慣れていないとややとっつきにくい印象を受けるかもと思います。特に歴史小説は時代小説

以上に時代背景を理解した方がわかりやすいかもしれません。そんな中で歴史小説初めての方でも特にお勧め

なのは”のぼうの城”（和田竜/著）です。主演・野村萬斎さんで映画化もされました。天下統一目前の

豊臣秀吉が関東最大勢力の北条氏を攻略しようとする中、北条旗下の成田氏（現在の埼玉県行田市の領主）

が坂東（関東）武者の意地を見せて豊臣軍の大軍相手に居城・忍（おし）城を守り抜くお話しです。主人公

の成田長親は愚鈍で”のぼう様”（デクのぼうの略）と呼ばれるも領民や家臣に慕われ、その不思議な人柄で

人々を束ねて強大な敵と戦う様を緊迫感の中にコミカルさを交えて書いており、楽しく読み進めることが

できる作品だと思います。前述の映画版を見てから小説を読むのもお勧めです。

戦国時代の人物ものはいわゆる英雄譚が多く、登場人物が清廉で内面の暗さがなくて意外と気楽に読めるもの

が多い気がします。学陽書房の人物文庫シリーズは、色々な作者さんが平安時代〜近代日本の様々な人物

を描いており、文庫本サイズのため手軽で私はよく通勤電車の中で読んでおります。お気に入りは、

”北条綱成”、”竹中半兵衛”（三宅孝太郎/著）、”立花道雪　炎の軍扇”、”高橋紹運”（西津弘美/著）、

”直江兼続　北の王国”、”小早川隆景”（竜門冬二/著）と言ったところでしょうか。直江兼続はNHKドラマにも

なった”天地人”（火坂雅史/著）など、歴史・時代物でよく取り扱われている人物でもあり、作者の解釈や

切り口の違いを読み比べてみるのもなかなか面白いです。

オチもなく徒然なるままに書いてみましたが、いかがでしょうか？整形外科に関係ないことしか書いて

いませんが、機会あればまた何か書くかもしれません。その時はよろしくお願いいたします。



































安藤先生の趣味

気象庁によると、今年は暖冬だそうです。朝の冷え込みや肌寒い風が吹き込んでくると、”やっぱり

冬は寒いねー”なんて実感しますが、日中は例年よりも比較的暖かい気がします。この時期は

例年、雨や雪で路面が滑りやすくなって怪我をする方が多くなります。特にエスカレーターの降り口など、

滑りやすい上に歩くスピードが急に変わるところは、転びやすいと思います。体も悴んで咄嗟の動きが

難しい時もありますので、どうかゆっくり歩いてくださいね。

私、1月14日に鹿児島県指宿市で行われたフルマラソンに参加してきました。

クリニックのウェブサイトに”マラソン外来”と銘打っているのにもかかわらず、私自身がフルマラソンを

完走したことが無いのは変だよな、と前々から思っていたのです。指宿に深い思い入れがあるわけでもなく、

（温泉は魅力的でしたが）あくまでスケジュール上、その日しか空いている日がなかったので、あくまで

マラソンのためだけに（マラソン外来の研修と称して）指宿に行ってきたわけです。

結果ですが、最後の４キロは完全に歩きました。でも一応、５時間５３分で辛くも完走しました。あの

川内優輝選手も招待選手として出場され、２時間３０分位で完走されていました。日頃からの厳しい鍛錬の

賜物なのでしょうけど、同じ42．195キロをどうしてそんなスピードで走れるのか、全く想像もつきません。

感想は、”完走できて本当によかった”です。

ゴールした時にもらった景品は、大きくFINISHERとプリントされているバスタオルでした。どうってことの

ないタオルですけど、これ意外と大きな思い出になりますよ。

もらった時はもうヘトヘトで、”荷物が増えて荷支度が大変になるから嫌だなー”くらいにしか思えません

でした。その後、身支度を済ませて空港に向かうのですが、とんでもなく体が痛くて重いのです。指宿駅行き

バスのたった二段の階段に登るのに必死だし、駅から空港行きのバス停、そして空港の搭乗口から畿内の席

までが遥か遠くに思えるほど、そして羽田に着陸してから京浜急行のプラットホームに降りるまで、こんなに

エスカレーターが便利だとは思わなかった、としみじみ思うほど疲れ切っていました。家路を急ぐ間、私は

”丸一日マラソンに費やして良かったのだろうか？”といった、充実感とはほど遠いネガティブな気持ちに

しかし不思議なもので、数日経って入浴後、偶然そのタオルで体を拭いていたら、”諦めずに完走して

良かったなー”と、達成感がふつふつと湧いてくるのです。そんな時に改めてタオルをまじまじと見直すわけ

です。すると、タオルは白地に黄色の絵柄が入っていて、ちょうどそれがランニング中に目に入った黄色い

菜の花を思い出させてくれるのです。そしてだんだんと、沿道で応援してくれた地域の方々、スポーツ

ドリンクや地域の名産品（肉、魚、果物、豚汁など）を食べさせてくれた関係者の方々、お菓子を配って

くれる子供達の元気なせいえん、そして指宿の美しい情景が、脳裏に蘇ってくるのです。この瞬間、

”彼らが後押ししてくれたおかげで、私は走り切れた”という感謝の気持ちが湧いてくるのです。

なるほど、これこそがマラソン大会の魅力なのかもしれませんね。そんなわけで、このFINISHIERタオル、

２０２４年に私が得た宝物の第一号になったわけです。

今回私が参加した指宿マラソンは制限時間が８時間と長めなので、初心者向けとされています。ただ、

帰りの電車の中で、他のランナーたちも”坂が多くてとってもハードだった”とぼやいていたので、

アップダウンは比較的多いコースではないかと思います。棄権される方も結構いたそうです。

白状すると、私も３０キロ地点の給水所で、係の方に棄権を申し出たのです。その時の方は、

”ちょっと休んだらすぐよくなるから、これ使って頑張ってねー”と言って、私にコールドスプレーを

手渡したのでした。私の弱音を聞こえないふりをしてくれたのか？それとも適当にあしらわれたのか？

よくわかりませんでした。しかし、このやり取りで私の心に火がつき、”絶対に自分の足で帰るぞ”と

決意したことが完走に大きく影響したことは間違いありません。

そんなわけで、色んな意味でちょっとハードなコースかもしれませんが、挑戦してみるのは悪くないですよ。

ただ、今度私が出場する時は、なるべくフラットな土地で走る都市型のマラソン大会を選ぼうと思います。

おはようございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。

気象庁によると、今年は暖冬だそうです。朝の冷え込みや肌寒い風が吹き込んでくると、”やっぱり

冬は寒いねー”なんて実感しますが、日中は例年よりも比較的暖かい気がします。この時期は

例年、雨や雪で路面が滑りやすくなって怪我をする方が多くなります。特にエスカレーターの降り口など、

滑りやすい上に歩くスピードが急に変わるところは、転びやすいと思います。体も悴んで咄嗟の動きが

難しい時もありますので、どうかゆっくり歩いてくださいね。



さて、今回はご報告。

私、1月14日に鹿児島県指宿市で行われたフルマラソンに参加してきました。

クリニックのウェブサイトに”マラソン外来”と銘打っているのにもかかわらず、私自身がフルマラソンを

完走したことが無いのは変だよな、と前々から思っていたのです。指宿に深い思い入れがあるわけでもなく、

（温泉は魅力的でしたが）あくまでスケジュール上、その日しか空いている日がなかったので、あくまで

マラソンのためだけに（マラソン外来の研修と称して）指宿に行ってきたわけです。

結果ですが、最後の４キロは完全に歩きました。でも一応、５時間５３分で辛くも完走しました。あの

川内優輝選手も招待選手として出場され、２時間３０分位で完走されていました。日頃からの厳しい鍛錬の

賜物なのでしょうけど、同じ42．195キロをどうしてそんなスピードで走れるのか、全く想像もつきません。



感想は、”完走できて本当によかった”です。

ゴールした時にもらった景品は、大きくFINISHERとプリントされているバスタオルでした。どうってことの

ないタオルですけど、これ意外と大きな思い出になりますよ。

もらった時はもうヘトヘトで、”荷物が増えて荷支度が大変になるから嫌だなー”くらいにしか思えません

でした。その後、身支度を済ませて空港に向かうのですが、とんでもなく体が痛くて重いのです。指宿駅行き

バスのたった二段の階段に登るのに必死だし、駅から空港行きのバス停、そして空港の搭乗口から畿内の席

までが遥か遠くに思えるほど、そして羽田に着陸してから京浜急行のプラットホームに降りるまで、こんなに

エスカレーターが便利だとは思わなかった、としみじみ思うほど疲れ切っていました。家路を急ぐ間、私は

”丸一日マラソンに費やして良かったのだろうか？”といった、充実感とはほど遠いネガティブな気持ちに

囚われていました。



しかし不思議なもので、数日経って入浴後、偶然そのタオルで体を拭いていたら、”諦めずに完走して

良かったなー”と、達成感がふつふつと湧いてくるのです。そんな時に改めてタオルをまじまじと見直すわけ

です。すると、タオルは白地に黄色の絵柄が入っていて、ちょうどそれがランニング中に目に入った黄色い

菜の花を思い出させてくれるのです。そしてだんだんと、沿道で応援してくれた地域の方々、スポーツ

ドリンクや地域の名産品（肉、魚、果物、豚汁など）を食べさせてくれた関係者の方々、お菓子を配って

くれる子供達の元気なせいえん、そして指宿の美しい情景が、脳裏に蘇ってくるのです。この瞬間、

”彼らが後押ししてくれたおかげで、私は走り切れた”という感謝の気持ちが湧いてくるのです。

なるほど、これこそがマラソン大会の魅力なのかもしれませんね。そんなわけで、このFINISHIERタオル、

２０２４年に私が得た宝物の第一号になったわけです。



今回私が参加した指宿マラソンは制限時間が８時間と長めなので、初心者向けとされています。ただ、

帰りの電車の中で、他のランナーたちも”坂が多くてとってもハードだった”とぼやいていたので、

アップダウンは比較的多いコースではないかと思います。棄権される方も結構いたそうです。



白状すると、私も３０キロ地点の給水所で、係の方に棄権を申し出たのです。その時の方は、

”ちょっと休んだらすぐよくなるから、これ使って頑張ってねー”と言って、私にコールドスプレーを

手渡したのでした。私の弱音を聞こえないふりをしてくれたのか？それとも適当にあしらわれたのか？

よくわかりませんでした。しかし、このやり取りで私の心に火がつき、”絶対に自分の足で帰るぞ”と

決意したことが完走に大きく影響したことは間違いありません。

そんなわけで、色んな意味でちょっとハードなコースかもしれませんが、挑戦してみるのは悪くないですよ。

ただ、今度私が出場する時は、なるべくフラットな土地で走る都市型のマラソン大会を選ぼうと思います。













































人生初のフルマラソン、行ってきました

あけましておめでとうございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。

早いもので、２０２４年もすでに1週間過ぎてしまいましたね。

新年に希望を馳せるこの時期、いかがお過ごしでしょうか？初詣は済ませましたか？

私は元旦、初詣に明治神宮へと行ってまいりました。

その日は天気が良くて、青い空がとっても綺麗な日で、境内をお散歩するのにはもってこいの日でした。

しっかり祈願も済ませてきましたよ。出口に向かう途中にある大きな広場に屋台が多数出店していました。

お雑煮の出汁には柚子が入っていてどこか懐かしい味で、また、中に入っていたお餅はちょうどよい歯応えで

とってもおいしかったです（座る場所が見当たらなくてちょっと困った）。

そんなわけで、今回はお餅にまつわるお話。

”餅は餅屋で”という言葉、ご存知ですよね？

江戸時代から使われるようになった言葉だそうです。以前は各ご家庭で餅をついていたのが、やっぱり

餅屋さんのお餅の方が美味しいから、みんな餅屋さんのお餅を求めるようになったことから、どんなこと

でもその道の専門家に頼ろう、という意味で使われるようになった言葉です。この、”餅は餅屋で”という

言葉、医療業界でもしばしば耳にします。つい先日参加したフットケア学会のシンポジウムでは、

タイトルがなんと、”先生、餅は餅屋って言葉、聞いたことないんですか？”という、とっても攻撃的なもの

そのシンポジウムでは、足への血行が悪いのをどのような手法で直すのが最良か、循環器内科医、形成外科医

血管外科医が喧々諤々のディベートを行う、というものでした。循環器内科医はカテーテル（極細の管）を

血管内に通して細い血管を広げるのに対して、血管外科医は太い血管を細い血管につなぐバイパス手術を行い

隅々まで血液を流そうとするのに対して、形成外科医はすでに血行が悪すぎて回復が見込めない部分を

なるべく目立たないように切り取る手術を行うわけです。皆様、本当に素晴らしいお仕事をされていました。

ただ、全ての診療科に経験豊富な医師が満遍なくそろっている病院など、ありません。専門家の間で役割分担

をしっかり、が理想ではあるけれど、実際には循環器内科医が形成外科的な手術をしていたり、血管外科医が

カテーテルを操ったりしているわけです。そもそもですが、血流というものは患者さんの持病や容体（動脈

硬化やら糖尿病やら心臓病やら）によっても強く影響を受けますので、期待した通りの治療成績が得られない

ことも、決して珍しくはないのです。ですから、決して得意ではないことでも、自分なりにできる範囲で

やらざるを得ない局面も多々あるのだろう、と私なりに察してしまうのでした。

シンポジウムでは、”餅は餅屋に任せて”的な、かなりアグレッシブな（引っ込んでろとまでは言われない

までも）言葉が行き交う場面もあったのですが、そこは座長の先生が見事に笑いをとって丸めこめていて、

あんなキッツいタイトルにもかかわらず、和やかに会が進行したのでした。座長の先生方の進行のうまさには

驚嘆しつつも、この難しい疾患に真っ向から立ち向かう先生方に、私は心から、

”お疲れ様でした、頑張ってください！”とエールを送ったのでした。

ちなみに、シンポジウムの締めくくりとして、座長の先生は”血行の悪い人に一番大事なことは、足に傷を

作らないことだ。そのためには足の接地面積を増やすことと、関節拘縮（関節が曲がらないこと）を減らす

ことだから、整形外科的な治療も欠かせない”とおっしゃっていました。全く同感です！、と感心してしまった

これは私が勝手に拘っているだけなのですが、”餅は餅屋で”と言われると、”なんでも専門家にみてもらえ”

と言われているように聞こえてしまうのです。

専門的な指導をするのは、大賛成です。例えば、週２、3回は同一部位の治療を２、3年続けて行うことで、

医師は一生忘れないほどの経験と手技を培うことができます。ですから、ある一時期に徹底的に一つの領域を

限定して治療にあたることは、医師の育成にとても大事なことだと思うのです。

ただ一方で、なんでも専門家に丸投げする非専門家もどうかと思うし、専門領域がものすごく狭くて頼り

にくい専門家も、困ったものです。専門性と汎用性、双方バランスよく欲しいものですよね。

ちなみに、当院はどんな餅屋さんなのでしょうか？

これには去年の統計を見るのが最もわかりやすいと思います。

当院での２０２３年の日帰り、短期入院手術は計２３０例でした。

陥入爪やばね指、五十肩、腫瘍摘出、手根管症候群などなどレパートリーに富んでいるのですが、

最も多かったのは脊椎内視鏡手術１２８例で、第２位は肩腱板断裂手術で３０例、３位は足関節の靭帯

当院をお餅屋さんで例えるならば、”お餅も売ってるけど、お団子もせんべいもおにぎりも、炊き込みご飯

もあるよー”という感じです。”必要な時に必要なことをやるけど、不要なことはしない”を信条にして

おります。当院でお役に立つことであれば、なんでもいたします。

2023年は、患者さんの多くが当院ウェブサイトをご覧になってから治療を決断されたとお聞きしました。

情報発信がいかに大事かを痛感した一年でした。2024ねんは、”当院で何が出来るのか”という情報を

たくさんアウトプットしようと思っております。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

あけましておめでとうございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。



早いもので、２０２４年もすでに1週間過ぎてしまいましたね。

新年に希望を馳せるこの時期、いかがお過ごしでしょうか？初詣は済ませましたか？

私は元旦、初詣に明治神宮へと行ってまいりました。

その日は天気が良くて、青い空がとっても綺麗な日で、境内をお散歩するのにはもってこいの日でした。

しっかり祈願も済ませてきましたよ。出口に向かう途中にある大きな広場に屋台が多数出店していました。

お雑煮の出汁には柚子が入っていてどこか懐かしい味で、また、中に入っていたお餅はちょうどよい歯応えで

とってもおいしかったです（座る場所が見当たらなくてちょっと困った）。



そんなわけで、今回はお餅にまつわるお話。

”餅は餅屋で”という言葉、ご存知ですよね？

江戸時代から使われるようになった言葉だそうです。以前は各ご家庭で餅をついていたのが、やっぱり

餅屋さんのお餅の方が美味しいから、みんな餅屋さんのお餅を求めるようになったことから、どんなこと

でもその道の専門家に頼ろう、という意味で使われるようになった言葉です。この、”餅は餅屋で”という

言葉、医療業界でもしばしば耳にします。つい先日参加したフットケア学会のシンポジウムでは、

タイトルがなんと、”先生、餅は餅屋って言葉、聞いたことないんですか？”という、とっても攻撃的なもの

だったのです。



そのシンポジウムでは、足への血行が悪いのをどのような手法で直すのが最良か、循環器内科医、形成外科医

血管外科医が喧々諤々のディベートを行う、というものでした。循環器内科医はカテーテル（極細の管）を

血管内に通して細い血管を広げるのに対して、血管外科医は太い血管を細い血管につなぐバイパス手術を行い

隅々まで血液を流そうとするのに対して、形成外科医はすでに血行が悪すぎて回復が見込めない部分を

なるべく目立たないように切り取る手術を行うわけです。皆様、本当に素晴らしいお仕事をされていました。



ただ、全ての診療科に経験豊富な医師が満遍なくそろっている病院など、ありません。専門家の間で役割分担

をしっかり、が理想ではあるけれど、実際には循環器内科医が形成外科的な手術をしていたり、血管外科医が

カテーテルを操ったりしているわけです。そもそもですが、血流というものは患者さんの持病や容体（動脈

硬化やら糖尿病やら心臓病やら）によっても強く影響を受けますので、期待した通りの治療成績が得られない

ことも、決して珍しくはないのです。ですから、決して得意ではないことでも、自分なりにできる範囲で

やらざるを得ない局面も多々あるのだろう、と私なりに察してしまうのでした。



シンポジウムでは、”餅は餅屋に任せて”的な、かなりアグレッシブな（引っ込んでろとまでは言われない

までも）言葉が行き交う場面もあったのですが、そこは座長の先生が見事に笑いをとって丸めこめていて、

あんなキッツいタイトルにもかかわらず、和やかに会が進行したのでした。座長の先生方の進行のうまさには

驚嘆しつつも、この難しい疾患に真っ向から立ち向かう先生方に、私は心から、

”お疲れ様でした、頑張ってください！”とエールを送ったのでした。

ちなみに、シンポジウムの締めくくりとして、座長の先生は”血行の悪い人に一番大事なことは、足に傷を

作らないことだ。そのためには足の接地面積を増やすことと、関節拘縮（関節が曲がらないこと）を減らす

ことだから、整形外科的な治療も欠かせない”とおっしゃっていました。全く同感です！、と感心してしまった

のでした。



これは私が勝手に拘っているだけなのですが、”餅は餅屋で”と言われると、”なんでも専門家にみてもらえ”

と言われているように聞こえてしまうのです。

専門的な指導をするのは、大賛成です。例えば、週２、3回は同一部位の治療を２、3年続けて行うことで、

医師は一生忘れないほどの経験と手技を培うことができます。ですから、ある一時期に徹底的に一つの領域を

限定して治療にあたることは、医師の育成にとても大事なことだと思うのです。

ただ一方で、なんでも専門家に丸投げする非専門家もどうかと思うし、専門領域がものすごく狭くて頼り

にくい専門家も、困ったものです。専門性と汎用性、双方バランスよく欲しいものですよね。



ちなみに、当院はどんな餅屋さんなのでしょうか？

これには去年の統計を見るのが最もわかりやすいと思います。

当院での２０２３年の日帰り、短期入院手術は計２３０例でした。

陥入爪やばね指、五十肩、腫瘍摘出、手根管症候群などなどレパートリーに富んでいるのですが、

最も多かったのは脊椎内視鏡手術１２８例で、第２位は肩腱板断裂手術で３０例、３位は足関節の靭帯

手術１７例でした。



当院をお餅屋さんで例えるならば、”お餅も売ってるけど、お団子もせんべいもおにぎりも、炊き込みご飯

もあるよー”という感じです。”必要な時に必要なことをやるけど、不要なことはしない”を信条にして

おります。当院でお役に立つことであれば、なんでもいたします。

2023年は、患者さんの多くが当院ウェブサイトをご覧になってから治療を決断されたとお聞きしました。

情報発信がいかに大事かを痛感した一年でした。2024ねんは、”当院で何が出来るのか”という情報を

たくさんアウトプットしようと思っております。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。



























































餅は餅屋で、というお話

なんだか急に寒くなりましたねー。11月初め、たった３泊４日ですが暑いシンガポールにいたせいか、

寒さが身に沁みます。ちょっと離れている間に東京は秋があっという間に過ぎ去ってしまったような

気分です。身が締まった魚が特に美味しくなる冬、私は決して嫌いではありませんが、突然寒くなると

さて、11月第１週の週末はシンガポールで手術トレーニングを受けたばかりなのですが、私は11月第２週

の週末は、神戸にある医療機器開発センターで、脊椎内視鏡手術の技術講習会に参加してまいりました。

シンガポールでは、従来は膝肩などの関節手術に用いる内視鏡を、脊椎手術に応用する手術をcadaver相手に

習得しました。コストが断然安くて済むのが大きな特徴で、数年前から韓国を中心に主にアジア諸国で

広まっていて、近年欧米でもかなり注目を浴びている手法です（なぜか日本では広まっていなかった）。

それに対して神戸では、日本で認可されている脊椎内視鏡で、全身麻酔のかかったブタさんを相手に

手術を行いました。これは脊椎内視鏡手術を始めるドクターを対象とする入門用の講習会で、まずブタさんで

脊椎内視鏡手術に慣れようね、というものです。私も10年以上前に参加したような気がします（宿泊した

ホテルの前に野生のイノシシが現れた記憶が）。毎日ヒトを相手に手術する私が、なぜ今回それに出なければ

いけないのか？それにはこんな訳があるのです。

私は脊椎内視鏡手術の技術認定医と言う資格を持っていますが、5年ごとの資格更新には、実際の手術動画を

無修正で整形外科学会へ提出しなければいけません。去年が更新年だったので、規定通りに手術動画を送った

ところ、”資格更新は認めますが、この講習会に必ずもう一度参加するように”と指示されたのです。多分、

手術手技に慣れすぎて”危険な操作を避ける”というアピールが足りないのでしょうね。初心を忘れるなという

貴重な戒めとありがたく受け止めることにして、講習会に参加したのでした。クリニックの仕事を終えて

ヘトヘトで午前１時に帰宅。翌朝５時に飛び起きて朝６時の新幹線に乗って新神戸まで、眠い〜！。

（ちなみに参加費５万円、もったいないから遅刻なんてできない）

三宮駅からモノレールに乗って無事に会場に着き、束の間のほっと一息。午前１０時から１２時頃までは

講義がみっちり。午後１時から５時までが実技でした。たとえブタさんに行うとはいえ、専門領域のドクター

達に囲まれての手術は緊張するのでしょうね。知らぬうちに肩に力が入っていて、日頃の手術以上に疲れ

ました。ただし、今回とても有り難かったのは、脊椎内視鏡手術の世界では重鎮とされるドクター達が、

まるでトレーナーのように私に”ここに内視鏡ずらして”とか、”ここの筋肉を剥がして”などのアドバイスを

くれるのです。手術自体は自分が設定したゴールまで、規定時間内に無事終えることができました。しかし、

私が手技に慣れすぎているせいか注意を怠り、いくつかの動作が雑になっていると指摘され（硬膜に穴を

知らぬうちに開けていた！）、特に止血にじっくり時間をかけるようご指導いただいたのでした。

そんなわけで、内視鏡手術技術認定の資格を保持継続するということは、一定数以上の手術を継続して

行っていることはもちろんのこと、手術スキルを専門家に評価してもらう必要があること、常に新しい技術に

挑まなければいけないこと、などなどの厳しい試練に挑まなければならないのです。そんなに大変なら、なぜ

やるのか？と聞かれれば、”だって楽しいから”としか、お答えのしようがないのです・・・。

で、話は少し変わって、当院に頻繁に営業を仕掛けてくるウェブサイト作成会社のお話です。”東京都の

お勧めしたい整形外科　●●選”にこちらのクリニックも掲載しませんか？掲載料は月３．５万円の５年間、

計210万円で承ります、ですって。その、あまりにざっくりしたタイトルはどうかと思う、と言うと、

おはようございます、御殿山整形外科リハビリクリニックの森末です。

なんだか急に寒くなりましたねー。11月初め、たった３泊４日ですが暑いシンガポールにいたせいか、

寒さが身に沁みます。ちょっと離れている間に東京は秋があっという間に過ぎ去ってしまったような

気分です。身が締まった魚が特に美味しくなる冬、私は決して嫌いではありませんが、突然寒くなると

喉が痛くなって嫌ですね。

さて、11月第１週の週末はシンガポールで手術トレーニングを受けたばかりなのですが、私は11月第２週

の週末は、神戸にある医療機器開発センターで、脊椎内視鏡手術の技術講習会に参加してまいりました。



シンガポールでは、従来は膝肩などの関節手術に用いる内視鏡を、脊椎手術に応用する手術をcadaver相手に

習得しました。コストが断然安くて済むのが大きな特徴で、数年前から韓国を中心に主にアジア諸国で

広まっていて、近年欧米でもかなり注目を浴びている手法です（なぜか日本では広まっていなかった）。



それに対して神戸では、日本で認可されている脊椎内視鏡で、全身麻酔のかかったブタさんを相手に

手術を行いました。これは脊椎内視鏡手術を始めるドクターを対象とする入門用の講習会で、まずブタさんで

脊椎内視鏡手術に慣れようね、というものです。私も10年以上前に参加したような気がします（宿泊した

ホテルの前に野生のイノシシが現れた記憶が）。毎日ヒトを相手に手術する私が、なぜ今回それに出なければ

いけないのか？それにはこんな訳があるのです。



私は脊椎内視鏡手術の技術認定医と言う資格を持っていますが、5年ごとの資格更新には、実際の手術動画を

無修正で整形外科学会へ提出しなければいけません。去年が更新年だったので、規定通りに手術動画を送った

ところ、”資格更新は認めますが、この講習会に必ずもう一度参加するように”と指示されたのです。多分、

手術手技に慣れすぎて”危険な操作を避ける”というアピールが足りないのでしょうね。初心を忘れるなという

貴重な戒めとありがたく受け止めることにして、講習会に参加したのでした。クリニックの仕事を終えて

ヘトヘトで午前１時に帰宅。翌朝５時に飛び起きて朝６時の新幹線に乗って新神戸まで、眠い〜！。

（ちなみに参加費５万円、もったいないから遅刻なんてできない）



三宮駅からモノレールに乗って無事に会場に着き、束の間のほっと一息。午前１０時から１２時頃までは

講義がみっちり。午後１時から５時までが実技でした。たとえブタさんに行うとはいえ、専門領域のドクター

達に囲まれての手術は緊張するのでしょうね。知らぬうちに肩に力が入っていて、日頃の手術以上に疲れ

ました。ただし、今回とても有り難かったのは、脊椎内視鏡手術の世界では重鎮とされるドクター達が、

まるでトレーナーのように私に”ここに内視鏡ずらして”とか、”ここの筋肉を剥がして”などのアドバイスを

くれるのです。手術自体は自分が設定したゴールまで、規定時間内に無事終えることができました。しかし、

私が手技に慣れすぎているせいか注意を怠り、いくつかの動作が雑になっていると指摘され（硬膜に穴を

知らぬうちに開けていた！）、特に止血にじっくり時間をかけるようご指導いただいたのでした。



そんなわけで、内視鏡手術技術認定の資格を保持継続するということは、一定数以上の手術を継続して

行っていることはもちろんのこと、手術スキルを専門家に評価してもらう必要があること、常に新しい技術に

挑まなければいけないこと、などなどの厳しい試練に挑まなければならないのです。そんなに大変なら、なぜ

やるのか？と聞かれれば、”だって楽しいから”としか、お答えのしようがないのです・・・。



で、話は少し変わって、当院に頻繁に営業を仕掛けてくるウェブサイト作成会社のお話です。”東京都の

お勧めしたい整形外科　●●選”にこちらのクリニックも掲載しませんか？掲載料は月３．５万円の５年間、

計210万円で承ります、ですって。その、あまりにざっくりしたタイトルはどうかと思う、と言うと、

それでは”腰痛治療でお勧めしたい整形外科”でどうでしょうか？と返されてしまいました。

へこたれないのは営業マンとしては評価するが、ざっくり感は全く変わりません。掲載内容を実際見てみよう

とそれらのウェブサイトを開くと、知人のクリニックもあるけれど、開院仕立てのクリニックや、何やら

聞いたことのない治療法を売りにする自費診療専門のクリニックなどが無秩序に並んでいる状態です。

それぞれの医院についても、適当に医院のウェブサイトからコピペしたような文章が数行並んだあと、

詳しく知りたい方向けに医院のウェブサイトにジャンプするボタンがある、というものでした。

あれ？よく見直してみると、自院も掲載されている？でも、掲載料は一切払っていませんけど（紹介文も

イケてないから、あんまり嬉しくない）。



これだけ日々切磋琢磨して診療に挑んでいるのに、そんなことは全く理解もできない人たちのウェブサイトに

金をはらって自院を宣伝してもらう筋合いなんかないわ！むしろこちらが金を払ってもらいたいくらいだ、

値引きして掲載料を月3．5万円にしとくわ！って今度きたら言ってやろうと思っています。



”よい医院・病院”の、何をもって”よい”とするかは考え方によってだいぶ異なるから、”どこがよい医院・

病院なのかわからない”と悩む方は多いのだと思います。ただ、くびや腰の痛みに対して手術治療を要する場合

には、担当医が（更新するのがこんなに大変な）脊椎内視鏡手術認定医の資格を有するか、は判断材料に

してもいいのではないか、なんて思っております。

















































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